メルカリで「大損」「精神消耗」も? “フリマアプリの落とし穴”をITジャーナリストが解説


 先日、累計出品数が10億品を超えたと公式で発表した、フリマアプリの「メルカリ」。メルカリは、個人間で不要になった物などを簡単に売買ができるフリーマーケットアプリで、日本国内ではアプリのダウンロード数が累計7000万件、利用者数は月間1000万人を超えているという。

不用品をお金に換えられたり、もう店頭では売っていないアイテムを購入できたり……メルカリを上手く使いこなして得をする人がいる一方で、ネット上では「送料や手数料で結果的に損をしてしまった」「ついつい要らないものまで買ってしまう」「取引相手のマナーが悪くて精神的に疲れる」「ローカルルールが面倒」などのネガティブな声も見受けられ、メルカリが原因で“金銭的にも精神的にも損をしている人”も確実に存在することがわかった。

では、自分が出品・購入をする際に、損をしないためにはどうすればいいのか? 今回はそんな疑問を解消すべく、ITジャーナリストで、『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)などの著者、高橋暁子氏にお話をうかがった。

便利な“月イチ払い”は貧困ビジネス? 使い方に注意


 高橋氏は、SNSや情報リテラシー教育に詳しく、また、ウェブニュースサイト「ASCII.jp」でメルカリに関する連載「メルカリお得情報局」を担当していることもあり、メルカリの利点や欠点を熟知している。そんな高橋氏はまず、フリマアプリの中でも特にメルカリが人気である理由についてこう語る。

「最初からテレビCMにお金をかけて、認知度を一気に上げてユーザーを増やしました。そのため、ほかのフリマアプリに比べて利用者数が多くて、出品数も増えることから『なんでもある』ことが人気の理由の1つになっています。例えば、コスメだとヤフオク!では新品未使用での出品が当たり前ですが、メルカリでは使いかけの中古品でも売れるんです。『あのコスメを試してみたいけど、新品は高いし、自分に合うかどうかわからない』と思っている人は実はかなり多くて、そういうニーズに使いかけコスメは合致したんですね」

しかし、「利用者数が多いからこそ、『損をしている人』も多い傾向にあります」と高橋氏は続ける。メルカリ独自の支払い制度“月イチ払い”が、思わぬ落とし穴となる可能性があるとうのだ。

“月イチ払い”とは、今月の購入を、翌月にまとめて支払うことができるメルカリ独自のサービス。今お金が手元になくても購入できることから、クレジットカードがない人には重宝されている。

「リアルタイム検索サービスで調べてみると、『月イチ払いにしちゃって支払いがヤバい』みたいな話がたくさん出てきます。今までなら現金がないために我慢していたはずのものまでつい買ってしまい、結果、後々支払いで苦しむようになる。つまり、欲望に負けて買わせるようにするための後払いで、いわゆる『貧困ビジネス』ですよね。もちろん、自分の許容内で買っている人にとっては便利な機能なのですが、買い物1回につき100円の手数料もかかりますし、決してお得なサービスとは言えません」

手数料や期限に注意! 知らない間に損をする可能性も


 また高橋氏は、「先ほど手数料の話に触れましたが、かかるのは月一払いだけではありません」と指摘する。メルカリではほかにも、“支払い手数料”“販売手数料”“振込手数料”がかかり、商品が売れれば全てが自分の儲けになるわけではない。

「振込手数料の場合、1万円以上まとめて現金化しないと手数料として210円かかります。でも、メルカリでは低額商品が売れ筋なのもあり、売上金が1万円を超えるのはそう簡単ではありません。だからってそのまま放置しておいても、3カ月に1度自動で振り込まれてしまうので、結局手数料を取られてしまいます。なので、大体の人はメルカリで使えるポイントに変換するのですが、ポイントにもまた期限があるんです。それで結局、ポイント消化のために要らないものを買ってしまったり、つい期限を忘れていて気が付いたらポイントが失効していたり……これは間違いなく損です」

“ローカルルール”で精神を消耗するケースも


 さらに、メルカリが正式に公開しているルールではない、利用者独自の“ローカルルール”に疲れる人も少なくないという。

「メルカリのシステム上では、購入可能なのに、出品者が『即購入不可』『必ずコメントしてください』などと説明文に書いているケースがあります。“取り置きルール”といって、先に購入意思を示した人に買う権利があり、そのやりとりの途中で、ほかの人が購入すると『非常識だ』と言われたり、またコメントせずに買うとキレられたりですとか……知っておかないとトラブルになりそうなローカルルールが非常に多いです」

また購入者側も、「平気で1万円以上の値下げ交渉を申し出てきたり、購入が決まっても入金をしなかったり、受取評価をせずいつまでも放置されたり。コミュニケーション能力が低い人や、非常識な人とも取引をしなければならないことがあり、このようなやりとりによって精神が消耗し、『病んでしまう』『疲れてしまう』と漏らす人が少なくないです」と高橋氏。では、なぜそのような状態になってしまうのだろうか。

「まだ社会人経験のない学生さんなどが多いこともあり、一般常識やマナーについては完璧ではない、というのがトラブルの元になっていることは確か。でも、メルカリ側にも問題はあると思います。一時期、“現金出品”が問題になりましたが、禁止とは言っていたものの、出品はできてしまう状態でした。システム上は難しくないはずなのに、対応は全体に遅く感じました。今は上場してパトロール強化も厳しくなっていますが、ユーザーの自由度が高かったのは、使いやすい半面トラブルにもつながっていたのではないでしょうか」

その上で、高橋氏は「トラブルに巻き込まれないためには、回避スキルを磨くことが重要」だと話す。

「例えば購入者側なら、『必読』と書いてある文章は必ず読むようにするだとか、低評価がたくさんついている人からは買わないだとか。“地雷のパターン”を理解し、できるだけ自分で防衛して、危なさそうな出品者からの購入は避けましょう。また、出品する側なら、匿名配送ができる『らくらくメルカリ便』『ゆうゆうメルカリ便』を使うことをおススメします。住所も名前も明かさずに配送ができるので、売る側も買う側も安心して取引ができます」

では、実際に病んでしまったり、疲れてしまった際には、どのように対処すべきなのだろうか? 高橋氏は、「一度、メルカリから離れるのも手」だという。

「やりとりで疲れてしまったら、頻繁に使いすぎている可能性があるので、ちょっとお休みした方がいいかもしれません。もし、どうしてもしたいと言うことなら、ほかのフリマアプリを覗いてみるのもいいですね」

写真を撮って、説明文を作成し、やっとのことで売りに出した商品で、損をしたり、精神的に消耗したり。また、“買う”ことに依存してしまい、要らないものまで購入してしまったり、ポイント消費に追われたり……そんな骨折り損のくたびれもうけにならないために、自分の意識を今一度立て直し、使い方を見直し、フリマアプリを賢く利用していきたいところだ。
(文・取材:ヨコシマリンコ)

当記事はサイゾーウーマンの提供記事です。

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