11万人のボランティア募集、9月開始 東京オリパラ、欠かせぬ企業の協力

OVO

2018/8/6 16:49


2020年東京オリンピック・パラリンピックのボランティア募集が、9月から始まる。大会組織委員会が想定している数は、大会ボランティアが8万人、都市ボランティアが3万人の計11万人。最近の災害復興などに見られるように、ボランティアの意義や活動は多くの人に理解され希望する人は飛躍的に増えている。しかし、オリパラは従事する期間が長いことなどから、目標通りに達成できるかは厳しい予測もあり、組織委員会では「地元開催のオリパラは一生に一度の経験」と、積極的な応募を呼びかけている。

大会ボランティアは組織委員会が募集し、競技会場での観客案内や大会運営などに関わり、1日8時間で10日間以上の活動を求めている。都市ボランティアは東京都をはじめ会場がある自治体が募集し、期間は3日間程度で、街中の案内や観光客対応にあたる。11万人という数字は、2012年のロンドン大会で7万人の募集に対して、24万人の応募があったことに基づいている。しかし、東京大会でもこれだけボランティアが集まるのか、組織委員会でも「ふたを開けて見なければ分からない」(傳夏樹ボランティア推進部部長)のが実情だ。

一般や学生に募集を呼びかけるだけでなく、力を入れているのが大会スポンサーをはじめとした企業の協力だ。スポンサーというと、高額な権利マネーなど財政面ばかりが採り上げられがちだが、組織委員会への出向など人的な貢献も求められている。さらにボランティアで協力することはスポンサー企業でなくてもできるオリパラへの貢献だ。ボランティア推進部の辻義央さんによると、組織委員会ではオリパラをきっかけに企業がボランティア休暇を創設するなど、20年の経験がボランティア文化の始まりになるよう厚労省などにも働きかけているという。

社会人と並び、ボランティア募集で期待されているのが学生。意欲と体力があり大きな戦力となる。学生の高い関心を2年後にどうつなげるか、組織委員会でも全国の大学で積極的に説明していくという。問題は現在の3、4年生が20年夏には社会人になっていることと辻さんは指摘する。入社した企業で休暇取得がうまくいかなければ、希望は実現しないからだ。ここでも企業の協力は欠かせない。

こうした組織委員会の動きに応じる企業も現れている。東京大会のゴールドパートナーであるJXTGエネルギー(本社東京)では、ボランティア休暇制度を導入し社員の参加を促すことを発表した。具体的には①19年4月から年間3日のボランティア休暇を付与する②社員が自信を持って参加できるよう社内研修を実施する―とし、さらに東京大会に向けては①20年度は10日間の休暇を追加し、通算13日間のボランティア休暇を付与する②地方から参加する人のために社員研修センター(横浜市都筑区)を宿泊場所として提供する。20年に限りオリンピック開会式前日の7月23日(木)が海の日、24日(金)が体育の日、閉会式翌日の8月10日(月)が山の日の祝日になるため、期間中の平日は10日間となり、希望する社員は特別休暇を使うことで全期間、ボランティア活動が可能となる。

政府も動き始め、鈴木俊一五輪担当相は8月に経団連や経済同友会の幹部と会談した際、オリパラのボランティアに社会人が参加しやすいよう、積極的な休暇取得の仕組みづくりを要請した。各団体も会員企業に伝える方針という。企業人がボランティア活動に参加するメリットについて、スポーツボランティアの研究を進めている二宮雅也・文教大准教授は、ボランティアの現場では世代の異なる様々な分野の人たちが各自の専門性を発揮して協力し合うため、その経験は汎用性が高く、学んだことは企業活動にも生かされるという。

ボランティア募集はこの秋が勝負となる。辻さんは「2年前では、まだぴんとこない人が多いと思う。応募し採用された人たちとは2年掛けてチームとして気持ちを高めていきたい」という。ボランティアに採用されるとユニホーム(シャツ、ジャケット、パンツ、シューズ、キャップなど)が支給される。それらを身にまとったボランティアの姿が街中や競技会場に散らばると「街の色が一瞬でオリンピック色に変わる」と傳部長は力説する。それはロンドンでも16年のリオデジャネイロでも証明済みだ。

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