湿度の高い時期は要注意!かゆい「水虫」の原因と対策

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2018/8/7 17:45

水虫はカビの一種である白癬菌が皮膚に感染することが原因で起こります。人から人にうつる感染症の一つです。無症状のものから、痒み、痛みを伴うものなど、症状の出方も様々。水虫の原因、症状、予防法、治療法を解説します。

水虫とは……足の指の間や足裏に発生しやすい白癬菌感染症

「水虫」とはカビである真菌に分類される「白癬菌感染症」のこと。 皮膚があるところなら、どこにでも発生します。意外と知られていませんが、水虫は頭のてっぺんから足の指先まで生じる可能性があります。典型的な好発部位は、足の指の間です。一般的には「足裏」と言いますが、足底も水虫の好発部位です。

頭の水虫も珍しくありません。まれに特殊なタイプの真菌がみられることがあり、特に柔道選手の間で流行しています。柔道選手からはTrichophyton tonsuransという特殊な白癬菌が検出されることが多く、内服薬での治療が必要となります。

水虫の原因・感染経路……マットやタオルなどでも感染

白癬菌はカビの一種で、湿度の高い環境でしか増えないため、足に感染している場合がほとんど。しかし、時に頭部、そけい部、体幹などの部位でも感染がみられることがあります。

物を介した場合を含め、家族、他人などとの接触で感染します。例えば風呂場の足拭きマット、タオル、サンダルなどに白癬菌が残っていた場合、それらと接触して、洗い流さないまま経過し、湿度が高いと水虫が発生します。特に靴の中は湿度99%以上という環境なので、白癬菌が定着する可能性が高い部位です。

水虫の症状……無症状のもの、痒み・痛みがあるもの

無症状、痒み、痛み、二次感染などがあります。本来白癬菌は皮膚の外層にある角質に定着するものなので、角質に留まる限り症状はありません。外観は水疱や白く浮いた円形の角質などがみられます。白癬菌や周囲の炎症が真皮(皮膚の真中の構成成分)に達すると、痒み、痛みを生じます。

水虫が深い潰瘍を形成した場合、皮膚のバリアー機能が破綻して、細菌感染を合併することがあります。この場合潰瘍周囲に発赤、激痛など強い炎症症状が発生します。二次感染と呼ばれる状態。この状態まできたら病院をすぐに受診する必要があります。

水虫の診断法・検査法……症状に気づいたら皮膚科受診を

皮膚科で感染部位から皮膚の検体を採取して顕微鏡診断で菌糸を発見し、水虫と診断します。注意しなければならないのは「偽陰性」といって、水虫なのに検査の結果が陰性となる場合がよくあること。特に抗真菌剤を開始したあとは検査は陰性にでることが多いので注意が必要です。

水虫の予防法・対処法

◆ 感染しにくい環境づくり
まず、水虫が皮膚に定着しない環境をつくることが大切。湿度を抑え、真菌が発育しないような努力をしましょう。革靴を長時間はいていると革靴内の湿度は99%以上になるため、白癬菌が発達しやすくなります。可能な限りサンダルや運動靴に履き替えるのも効果的です。濡れた靴は履き替える、同じ靴を毎日使用しないなど、様々な方法があります。同じ理由で、靴下もなるべく吸湿性のよい綿の厚手のものを選ぶのがお勧めです。

◆ 他人との接触後の洗浄
公衆浴場、温泉、プールなど、他人と接触する場所に行った場合は、24時間以内に体を洗い流すようにしましょう。

◆ 外用薬・病院の活用
現在さまざまな坑真菌薬が、市販されています。もし水虫になってしまった場合、自宅で治療することも可能です。

水虫の診断法……水虫と思っても3割は違う病気とも

しかし、水虫と思って皮膚科を受診した方の3割が、水虫以外の病気が原因だったというデータもあります。接触性皮膚炎(自分で使用していた薬に対するアレルギー)、細菌感染、あせもなど、水虫に似た様々な病気があります。水虫の外用薬を開始する前に、必ず皮膚科で白癬菌を顕微鏡で確認する必要があります。受診当日に診断はつきます。

また薬局で入手可能な外用薬も種類が増加した現在では、薬局と病院の薬剤の差はほとんどありません。ただし自分で治療した場合は100%自己負担となりますが、病院では30%の負担です。水虫の治療は時間がかかること、完治するには大量の外用薬が必要なことから、費用も大きくなります。診断と費用の2つの観点から病院での治療をお勧めします。

病院で受けられる水虫治療法

薬の剤形もクリーム、ローション、軟膏、スプレーなどいろいろなものが入手できます。皮膚の状態に応じて剤形は専門医が選択します。外用薬として、1日1回の使用で十分な効果のあるエクセルダーム、ニゾラール、アトラント、アスタット、ルリコン、ゼフナート、ペキロン、ボレー、ラミシールなどを使用します。

内服薬は角質が厚い部位、頭部白癬、外用薬で治療に反応しない白癬に使用します。費用が高いのが欠点ですが、外用薬に比較して短期間で治療効果を発揮します。イトリゾール、ラミシールがあります。両方とも肝障害のある方には使用できません。イトリゾールですが、他の薬物との相互作用が多く高血圧、精神疾患、不整脈などで特定の薬を内服している方には使用が難しい場合があります。ラミシールでは薬物相互作用が少ないので、私の場合はこの薬をメインに処方しています。

水虫治療の注意点・治りかけからの再発防止に大切なこと

角質の新陳代謝は部位や角質の厚さで異なるので、長期間の治療が必要となります。最低でも皮膚症状が消失しても1カ月は治療を継続する必要があります。角質が特に厚い部位では、6カ月程度の治療期間となることも。難しい場合、内服治療に切り替えることで治療が成功する場合があります。
(文:井上 義治(形成外科医))

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