失敗しない「豚しょうが焼き」を科学で説明。コツはたったの3つ

女子SPA!

2018/7/22 15:46



レシピ通りに作っているのに、味がいまひとつ決まらない。モヤっとした気持ちになった経験はありませんか?

『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』は、料理を科学で解明したレシピ本。料理家兼管理栄養士の著者、前田量子さんは東京理科大出身。彼女によると家庭料理は、ちょっとした科学のコツで劇的においしくなるのだそうです。

定番料理のレシピを、おいしく作る「科学的コツ」とセットで多数紹介している本書の中から、人気メニューの裏技を抜粋してご紹介します!

◆薄切り肉は、たれにつけ込むとかたくなる!

まずは「豚のしょうが焼き」をおいしく作る方法から。前田さんが提唱する、しょうが焼きをおいしく作るのに欠かせない「科学的コツ」は以下の通り。

☆たれなどの下味に付け込まない

たれに漬け込んで焼くこともある肉料理ですが、たれに塩分があるため、浸透圧によって肉の水分が奪われ、かたく、パサついたできあがりになりがち。やわらかくジューシーに仕上げるには、たれに漬け込むのは厳禁。焼いてから調味料をからめるだけで味は十分につくし、焦げにくくなるのです。

☆焼けた肉を取り出さない

焼けた肉を取り出してから、また新たに肉を焼いていくのが通常のやりかた。しかし、焼けたものを取り出すと、冷めてかたくなってしまいます。フライパンの中で、先に焼けたものをあとから焼く肉の上にどんどん重ねていくのが、科学的に正しいコツ。肉は低温の蒸し焼きになり、保温状態になります。

☆しょうゆ1:みりん1:酒1と考える

肉250gの場合、調味料は大さじ1ずつ。塩分濃度1%で味が決まります。調味料を加熱中に加えると、フライパンが熱すぎて調味料がすぐに蒸発してしまい、味ムラや焦げの原因になるのだとか。必ず火を止めてから加え、混ぜてから再び火にかけましょう。

料理は愛情ならぬ、料理は科学。小さな手順が、こんなにも味を左右してしまうのですね。恥ずかしながら私、調味料を加えるタイミングなどまったくの無視。今まで、火をつけたままガンガン入れていました。「たくさん調味料を入れたのに、なぜ味が薄いの?」と首を傾げていた私のような方は、小さな手順を見直してみてはいかが。

事前情報を仕入れたところで、さっそく調理に取りかかりましょう。

◆科学的においしい「豚のしょうが焼き」の作り方

<材料>

・豚肩ロース薄切り肉(しょうが焼き用)250g

・しょうが汁 2かけ分(または、しょうがすりおろし10g)

・しょうゆ・みりん・酒 各大さじ1(混ぜる)

<作り方>

1.油を入れて余熱。フライパンの片側に肉を1枚広げて入れる。

(強めの中火、余熱1分)

※油を入れて火にかけ、一箇所にかたまっていた油がさらさらしてきたら予熱完了。肉は必ず広げて、フライパンの中央ではなく、片側で焼き始めるのがコツ。手前をあけて、奥側から焼くとやりやすい。

2.肉の色が変わったら裏返す。と同時に、次の肉を広げて手前の空いたスペースに入れる。

(強めの中火、片面20秒~30秒)

※肉を入れるタイミングが大切! 先に入れた肉をひっくり返したら、すぐに新しい肉を投入。フライパンのすぐそばに、肉をスタンバイしておくのをおススメします。

3.あとから入れた肉をひっくり返した上に、焼けた肉を重ねる。あいたところに新しい肉を入れる。

(強めの中火、片面20秒~30秒)

※フライパンを2分割して、奥に焼けた肉を積み重ね、手前で新しい肉を焼いていく。奥に肉タワーを作っていく、と考えるとわかりやすいですね。

4.火を止め、調味料としょうが汁を加える。全体になじむまでよく混ぜたあと、再び火にかけて好みの濃度まで煮詰める。

(火を止める→強めの中火、ざっと混ぜる→1分)

※調味料は、必ず火を止めてから加える。

◆肉じゃがの煮くずれを防ぐコツは?

男性人気ナンバーワンの煮物といえば「肉じゃが」。レシピ通りに作っても、意外と難しいんですよね。この料理のコツも、本書から簡単にご紹介しておきましょう。

和食の煮物でよく使われる味付けの配合は、八方だしと言われる「だし:8、しょうゆ:1、みりん:1」。肉じゃがはこの割合で味つけすると、味がしっかりキマります。

肉じゃがにありがちな失敗、じゃがいもの煮くずれも科学的に防げます。コツは、じゃがいもを煮る前にじっくりと油で炒めるだけ。煮くずれの原因は、じゃがいもの細胞と細胞をくっつけるペクチンという成分が、80℃以上の加熱で分解されて流れ出すため。これを、油脂でコーティングすれば防げるのです。

また、煮物は加熱時よりも冷める間に味がしみていくため、煮込んだ時間の半分以上を目安に、放置するのが正解だそうですよ。

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本書には、主菜だけにとどまらず、酢の物やお浸しといった副菜まで、科学のコツが満載。巻末には、キッチンに貼っておくと便利な「調味料配合早見表」が付いていたりして。

昨今流行りのオシャレなレシピ本とは異なり、昔懐かしい教科書的な雰囲気なのが、かえって新鮮なのです。

―小説家・森美樹のブックレビュー―

<TEXT/森美樹>

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