「熱中症」は、命にかかわります。気をつけたいサイン7つ

マイロハス

2018/6/25 20:00


さわやかな季節、外に出て走るのは気持ちのよいもの。トレッドミルは退屈ですからね。でも、うだるような夏の暑さになると、ジムの外でのワークアウトには危険が伴います
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image via Shutterstock

アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカでは毎年618人が極度な暑さに関係した合併症で亡くなっています。暑さに関係した病気にはいくつかタイプがありますが、いちばん危険なのは熱中症。体温が急上昇して、不快な症状の連鎖反応が引き起こされます。

熱中症とは、正確にはどういう状態なのか?


アスリートの安全と能力に、暑さが与える影響を研究しているルーク・プライアーさん(中部カリフォルニア・スポーツ科学研究所で一流アスリートの技能に関する部門の主任を務める認定アスレチック・トレーナー/認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリストで博士)によると、熱中症には次のふたつのタイプがあります
  • 古典的熱中症:徐々に進行するタイプで、深部体温(中核体温)を維持しにくい子どもやお年寄りがなりやすい。例えばエアコンのない建物に住んでいるなど、冷やす手段のない人も、このタイプの熱中症になる危険があります。何時間、何日にもわたって徐々に体温が上がるため、暑いと気づかないかもしれません。
  • 労作性熱中症:もっと唐突に現れるタイプで、高温下で活動している人に起こりやすい。暑いところで動いている人ならだれにでも起こる恐れがありますが、持久力が必要なアスリート(ランナーやサッカー選手のような)、アメフト選手(窮屈な装備の中で汗をかく)、労働者(建設作業員のような)はリスクが高くなりがちです。

「運動を始めると、信じがたいほど大量の熱が生産されます」とプライアーさん。普通、汗は身体を冷やしますが、労作性熱中症ではそうなりません。器官がオーバーヒートすると(うだるような暑さの日に屋外で運動した場合に起こることがあります)、体温調節中枢がうまく機能しなくなってしまい、そのために身体の内部温度が上がり続ける結果に。そして40度か40.5度に達すると、とても危険な状態になり始めます。それほど熱くなると、腸の内側の細胞が損傷して、血液中に毒性の物質が漏れだし、複数の器官が機能不全に(プライアーさん)。

熱中症でよく見られるサイン

1. 体温の上昇


CDCによると、体温が39.4度を越えた場合に熱中症になる可能性があります。しかし、「だれかの熱を測ってそれより低かったとしても、熱中症のほかの症状があるとか、具合が悪いようであれば、やはりできるだけ冷やして、医療機関で手当てを受ける方がよいでしょう」とプライアーさん。

それは体温計が常に正確とは限らないからです。「体温が41度あっても、口腔で体温を測ると37.7度しかない場合もあります。実は危険なほど熱くなっているのに、少しあたたかい程度だと思ってしまうかもしれません」(プライアーさん)

2. 汗をかいていないか、かきすぎている


極端に暑いなかで長時間過ごすと、身体は深部体温を維持しようとしなくなります。そのため、古典的熱中症では(徐々に進行するタイプの方)実際に汗をかかなくなることがあります

しかし労作性熱中症の場合は、多分ものすごく汗をかきます。プライアーさんによると、「まだ汗をかいているから熱中症ではないはずだ、という見方がよくあります。でも、労作性熱中症では、身体が“煮えて”しまうずっと前に、まだ体温調節(深部体温の維持)しようとしていることが多く、そのため、どちらかと言えば大量の発汗があります」

3. 意識の混乱、または歩行困難


労作性熱中症の場合、中枢神経系が混乱しますから、運動失調、意識の混乱、攻撃性、歩行困難などは大きな赤信号です、とプライアーさん。「脳震とうの場合と似ていて、呼びかけても反応がありません。質問しても適切な答えが返ってこなければ、最初のサインです」

4. ズキズキする頭痛


熱中症ではドクドクと脈打つような頭痛がよく見られます。この症状はたいてい脱水症のせい、または中枢神経系が全体的に熱中症の影響を受けているためです。

5. めまい、吐き気、嘔吐


汗をかき続けると、身体は次第に脱水状態に。そして熱がさまざまな器官に影響を与えはじめ、ここでご紹介している症状が悪化して、めまい、気絶、吐き気、嘔吐につながります。

6. 皮膚が赤くなる


古典的熱中症でも労作性熱中症でも、身体を冷やそうとして皮膚の方に血液が送られるため、皮膚が赤味を帯びて見えます。また、どちらのタイプの熱中症かによって、皮膚が異様に冷たくてべとつくか、あるいは極端に乾いた感じになるかもしれません。

7. 心拍数の上昇または呼吸困難


身体がオーバーヒートすると、心臓には膨大なストレスがかかります。なぜかというと体温のバランスを保つために身体に備わっている冷却システムをしっかり働かせようとして、強く、速く血液を送る必要に迫られるから。そのため、呼吸困難や過呼吸につながります。

だれかが熱中症だと思ったら、どうすればいい?


だれかが熱中症になりかかっていると思ったら、救急車を呼びましょう。命にかかわる状況です。

救急車の到着を待つ間、いちばんよい方法はすぐに、そして十二分に冷やすこと。次に、プライアーさんに聞いた応急手当ての方法をいくつかご紹介します。
  • その人を涼しい場所に動かします。太陽を避けて、日陰や涼しい室内に連れて行きます。
  • バスタブに氷水を入れて、その人を15~20分つけてあげます。
  • バスタブがない場合は、冷たい水をホースでかける、ボトル入りの水を身体にかける、近くの湖や川に連れて行くなどの方法を取ります。
  • 水やスポーツドリンクを飲ませます。極度に頭がクラクラしていたり、意識が混乱、興奮していたりする人には飲ませるのが難しいかもしれません。少し体が冷えて液体受け入れられるようになるまで待つ必要があります。

熱中症を防ぐには


できるだけ熱中症にならないための秘訣があります。まず、焼けるように暑いなかで運動する場合は、喉が乾いたら水を飲むこと。現在のガイドラインが推奨する1日の水分摂取量は、男性が少なくとも2~3リットル、女性の目標は1.6~2.2リットル。プライアーさんによると、ほとんどの人にはこれで十分。

しかし、激しい運動をする場合は、汗で失った分だけ水分を取る方がよいでしょう。「どれくらい失ったか知るには、次のようにします。まず、服を着ないで体重を測ってから、運動します。運動後、汗を拭いたらまた、服を着ないで体重を測ります。2回の測定値の差が(途中で何も食べず、トイレにも行っていない限り)基本的に汗として失った水分量になります」(プライアーさん)。

失った重さを容量に変換すれば、取るべき水分量に。つまり、水分として約500グラム失ったのであれば、次の運動のときに、少なくとも500ミリリットルの水を飲むようにします。

もうひとつの秘訣:いきなり激しい運動をしないこと。申し分のない体調の人でも、太陽の下で激しい運動をするには徐々に強度を上げてゆく必要があります。そこで、時間をかけて身体をならします。プライアーさんのおすすめは、数週間は普段より短い時間、それほど激しくない運動をする方法。暑い屋外で運動を続けながら、徐々にいつもの運動量に戻してゆきます。こうして身体を適応させれば、暑くても安全に運動を楽しめます。

Alisa Hrustic/The 7 Signs of Heat Stroke That Everyone Should Be Able To Recognize

訳/STELLA MEDIX Ltd.

当記事はマイロハスの提供記事です。

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