こんなの『絶対零度』じゃない!本田翼が股間蹴り上げ→爽快が波紋か…横山裕はポンコツ演技


 今クールのフジテレビ“月9”ドラマ、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』の第1話が9日、放送された。本作は『絶対零度』シリーズのシーズン3として放送されるもので、前2作で主役の桜木泉を演じた上戸彩に代わって、沢村一樹が主演を務める。

資料課分室に異動となった特殊捜査班の元メンバー、山内徹(横山裕)が同室に初出勤すると、そこが重大犯罪を犯す可能性のある人物を予測する「未然犯罪捜査システム(通称:ミハン)」の実用化に向けたプロジェクトチームであることを知る。

山内の同室出勤初日、ミハンは危険人物として富樫というクラブ経営者の名前を割り出すが、ミハンチームが捜査を進めると、実は富樫はすでに死亡していることが判明し、富樫の仕事上のパートナーである西田が犯人ではないかと疑う。ミハンチームが捜査を続けていると、ある日、西田たちが総合商社マンの須藤と貴金属店店主の前川を白昼堂々拉致する場面に出くわす。それを受け、2人が拉致されたクラブ店内で山内が潜入捜査をしていると、2人は西田たちに暴行を受けており、2人が富樫の死となんらかの関係があることを知る。

実は須藤と前川、富樫は高校時代の同級生で、3人は結託して香港と韓国を経由する金塊の密輸で違法に金を稼いでいたのだが、利益の上澄みを“ピンハネ”していた須藤と、それに怒った富樫が言い争いになり、富樫が取り出した銃で逆に須藤が富樫を殺し、その遺体を奥多摩の山奥に埋めていたのだった。

会社の金の横領で出した損を埋めなければならない須藤は、「これで最後」と前川を説得して、再び金塊の密輸を実行。一方、ミハンは須藤を危険人物として割り出す。ミハンチームは、成田空港で運び屋から金塊を受け取るところで強奪に来る西田を、須藤が殺害するという展開を予想し、西田と須藤を追跡するが、なんと西田は運び屋から直接、5千万円相当の金塊を受け取っている現場に出くわす。そう、須藤は西田と手を組み、借金返済の代わりとして金塊を西田に渡す約束を陰でしたのだ。

そして須藤は、残りの5千万円相当の金塊を独り占めし、さらに富樫殺しの件を口止めするため、なんと前川の殺害を企て、迎えに来た前川を襲い手足を縛り、奥多摩に生き埋めにしようとする。そこに間一髪、ミハンチームのリーダー、井沢範人(沢村)と山内が現れ、殺人を防ぐとともに須藤の身柄を確保したのだった。

●期待外れ

前クールの月9『コンフィデンスマンJP』の評判が良かっただけに、今クールも期待していたのだが、第1話を見た感想としては、かなりの期待外れだったといえる。刑事モノということでサスペンスの要素が強いのだが、“実はエリート商社マンの須藤が、悪人っぽい富樫を殺した犯人で、さらに高校時代に野球部でバッテリーを組んでいた友人の前川も殺そうとしていた”という“大どんでん返し”の展開で視聴者の意表を突くことを狙っていたのだろうが、ストーリーにまったく入り込めず、“大どんでん返し”感も感じられず、見ていて“どうでもいい”という感想しか持てなかった。『コンフィデンスマン』のほうが数倍も“大どんでん返し”感が強く、さらに人間描写も深かっただけに、見劣り感は否めない。

また、沢村に次ぐ準主役的な扱いの横山演じる山内は、やたらとミハンチームの方針に反抗して場をかき乱すのだが、常に不貞腐れた表情一辺倒で演技がポンコツだということもあり、“文句ばっかり言う新入社員”にしか見えず、ただただウザい。

さらに、スリリングな刑事モノにしては演出に粗が目立ちすぎるも、いちいち興ざめしてしまう。たとえば小田切唯(本田翼)が新米OLに扮して須藤の会社に侵入する場面では、小田切はわざと須藤にぶつかって手帳を盗み取り、すかさず空いている会議室に侵入して手帳の内容をカメラで撮影するのだが、今どきあんな最新鋭のオフィスビルの会議室には監視カメラが設置されているだろうに、“秘密裏の捜査”の様子がバレバレになってしまうのではないか。さらに、オフィスの廊下で堂々とトランシーバーみたいな機器を手に握って、切羽詰まった表情で小走りして行くなんて、明らかに怪しいでしょ……。

そして、なんと言っても一番の難点は、『絶対零度』シリーズの前2作と、テイストもノリも設定もあまりに違いすぎて、ファンからしてみれば「こんなの『絶対零度』じゃない!」と裏切られた気持ちになってしまっているのではないかが懸念される。そもそも主役が上戸彩から沢村一樹に変更って、それで「『絶対零度』シリーズの第3シリーズですよ!」って言われても、無理があり過ぎる。

唯一の見どころといえば、小田切演じる本田が、可愛い顔してバッタバッタと悪党どもをなぎ倒すアクションシーンは、なんかよくわからないけどスカッとするね。ただ、小田切は悪党の男性の股間を蹴り上げることに爽快感を覚えるというキャラ設定なのだが、蹴り上げた後で若干爽快そうな表情を浮かべるシーンは、波紋を呼んでしまわないかが若干心配される。

いずれにせよ、なんか、全体的にはイマイチな今クールのフジ月9であった。
(文=米倉奈津子/ライター)

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