カタルシスと特別感をぜひ劇場で―劇場版「ビルド・ルパパト」ネタバレなしレビュー

8月4日より公開中の映画「劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)」「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アンフィルム)」。「ザテレビジョン」WEBでは本作を特集し、同作品のキャスト陣同士によるシャッフル対談インタビューなどを連続掲載中だ。

既に掲載済みの「ルパパト」「ビルド」テレビシリーズ紹介に続き、本特集担当編集者コラムの最終回としてお送りするのは、劇場版の見どころレビュー。本作を鑑賞した担当が、見どころや感想を紹介していく。

なお、この記事を読んだ方が本作を鑑賞した際、新鮮な気持ちのまま作品の興奮と感動を味わえるよう、内容には極力留意しているつもりだ。だが、少しでもネタバレの可能性がある情報に触れたくないという方は、ご覧のWEBブラウザを閉じて、すぐに映画館に足を運んでいただければと思う。

また、記事内では説明のために場面を描写する箇所もあるが、あくまで本予告映像内で既に公開されている場面に限っている。

■ 「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」公式イントロダクション

全てのギャングラー犯罪の消滅と、ルパンレンジャーの正体を暴くため来日した名探偵、エルロック・ショルメ。ギャングラーからの襲撃に備え警備するパトレンジャーと、ギャングラーを狙って登場したルパンレンジャー。快盗VS警察…VS探偵!?三つ巴の混戦のなか、レッドと1号が異世界にさらわれた!?

陰謀をかいくぐり、ピンチを切り抜ける術は、絶対の決意を抱く2人の共闘!

“厄介な”快盗と“面倒くさい”警察。“ありえない”コンビが立ち上がる!

■ テレビシリーズからさらにパワーアップ! 濃厚過ぎる30分に

物語は名探偵エルロック・ショルメ(田中直樹)が空港に到着し、圭一郎(結木滉星)らパトレンジャーの3人に警備される中ファンやマスコミの前に姿を現すシーンからスタート。そこに魁利(伊藤あさひ)らルパンレンジャーの3人も現れるのだが、マスクを着けているとはいえ、快盗衣装で群衆の中を堂々と歩み登場する。テレビシリーズではなかなかなかった描写だけに、その特別感で冒頭から期待感が高まる。

そこから両戦隊が変身してのアクションシーンへと続いていくが、このシーンがいきなりすごい。空間を広く使った躍動感あるアクション、それを映す迫力あるカメラワークには目を見張るものがあり、テレビシリーズからさらにパワーアップしている。

名探偵エルロック・ショルメを演じる田中は、ニヒルなかっこよさが全開。話し方の雰囲気からして、バラエティーのトークや本作の会見などで見せる“物腰柔らか”で“面白い”印象とはまるで別人になっており、さすがの芸達者ぶりといったところだ。

そして、本作の主軸となっている、異世界に連れ去られ一時休戦からの共闘を選ぶWレッド。魁利と圭一郎がたき火を囲んで語り合うシーンは、演じる伊藤&結木が見どころに挙げていただけあって見応え充分の人間ドラマになっている。

また、そこから協力して異世界を脱出するまでの道程の画は秀逸。テレビシリーズを見ていない方も快盗と警察が協力して動く面白さを感じられるだろうし、シリーズを見てきた方は「あの圭一郎が…!」と感慨深く思うに違いない。

テレビシリーズでは見られない特別感あふれるシーンが次々に展開される本作。尺こそテレビシリーズとほぼ同じ30分だが、鑑賞後必ず満足できる濃厚な30分間だ。

■ 「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」公式イントロダクション

東都、西都、北都。3つの首都が繰り広げた戦争は終わった。パンドラタワーには新政府が樹立。3つの首都には、これまでの首相に代わってそれぞれ知事が置かれ、平和のための新体制が確立された―――はずだった…。

だがそれは、仮面ライダービルド/桐生戦兎を撲滅するための、隠された真実へとつながる完璧な計略だった!

最高の相棒を失い、最悪の状況から導き出された答えは、奇跡の法則!なぜビルドドライバーには2本のボトルが必要なのか。なぜ仮面ライダービルド/桐生戦兎は闘うのか。答えは、ただひとつ。

「絶対にできる……。俺とお前なら……。さぁ、最後の実験を始めようか。」

■ 感情が揺さぶられる「ビルド」集大成! 演出にも要注目

本作では伊能賢剛/仮面ライダーブラッド(勝村政信)による“ビルド殲滅計画”が描かれる。その導入で、伊能が東都知事として民衆へ向けた演説を行うのだが、そのスケール感・人数感たるやすさまじい。このシーンをはじめ、エキストラ3000人を動員した北九州ロケでの場面は予告映像内にもいくつか確認できるのだが、作品で見るとその演出も相まって間違いなくさらに興奮するだろう。

ブラッド族としてビルドの前に立ちはだかるゲスト3人・勝村政信、藤井隆、松井玲奈の演技も特筆すべきだろう。この「仮面ライダービルド」には若手ながら演技力に長けたレギュラーキャストが揃っているが、ブラッド族役の3人はそれと相対するに申し分ない実力者たち。特に勝村の演技は迫力満点で、追い詰められる戦兎(犬飼貴丈)&感情移入する我々観客の絶望感が半端ない。

そんな本作は、国民&仲間が敵となるという展開故、例年の仮面ライダー映画よりもさらに重い雰囲気。普段は軽口を叩く戦兎も、これまでに見せたことのないほどの悲壮感を漂わせる。相棒も仲間も失い独りで悪に立ち向かっていくその姿には、「ヒーローは孤独」という言葉が自然と浮かんだ。それだけに、終盤のカタルシスは歴代でも屈指だ。

時間としては重いシーンの方が圧倒的に多いのだが、だからこそ軽さ(笑い)のある場面も際立っている。その代表が、猿渡一海/仮面ライダーグリス(武田航平)と氷室幻徳/仮面ライダーローグ(水上剣星)の“ヒゲじゃがいも”コンビによる掛け合い。そのテンポの良さは極まりを見せ、本作の清涼剤に。二人のとある会話シーンでは、試写でも一番の笑い声が上がった。

また、クライマックスへと向かう終盤での、龍我(赤楚衛二)のとあるシーンもにやりとさせるもので、試写会場も笑いが。何気ない一言なのだが、そのタイミングや中身から、筆者は「仮面ライダーW」の夏映画(※「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」[2010年])を思い起こしうれしくなった。

そして、本作は何度か登場する“とある演出”が見事。ここであまり詳しくは書けないが、上堀内佳寿也監督によるそのシーンをぜひ劇場で味わってほしい。

1年つづられてきた「ビルド」の物語のピリオドとしてふさわしく、戦兎と龍我の終着点として申し分のない出来といえる本作。本編鑑賞後にはBeverlyによるエンディングテーマ「Everlasting Sky」と共に、爽やかな感動があなたの心に流れるはずだ。(ザテレビジョン)

https://news.walkerplus.com/article/157232/

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