[特集]夏の害虫対策マニュアル 第1回 あなたの家にもきっといる!? ダニの対策方法って?


多くの人にとって「ダニ」とは、「うわさには聞くけれど、この目で確かめたことはないな~」くらいの存在ではないでしょうか。しかし、実際にはどんな家でも100%生息している身近な生き物です。今回は、その生態と駆除対策について紹介します。

蚊に刺されたわけでもなさそうなのに皮膚がかゆい時など、漠然と「ダニがいるのかな?」と疑ったりすることもあるのではないかと思いますが、実は咬んだり(刺したり)する「ダニ」というのは、近年レアな存在です。

全世界に2万種以上もいるといわれているダニのなかで、私たちの身の回りにいるのは

・コナヒョウヒダニ
・ケナガコナダニ
・イエダニ
・フトツメダニ

などといった比較的限られた種類のダニです。

なかでも「咬む」のは「イエダニ」と「フトツメダニ」の2種類。さらに、「イエダニ」はネズミが住んでいるような古い家屋でよく見られましたが、最近の集合住宅などには、ほとんど生息していません。

このように、私たちの使っている布団などに棲むダニの多くは、基本的に咬む(刺す)ダニではありません。では、私たちの生活に何の影響もないかというと、そうではありません。咬まないダニの及ぼす主な害というのは、その死骸やフンによる鼻炎、くしゃみ、咳、喘息、皮膚炎などのアレルギー症状なのです。
○■私の布団にも「ダニ」っているの!?

私たちの身近にいるダニの体長は、およそ0.2~0.7mm。髪の毛の太さが0.08mmほどだと言われているので、比べてみるとダニは存外大きい存在ですよね。しかし、概ねダニは白っぽい体色をしているため、家の中のチリやホコリなどに紛れてしまえば、やはり見えにくいのです。

さらに布団の綿の中など、ものの奥深くに潜る性質もあるため、どこかに潜り込んでしまえばもう、どれほどの数棲んでいるか、死骸がどれほどあるかなどは把握しようもありません。

では、ダニはどんなものをエサにし、どんな環境で生きているのでしょうか?

人の住まいという環境に棲むダニたちの場合、私たちの身体から出るフケやアカを好んで食べ、以下のような暗くて潜り込みやすく高温多湿になりやすい場所で繁殖しています。

・布団
・ソファ
・じゅうたん
・畳
・ベッドマット
・ロングブーツ
・食品庫

また、「ハウスダストアレルギー」の原因としても悪名高い「コナヒョウヒダニ」は卵から成虫になるまでにおよそ一カ月、そして成虫の寿命もほぼ一カ月。気温25度、湿度70%前後の環境をもっとも好みます。

とある調査では、「敷き布団」1㎡から10万匹のダニ(ほぼ死骸)が検出されたという数字も出ているので、ちょっとした都市の人口くらいの数のダニが1枚の布団内で暮らし、高温多湿な環境下で、どんどん世代交代しているわけです。
○■布団から「ダニ」を追い出すには?

死骸を含めたダニを全て駆除するというのは、その生態や、今すでに棲んでいるだろう母数からして、あまり現実的な考えではありません。でも放置をして必要以上に増やしてしまうことにも意味はありませんし、健康上のリスクもあります。

そこで、いかにして生きたダニ、死骸やフンを「減らす」か、繁殖を阻害するか?を考え対処するように努めていきましょう。

1. 市販の「ダニ捕りマット」を使用する

生きたダニを生け捕りにするには、市販の「ダニ捕りマット」を布団に潜ませるという方法が、もっとも簡単かつ効果的です。

2. 布団を丸洗いする

生きたダニのみならず死骸やフンまで一気に対処し減らすには、「布団の丸洗い」を施すのがもっとも効率的かつ効果的だといえるでしょう。

布団の綿の内部まで、お湯や洗剤を使って洗浄することで、水溶性の死骸やフン、布団に染み込んだ脂溶性の汗や皮脂などといったダニのエサになる汚れをも取り除くことができます。これは、昨今のあまり干さない布団に多く見られるカビ対策にもなります。

ダニは温度60度以上、湿度50%以下の環境下ではほぼ死滅するので、布団洗浄後の「高温乾燥」で残りの生きたダニをも殲滅させることができます。

3. スチームアイロンを使用する

また、ただダニを殺すだけであれば「スチームアイロン」を布団表面、表裏にまんべんなくかけるという方法も効果があります。

余談ですが、最近人気の「布団掃除機」では、布団表面のホコリを吸うことでダニのエサを減らしたり、布団表面に上がってきてしまった死骸やフンのかけらを就寝中に吸ってしまうというリスクを下げたりすることができます。

また、「布団乾燥機」ではダニの最適環境である「60%以上の湿気」を阻害することができますが、いずれも稼働頻度を高く保つことが肝要な対処です。

お手入れが「半期に一度」くらいではあまり意味がないので、その点は注意しましょうね。

○筆者プロフィール: 藤原千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして18年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、高1、小6、小2の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。

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