明石家さんまがジミー大西に伝えたアドバイス「感動なんかいらん!」のさんまが遂に感動を提供か

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そもそも、最近の若者はジミー大西を知らない人が多いらしい。無理もない。彼が芸能界を離れ、画家に専念したのは1996年。2004年に『発掘! あるある大事典』を降板し、一気にレギュラー番組を失ったヒロミよりもブランクは長い。

90年代は、「どれだけ過激なことができるか?」をメディアが率先して競うチキンレースのような時代。いじられることで光を放つジミーは、テレビの中で格好の素材となった。
例えば、上岡龍太郎と島田紳助が司会の火曜『EXテレビ』。この番組は、ジミーという素材を活用し切った。国会議員の名前を無意味に暗記させたり、キャスターを任せてニュースを解説させたり……。

特に筆者の記憶に残っているのは、スタジオ内にラジオブースを設け、ジミーにパーソナリティを務めさせた「ラジオジミー」なる企画だ。オープニングは、ジミーによる一人喋り。彼はジョー山中の「人間の証明のテーマ」をBGMに選曲、悲しき高校時代をポツリポツリと語り始めた。野球部に入部するもサインを覚えられず、マネージャーに転向したこと。いじめっ子の指示で裸姿で電車の前へ立ちはだかり、無理やり緊急停車させたこと。(いじめっ子はジミーに「チクってへんやろなあ~?」と凄んできたという)
普通じゃない青春時代を送った彼は、その後、吉本芸人という普通じゃない進路を選んだ。

悩むジミーを大笑いするさんま
色々な意味で制作時から世間を騒がせているドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』(全9話)が、7月20日よりNetflixで配信される。


企画・プロデュースを務める明石家さんまは「このドラマの内容は、ほぼホンマ」とコメントする。
ジミーはいじられやすいキャラクターだ。そのいじられやすさがハードな方向へ行き、学生時代は悲惨なエピソードも多い。筆者は配信に先駆けすでに第1、2話を視聴しているが、ドラマはその辺りにも触れていた。

高校卒業後、どこにも就職できない大西秀明=ジミー大西(中尾明慶)は舞台進行の見習いとして何とか吉本興業に拾ってもらう。彼はなんば花月で業務に励むも、やはり大失敗。ベテラン芸人に反省を促されたジミーは、自分なりに考え、紐でチンチンを階段に括り付けるという常軌を逸する行動に出た。もちろん、劇場内は大騒ぎ! アイドル人気絶頂、東京の仕事から戻っていた明石家さんま(玉山鉄二)も異常事態に駆けつけた。なんと、これが2人の出会いだ。

失敗続きの日々を、実はジミーは悩んでいた。悩んでたなんて、芸人・ジミー大西の姿しか知らない我々には意外だ。決定打は、新喜劇に初出演した時。彼は舞台上で大失態を犯し、会社からクビを宣告されてしまう。この時、さんまは自らの進退をかけてジミーを救ったそうだ。
思い悩むジミーは「過去にひどいイジメを受けてきた」とさんまに告白。この時のさんまが最高なのだ。ジミーの話を聞きながら大笑いし「ミジメな過去は笑い飛ばせ」とアドバイス。

ここで、筆者は前述の「ラジオジミー」を思い出した。ラジオブースには不登校で悩む男子高校生から悩みの電話が寄せられ、彼は「いじめられっ子が嫌で学校に馴染めない。どうすればいいか?」と悩みを吐露。上岡は「学校にいる以上のいじめっ子が社会にはいる」と諭し、紳助は「不登校児専門の学校はどうか?」と勧めていたと思う。そんな中、ジミーは真顔で「笑いに変えてまうというのはどうですかね?」とアドバイスしたのだ。
ドラマを観ながら膝を打った。ジミーのミジメな過去を聞いて大笑いするさんまと、「笑いに変える」というジミーの発想は全く一緒! 「これってさんまからの教えなのか」と点と点が繋がった。

心理的にも物理的にもさんまから救われていたジミー。2人の繋がりが濃くなるのは当然。

『蒲田行進曲』のようなさんまとジミーの関係性
第1~2話の舞台は1980年代の大阪。当時、ルックスが良くて人気者の明石家さんまが“西の郷ひろみ”と称されていたのは本当の話だ。


黄色い歓声を上げるファンに囲まれながら、颯爽と劇場入りするさんま。そこに付きまとい、「若!」と慕うジミー。


主人公・ジミー大西から見て、さんまの存在はあまりに眩しかったのだろう。2人のやり取りは、さながら『蒲田行進曲』の銀四郎とヤスだ。ジミーはさんまとの関係性を以下のように語る。
「僕からさんまさんに話しかけるのはやっぱり怖くて、さんまさんから話してもらえる時はしゃべられるんですけど、あいさつ以外で自分から話しかけるというのはないんです」(ORICON NEWS/2018年7月7日)

ジミーに強烈なキャラクターを見たさんまは、「人気芸人に育て上げよう」と決意。結果、彼が売れたのは多くの人が知るところだ。


でも、そのままでは終わらない。ドラマはその後も描くという。“お笑い”という居場所を見つけたジミー。だが、それはさんまから与えられたものでしかない。彼は力の無さに悩み、引退も考えるようになった。そんな中、テレビ番組の企画で絵を描くことになり、ジミーの思わぬ絵の才能が知れ渡った……。

幸運にも、筆者はこのエピソードをリアルタイムで目撃している。芸人の描いた絵画を公開オークションする『EXテレビ』の企画で突如登場したジミーの才能。ジミーの作品を見た専門家が「これ、一番いい!」と声を上げ、上岡が「君、天才や」とつぶやいた場面。それらがドラマで描かれているならば、うれしい。芸人としてのジミーの全盛期を知る人は、作品をより一層楽しめると思う。

実はこのドラマ、所々で泣かせにかかる場面が散りばめられている。不覚にも泣きそうになった箇所が筆者にはいくつかあった。
誰かが湿っぽい流れへ持っていこうとするものなら「感動なんていらんねん!」と頑なに拒否するさんま(2008年『27時間テレビ』や『LIVE PAPEPO 鶴+龍』最終回が印象的)なのに、プロデュース作では自ら感動を提供しているのが面白い。
(寺西ジャジューカ)

Netflix オリジナルドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』
企画・プロデュース:明石家さんま
脚本・脚本監修:大岩賞介
脚本:山浦雅大、麻倉圭司
主題歌:MISIA「最後の夜汽車」
制作プロダクション:共同テレビジョン
制作:吉本興業
製作:YD クリエイション

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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