不倫、結婚サギ、離婚…ファッション誌「着まわし」企画の設定がぶっ飛んでいる

日刊SPA!

2018/8/6 08:32



ファッション雑誌の人気企画に「着まわし」がある。限られたアイテムの組み合わせで1週間、あるいは1か月を乗り切ろうというものだ。しかし先日、女性誌『with』9月号に掲載された企画のぶっとんだストーリーがTwitter上で話題を呼んだ。

なんと、初日から主人公が結婚詐欺の被害に遭ってしまい、絶望するというもの。書かれていたキャッチコピーはこうだ。

<ついに同棲中の彼と結婚(はーと) ウキウキで婚姻届を取りに行って帰宅したら家が大荒れ……彼もいないし、お金もない……まさか……私、彼にダマされた――!?>

交際していた彼氏と結婚するつもりで区役所まで婚姻届を取りに行ったが、帰宅してビックリ。部屋は荒れ果て、結婚資金として2人で貯めていた預金通帳を盗まれてしまったというのだ。これに対し、ネット上では「もはや洋服が入ってこない」「ストーリーが斬新すぎる」などのコメントが多数あがる。

その後は金欠の主人公が弁当屋やUBER eatsの宅配などアルバイトに明け暮れ、常備食はゆで卵という節約生活に。あまりのシュールすぎる展開にTwitterは騒然となった。

ちなみに、着まわすアイテムはすべてユニクロ&GUのアイテム。ブランド側はそれで大丈夫なのかな……と勝手ながら不安に思ってしまった。

◆不倫、結婚詐欺、離婚相談…ファッション雑誌の着まわし企画に異常アリ!?

前述の『with』では結婚詐欺だったが、『CLASSY.』5月号の着まわし企画では「不倫」がテーマとなっていた。悲しそうに空を見上げる主人公。31歳。まわりの友人が次々と結婚していくなか……書かれていたキャッチコピーはこうだった。

<2日前、つき合っていた彼が既婚者で子供がいたことが判明…。本当に勝手だけど、結婚する気でいたよ…。正直全然気持ちが切り替わらない>

思わず気分がずっしりと重くなる。また、男性誌では『OCEANS』6月号の設定が話題になった。

主人公の男性がブレザーを羽織り、神妙な面持ちで街を歩く。その理由は、妻と離婚の危機にあり、弁護士事務所まで相談に行くからだった。その後、別居中の妻と暮らす娘と会ったり、女性部下から誘いがあったり……。

最近はファッション雑誌で着まわし企画を目にする機会が増えたように思えるが、そもそもどういった狙いがあるのだろうか。

「主人公のモデルを日常のありがちなシーンで登場させることで、読者は自分自身を重ね合わせ、コーデの実例をマネしてみたくなる。着まわしは定番の人気企画となっています」

そう話すのはとある女性誌の編集者(30代)。とはいえ、日常とも言い難いようなぶっとんだストーリーが展開されることもしばしばだ。それどころか、できれば避けたいような境遇に設定されていることもある。果たして、その背景にはなにがあるのか。

「着まわしはどの女性誌でも頻繁にやっているので、差別化が難しい。テーマ的にはデートなどの“モテ”や“TPO”が中心になるので、どうしてもシチュエーションがネタギレしたり、写真の見せ方がマンネリ化したり。着まわしの内容(コーデの完成度や見せたいアイテム)を重視すれば、ありきたりなストーリーにもなりがち。だから、どの雑誌も企画を考えるのに必死なんです! そんな中、結婚詐欺や離婚、不倫みたいな、ある意味でタブーなテーマに踏み込んでみたり、変わったストーリーで勝負したりする雑誌が増えているのではないでしょうか」

◆制作スタッフたちの汗と涙の結晶

深刻なネタギレやマンネリ化……。とはいえ、いわば妄想のストーリーだが、結婚詐欺や不倫とは、なかなかエッジが効いている。様々なファッション雑誌で活動するスタイリスト(30代)によると、編集者やライターから「ムチャぶり」がくることも珍しくないという。

「たまに、そんなシチュエーションのコーデ組みにくいよ! って思うこともありますけどね(笑)。でも、それはそれで読者が楽しんでくれるならアリかなと。こうした着まわし企画の撮影は、ロケやスタジオ、一般のお店など、様々なシーンがあるぶん、ものすごく大変です。だからこそ、完成したときの達成感はひとしおですね」(スタイリスト)

いま、ユニークな切り口の着まわし企画がネット上で話題になることも多いが、その裏側には、制作スタッフたちの見えない苦労があるらしい。今後はどのような着まわし企画が登場するのか注目していきたい。<取材・文/藤山六輝>

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