情を捨て、合理的な判断をしなければならない仕事には必要な資質?いま注目される「サイコパス」とは

AbemaTIMES

2018/8/6 16:59


 いま、「サイコパス」を題材にしたジャンルの本がとにかく売れているという。

八重洲ブックセンター本店の高杉信二さんは、「お医者様などが見に来る専門書のフロアの一角にあるサイコパスの本のコーナーに関しては一般の方が来る。ドラマや事件でサイコパスという言葉が出てくるようになり、関心が高まっているような感じがする」と話す。

しかし、街の人に「サイコパス」のイメージについて尋ねると、「平気で人を殺す」「解剖して楽しむ人」といった答えが返ってくることから、"サイコパス=犯罪者"だと考えている人も多いようだ。

本当にそうなのだろうか。3日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、サイコパスを正しく理解するため、専門家に話を聞いた。

脳科学の観点からサイコパス研究を続けている中野信子氏は「サイコパスと聞くと、多くの人は猟奇的な殺人者や連続殺人犯、映画の登場人物のような、自分とはかけ離れたところにいる人を思い浮かべる。しかし実際は100人に1人ぐらいの割合でいると言われていて、私は"勝ち組サイコパス"と呼んでいる」と話す。

 「共感性に欠ける特徴がある。脳が心の痛みを感じにくい構造をしていて、恐怖を感じにくいという性質とも連動していると考えることができる。そのため、恥をかいても全然何とも思わない。このサイコパシーの度合いが高い人は、他人を搾取することなどに抵抗を感じないので、気づいたら操作され、望まなかったことをさせられてしまうことがあり得るので注意が必要だ」。

ただ、こうした性質は他人の言動に左右されず恐怖に打ち勝ち、行動に移せるということと表裏一体でもある。中野氏は「長期的な視点で見れば社会の進化に貢献しているとも言える。どの社会にもどの時代にも、サイコパスは一定数おり、残されている文献から織田信長がサイコパスだったとい考えられる。普通の人とは違う苛烈な人格の持ち主で、大胆な施策を実行に移した彼のサイコパシーは高かったのかなと推測できる」。

 精神科医の名越康文氏は「キレたら暴力を振るうといった形で、犯罪に結びつく人も多いと思うが、どんどんのし上がっていく人もいると思う。ただ近くで見ていたら"でもあの人なにか怖いよね""今まで関係性があったのに、いらなくなったら切ったよね"というような感じで、業界的には噂になるかもしれない」と話す。

イギリスの心理学者のケヴィン・ダットンが研究の結果作成した「サイコパスが多い職業ランキング」によれば、1位が最高経営責任者(CEO)、2位が弁護士、3位が芸能人・メディア関係者などとなっている。

 名越氏は「自分の情ではなく、合理的にどんどん切り替えていくことが必要な職業。例えば1万人の歩兵を持っていて、前方に配置した2千人が全滅していくうちに残りの8千人で取り囲むという戦術を取らなければならない場合、"お前たちのことは絶対に救うから"と2千人を勇気づける一方、"まだ待て、こっちまで引き寄せろ"ということができないと、一流の将軍は務まらない。それによって一国が救われれば英雄になるし、それこそ歴史を転換させたような人もいる。だから非常に冷徹な判断を下す人の中にサイコパスがいることは想像に難くない。ただ、近くにいる人はいい迷惑だと思う。たとえば何万人という会社を立て直すのはいいが、近しい友人や家族はかなり迷惑を被ることにもなるので、近くにいたら絶対逃げたほうがいいと思う」。

また、治療という側面については「サイコパスは治療には来ないので、実際にどのくらいいるのかはわからないが、治療を長く続けることで改善する可能性はあると思う。ただ、"こういう時には人にこういう風に共感しましょう"と一つ一つの行動について確認しなければならず、なかなか難しい」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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