南アルプスを一望!絶景を味わい尽くすレストラン兼住居【住まいの設計】

日刊Sumai

2018/6/14 11:50

こんな山の上に店舗があるの!?と疑ってしまうような山梨・西八千代郡の高台に、イタリアンレストラン「イル ポッジョ」はあります。
味はもちろん、甲府盆地や八ヶ岳を望むロケーションも地元で評判になっています。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
レストランは武井さん夫妻が営んでいるもので、夫は料理を、栄養士である妻がデザートを担当。
絵本に出てきそうな三角屋根の真っ白な建物は、1階が店舗で、2階が夫妻の住宅になっています。
建設にあたって夫婦が強く希望したのは、ふたりが子どもの頃から慣れ親しんできたこの雄大な景色を、店舗からも住居からも眺められることでした。
設計を担当したオンタイムデザインオフィスの深澤賢治さんは、店舗も住居も窓の配置がポイントになったと言います。

DIYも組み合わせてこだわりどころに予算を集中
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
お店のシンボルは、入口に面した大きなドーム状の石窯です。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
夫は国内外で料理経験を積み、本場ナポリでピザ修業もした上で、念願のイタリアンレストランをオープンしました。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
レストランをつくる際にはナポリから取り寄せたピザ窯と、ナポリ式のエスプレッソマシンは外せなかったと言います。
こだわりどころに惜しげなくお金をかけたぶん、ローコスト対策は必須でした。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
そこで、漆喰の壁は自ら塗り、テーブルや家具に至るまで、すべて手づくりしました。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
夫が丹精込めてニ度塗りした漆喰の壁は、エスタコウォールを使用。
石灰石が主成分の自然素材で、ヨーロッパ伝統の塗り壁材です。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
壁に掛けられた黒板のワインリストには、厳選された山梨県産のおいしいワインが並んでいます。
年代物のミゼット、きれいに重ねられた薪、エントランスボード、カウンター、さり気なく飾られたフレーム、食材まで、すべてのものから武井さんのこだわりが感じられます。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
ホールと厨房の一体感を出すために、厨房はオープンに。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
グラス、調味料、フライパンなどの調理器具も、美しくディスプレイされています。

最も重要なカギとなったのは景観の生かし方
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
屋外テラスは夫妻の期待通り大人気で、景色を眺めながらのランチの、特等席になっています。
そもそも夫妻が景色にこだわったのは、「ほかの土地で暮らしてみて、初めてこの地のよさを実感したから」(夫)と言います。
その想いに応えた深澤さんですが、難しい面もあったそうです。
「耐震のためにはどうしても壁が必要でしたが、開口のためには壁をできる限り減らしたい。そのために、木造の柱と鉄の梁を使用したハイブリッド構造を採用。耐震性を強化しつつ、大きな窓を取ることに成功しました」(深澤さん)。
そうやって、1階店舗の屋外テラスからはもちろん、店舗内や、2階のキッチン、浴室からも、この絶景を眺められるプランが完成したのです。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
また、もとは畑だった土地を購入したため、農地転用という高いハードルもあったそうです。
けれども、周りの農地を利用して、野菜の自主栽培ができるというメリットも生まれました。

自宅も最大限に眺望を生かしたつくりに
「限られたスペースの中で、2階の自宅はリビングを中心に、各部屋を周りに配置。ゆったりできるスペースを確保できるように計画しました」と深澤さん。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
主役となるLDKには、北西だけでなく、南西にも大きな窓を設けて、最大限に眺望を生かした住まいを実現。
ただ、年間を通して風が強く吹きつける土地柄に配慮して、リビングダイニング西側の開口部は断熱性も重視しました。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
家族の食事をつくる妻は、料理中も景色が眺められることを要望。
店舗のテラスと同じ方向にキッチンを配置しました。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
さらに、キッチンの先にある広いバルコニーは、まさにアウトドアリビング!
テーブルやハンモックを置き、家族のくつろぎのスペースになっています。
「ここで取る朝食は最高! バルコニーで過ごすと、心に余裕ができます」と妻。
夏には甲府の花火鑑賞する特等席になり、子どもがプールを楽しむスペースにもなっているそう。
夫が手塩にかけて育てている野菜畑も一望できます。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
北側から見たダイニングとリビングです。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
2階のワークスペースでは、事務仕事ができるようになっています。
絶景を味わい尽くすレストラン兼住居
店舗側からつながる自宅の玄関を1日に何度も通り、オンとオフの区分けなく働く夫と、子育てしながら店舗の手伝いもしている妻。
そして、そんな両親の姿を見ながら成長していく子どもたち。
店舗兼用住宅ならではのよさを実感し、満足げに笑顔を浮かべる武井さん夫婦でした。
もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年3.4月号」も参考にしてみてくださいね。
設計/オンタイムデザインオフィス
撮影 目黒伸宜




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