ロシアW杯でブレイクしたあの選手を生んだ!日本人があまり知らない“パリ19区”とは?

Movie Walker

2018/8/6 12:15

世界屈指の大都市であり、これまでにも多くの名作の舞台となってきたフランス・パリ。20の区に分かれ、観光地、高級住宅街、貧困層が多い地域…など、区ごとにはっきりとした特徴がある。そのうちの1つ、19区を舞台にした映画『オーケストラ・クラス』が8月18日(土)より公開される。

■ エムバペも出身のパリ19区はどんなところ?

ルーブル美術館、チュイルリー公園などがある1区を中心に、カタツムリの殻のように、渦巻き状に区分けがされているパリ。周縁部に位置する19区は、移民が多く異国情緒あふれる一方、観光客は1人では立ち入らない方がいいとされている、決して治安が良いとは言えないエリアだ。

先日のロシアワールドカップで、若干19歳にしてフランス代表の10番を背負い、チームを優勝に導くセンセーショナルな活躍を見せたキリアン・エムバペ選手も、実はこの19区の出身。彼はカメルーンとアルジェリアをルーツに持っているが、彼のようなアフリカ系や、アラブ系など、フランス国外にルーツを持つ人が多数暮らしている地域なのだ。

■ リアルな19区を映した『オーケストラ・クラス』

そんな19区の小学校を舞台にした『オーケストラ・クラス』は、子どもたちと音楽家としての夢を挫折した中年バイオリニストとの交流を描いたヒューマンドラマ。複雑な家庭環境の中で育ったため音楽に触れる機会が少ない19区の移民の子たちが、音楽教育プログラムの講師としてやってきたバイオリニストのシモン(カド・メラッド)と出会ったことで、音を奏でる喜びを知っていくというストーリーだ。

実は、フランスには、音楽と縁遠い子どもたちに無料で楽器を贈呈し、プロの音楽家が指導する「デモス」と呼ばれる音楽教育プロジェクトが実在し、すでに2000人以上の子どもが体験したのだとか。本作もこの「デモス」から着想を得ており、フランスのリアルな事情が反映されている。

■ さまざまな作品の舞台になってきたパリ19区

この『オーケストラ・クラス』以前にも、これまで数多くの作品に登場してきた19区。それぞれの区を舞台にしたショートストーリーのオムニバス集『パリ、ジュテーム』(06)の一篇「お祭り広場」もその1つだ。仕事を失い、住む家を追い出され、あげく何者かに刺されてしまった男を主人公としたこの不思議なストーリーは、約5分と短いが、19区がどんな場所なのかを感じることができる。

演技経験のない子どもたちのリアルな芝居が話題を呼び、第61回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した2008年の『パリ20区、僕たちのクラス』(原作では19区が舞台)は、中学生と教師の交流を描いたドラマ。出身国も生い立ちもそれぞれ異なる子どもたちは、スラングを話し、正しいフランス語を話すことができない…と移民が多い地域としての姿を見ることができる。

また19区には、ビュット・ショーモン公園という『マルセイユ特急』(74)や『LOVE 3D』(15)など、古くから最近の作品にまで登場してきた観光名所がある。ミシェル・ゴンドリー監督の『ムード・インディゴ うたかたの日々』(13)でも、この場所は主人公たちのデートスポットとなっているが、ユニークな景観からファンタジーのような雰囲気が漂っており、前述の作品とは異なった19区の趣を知ることができる。

一口にパリと言っても、観光地が立ち並ぶ華やかな地域から、地元民に愛される穴場まで人も風景もさまざま。日本人があまり知らない一面を垣間見ることができるという意味でも、これらの映画にぜひ触れてみてほしいのだ。(Movie Walker・文/トライワークス)

https://news.walkerplus.com/article/156474/

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