ジャニーズも実施した「コンプライアンス講習」の実態――講師が「暴力団と女対策」の内容を暴露


 今年6月、ジャニーズ事務所が、タレント全員参加必須の「コンプライアンス講習会」を実施したことがニュースとなった。5月に、元TOKIO山口達也が女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検され(不起訴)、事務所を契約解除となったことを受けての実施とされるが、こういった講習会は、昨今、ほかの芸能プロダクションやプロアスリートを抱える団体などでも数多く実施されているという。

山口の事件然り、有名人は不祥事を起こしてマスコミを賑わせるたびに、世間から「脇が甘すぎる」「自覚がない」などと叱責されるのが常で、コンプライアンス講習会では、“身を滅ぼさないため、何に気をつけるべきか?”を学ぶ。しかし、ここで気になるのが、有名人たちは、具体的にどんなことを教わっているのか、だ。今回、実際に有名人向けに講習を行い、芸能プロ幹部やタレント、アスリート等から個別に相談も受けているという講師に、匿名を条件にその詳細を語ってもらった。

暴力団員と半グレは笑顔でやって来る


 そもそも「コンプライアンス」は「法令や社会的規範を遵守すること」という意味を持つ言葉だ。ゆえに、一口に「コンプライアンス講習」といっても、法律や情報管理について、またメディアでの発言やSNSの投稿内容に関する注意点なども教えるが、講師のX氏は、“暴力団と女性問題対策”についての講習を担っているとのこと。リスクマネジメント(不祥事が起こる前の対策)とクライシスマネジメント(不祥事が起こった後の対処)どちらも教えているというが、今回は前者に焦点を当て、話を聞いた。

「暴力団や半グレが有名人に近づくのは、友達になることで虚栄心を満たしたいからという理由もありますが、付き合いがあることを元に脅迫して金銭を要求したり、詐欺まがいのビジネスに巻き込む目的もあります。そうならないためにどうすべきかを、私は有名人の方々に教えているんです。こうしたトラブル全てに絡んでくるのが“酒”。だいたい酒の場で、有名人に近づいてくるものなのです。ただその際、『僕は暴力団で~す!』なんて明るく近づいてくる奴はまずいませんし、昔の暴力団員は胸にバッジをつけていたこともありますが、今は見た目だけではわかりません。講習会では、『悪魔は笑顔でやって来る』という標語を用いて、説明しています」

しかし、暴力団員と見抜けなくても、プライベートで飲んでいる時に突然声をかけられれば、 “もしかしたら危ない人物かも”と警戒できるような気もするが……。

「厄介なのは、友達の“友達”として紹介されるケース。同級生や昔からの友達に紹介された人を、無下に扱うのは申し訳ないと思うかもしれませんが、『友達の友達は他人』だと思って、警戒すべきでしょう。まぁ、そういう人と一緒に飲むのはまだギリギリOKだとしても、絶対にしてはいけないのが、『ツーショット写真を撮ること』と『おごってもらうこと』と教えていますね」

反社会的勢力とのツーショット写真は、世に出回るだけで身を滅ぼす可能性があるほか、投資詐欺に使われるケースも。「この投資は、有名人もやっています」などと、人を騙す道具にされてしまう危険もあるだけに、「『事務所からNGと言われていて』と言うなど、誰かのせいにしてでもいいから、絶対に避けるべき。そもそも1人ではなく、必ずマネジャーや関係者、信頼のおける古くからの友人など、“ガードしてくれる人”と一緒に飲みに行った方がいい」という。

また、おごってもらうことは、その分、相手に借りを作ることになる。

「元プロ野球選手で、中日ドラゴンズの監督も務めた落合博満氏は、クラブでほかのお客さんからボトルを入れてもらっても、同等額のボトルを相手に返していたと聞いたことがあります。こうした危機管理ができていたからこそ、選手としても、監督としても、野球に専念できて大成したのではないでしょうか。一方で、そうした対応ができず、反社会勢力との交際がウワサが立ち、結局、期待されながらも監督になれずじまいだった元プロ野球選手もいます」

有名人が飲んでいる街といえば、「西麻布」を思い浮かべる人も多いと思うが、X氏いわく「実際にあの街には有名人が多く、また危険な人物も多い」そうだ。

「西麻布には最寄り駅がなく、会員制バーも多いだけに、監視されずに飲める街なので、お金持ちや有名人が集まってきます。会員制バーでは、インフルエンサーのような顔の広い人が、モデルや女子大生といった若い女の子を集めているので、“素人の女の子と飲める”というのも、好まれる理由。また、日によって出勤する店員が替わるガールズバーも人気ですね。ただその分、怪しい人が近づいてくる危険もあるので、私は『飲みたかったら、銀座で飲みなさい』と言っています。というのも、銀座のクラブのホステスは月~金で出勤している人も多く、またママが監視役となっているので、安全に飲めるんです。まぁ、西麻布で遊んでいる人たちは、『リスクがあるから逆にスリルがあって楽しい』という考えなのかもしれませんが」

X氏は、女性問題を起こさないための講習も行っているが、確かに、「女性と飲みたい、遊びたい」と思った時、素性のわからない一般人と飲むより、高級クラブのホステスと飲む方が安全だと言えるだろう。

「一般人と飲酒をし、肉体関係を持った後、ベッド写真をマスコミに売られる、また女性のバックについている人物から『バラされたくなかったら……』などと、金銭を要求されることもあります。それに、その女性が未成年だったら、さらに大問題ですよ。だから私は、西麻布なんかで飲まない方がいいと言ってるんですけどね(笑)」

これまで、週刊誌をにぎわせてきたベッド写真は数あるが、X氏は、「もし肉体関係を持っても、そのまま寝てはダメ」と注意喚起しているそうだ。

「女性とは『寝ても眠るな』。寝顔などの証拠を撮られたらアウトですからね。ここでポイントなのは、暴力団員や半グレは一緒に写真を撮りたがる一方、女性は一緒に写真を撮りたがらないという点です。週刊誌などに掲載されるベッド写真は、たいてい女性側の顔が映っておらず、あくまで手や肩のみで、“女性と一緒にいることを匂わせる”ものが多い。女性側は、『もし何かあって、自分の顔まで広まったら困る』と考えているのでしょうが、有名人側はそれを逆手に取るのもひとつの手。先ほども言ったように、有名人はむやみに人と写真を撮るのは避けた方がいいという大前提はあるのですが、ホテルに行く前のバーなどで、自分のスマホを使い、女性と一緒に写真を撮っておくと、それだけで女性側の企みをけん制することはできる。よりいいのは、あとあとの言い訳に使えるように、その女性を含めたみんなでの“集合写真”を撮っておくことでしょう」

こうした講習内容は、X氏いわく「わかりやすいように、極端に話している部分はある」とのことだが、有名人は、身を滅ぼさないために意識を高く持たなければいけないことは伝わってくる。

「ほかにも、もし不動産投資など、本業以外の事業を始めようと思ったら、誘ってきた相手の素性を調べた方がいいとアドバイスすることもあります。あと、有名人はパーティーへのゲスト出演を依頼される場合もあるのですが、その主催者はどんな人物か、出演料が相場より高すぎないか……なども調査すべきと言っています。これから芸能界やスポーツ界で頑張っていこうと思っているのであれば、うさんくさい連中には絶対に近づかない、警戒心を持つのは当然です」

今後も、数々のスキャンダルが世に放たれ、夢半ばで引退する有名人は出てくるだろうが、ファン、仕事関係者、家族、そして何より自分自身を大切にすると思って、くれぐれも“身を守る”ことを徹底してほしいものだが……。

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