喉の違和感、ガンが原因の場合も? 疑われる病気と対処法を医師が解説


喉が痛い、あるいはイガイガするといった症状に悩まされたら、風邪や喉の酷使を疑うのが一般的だろう。だが、喉の違和感が病気のサインとなっている可能性もあり、放置しておくと最悪の場合は命の危険につながりかねない。

そこで本稿では、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医の宮崎裕子医師にうかがった「喉に違和感があるときに疑われる疾患と対処法」をまとめた。

○喉の違和感の正体の代表的疾患は咽喉頭炎や扁桃炎

咽喉頭炎 扁桃炎 扁桃膿栓

まず、喉に違和感を生じさせる代表的な疾患には咽喉頭炎や扁桃炎、扁桃膿栓が挙げられるという。私たちが日ごろから喉と呼んでいる部分は、正確には鼻の奥から食道の入り口までの咽頭と、気管の入り口から声帯までの喉頭に分類できる。

咽喉頭炎はその部分に炎症ができ、扁桃炎は喉のリンパ組織の集合体である扁桃に炎症が起きる疾患を指す。そして、扁桃膿栓とは扁桃から膿が出てくる疾患を指す。これらの疾患が悪化すると咽頭痛や咳、熱などが出現する人も多い。市販薬で対処できるが、改善しない場合は受診が必要となる。

副鼻腔炎 鼻炎

「喉の違和感なのに『え? 鼻??』と多くの方が思われますが、これらの疾患も多くみられます。鼻の後方から喉に鼻が落ちて喉にへばりついたり、鼻汁が喉に流れたりするため、喉の違和感を覚えてしまいます。他に頭痛、鼻づまり、咳などもみられます。副鼻腔炎や鼻炎場合は、耳鼻科を受診してお薬をもらいましょう」

逆流性食道炎

胃酸が胃から逆流して食道部分に炎症が起きる逆流性食道炎に罹ると、喉の下方部で違和感を覚えるケースが多い。過食症など、日ごろから頻繁に嘔吐をする人は、特に逆流性食道炎に注意する必要がある。

「逆流性食道炎は、胃酸が上がってくることで咽頭の下部がただれてしまう病気です。胃が弱い方に多く、その他の症状として胸やけやゲップが多いなどがあります。対処法ですが、まずは病院や診療所で喉の奥を見るファイバー検査を受けてください」

逆流性食道炎と診断された場合、投薬治療と並行して「夕食の時間を早める」「就寝前の飲食やコーヒー、アルコールを控える」といった対策をとらねばならない。
○ガンが喉の違和感を生じさせている可能性も

腫瘍

喉の違和感と腫瘍を結びつける人は決して多くないだろう。だが、喉にも腫瘤や腫瘍がみられる。良性の場合は喉の至る所にできる乳頭腫であるケースが多く、症状もほとんどない。一方で悪性の場合はいわゆるガンであり、扁桃や咽頭にもできる。悪性腫瘍ならば潰瘍状になるため、食事をする際にしみる感じがする点が特徴。喉頭にできると声がれも出現するという。良性にしろ悪性にしろ、放置しておくと増大する可能性があるため、耳鼻科を受診するように。

甲状腺腫瘍

喉の下方に位置する内分泌器官である甲状腺に腫瘍ができるのが甲状腺腫瘍だ。腫瘍が小さかったり良性だったりすると、ほとんど症状は出ない。だが、一たび大きくなると喉の圧迫症状が出たり、頸部の腫脹もみられたりする。悪性腫瘍の場合は腫瘍が神経を巻き込むことがあり、声がれが出るケースもあるという。このような自覚症状がみられた場合は、病院や診療所で頸部のエコーやCTなどの検査を受けた方がよい。

反回神経麻痺

反回神経麻痺は、声を出したり喉を動かしたりする神経の病気。原因がない場合もあるが、付近に腫瘍があるときにも起こりうる。声がれが主な症状ではあるが、物が飲みこみにくいといった症状もみられる。これらの症状を確認したら、病院や診療所でファイバーを受け、原因の精査治療を行うようにしよう。

※写真と本文は関係ありません

○取材協力: 宮崎裕子(ミヤザキ・ユウコ)

耳鼻咽喉科みやざきクリニックの院長。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医 補聴器相談医 身体障害福筺祉法指定医師。毎日の診療をする傍ら3児の母でもあり、患者様の悩みに寄り添った診療を心がけています。

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