木村多江、奥貫薫、池脇千鶴…幸薄顔の美人女優6人! 絶対に忘れてはならない“アノ人”も!

TOCANA

2018/6/4 09:00


 ドラマや映画、演劇などの中で、そこに登場する人物に扮して演じるのが俳優である。物語には主役がいて、ヒロインがいて、脇役がいる。カッコいい男の子がカワイラシイ女の子を守り、脇には個性的な顔の男子だったり、女子だったりがいて、それを見てたり見てなかったりしている。もうちょっと、大人の物語になると、男の人が困難を乗り越えていこうとしている横で、内助の功で支える妻がいたりして、なんやかんやで成功したり失敗したりする。物語なんてものは大体、決まりきったプロットで進んでいくのである。

そのため、役柄も大枠でジャンルが定まっていく。イケメン枠、かわいい枠、個性派枠、すごい働くオジサン枠、かわいいおばあちゃん枠、そして、皆の心を捉えて離さないのが幸薄女優枠だ。

幸薄女優が演じる役柄は当たり前だが皆、幸が薄い。幸が薄いから、間違えて人を殺しちゃったり、浮気されたり、流産したり、散々な目に遭う。そういったキャラクターが1人いると、物語に幅が広がる。

その代表格として挙げられるのは木村多江だ。ドラマ『リング~最終章~』(フジテレビ系)の貞子役やドラマ『大奥』(フジテレビ系)で島流しとなってしまう初島役など、これまで演じてきた幸薄役は数えきれない。初主演映画『ぐるりのこと。』では、第一子が亡くなってしまったことでうつになった佐藤翔子役で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。

奥貫薫も幸薄女優枠の1人だ。映画『バトルヒーター』でスクリーンデビューを果たし、映画『ラヂオの時間』では番組プロデューサー牛島龍彦(西村雅彦)の愛人である永田スミ子の役を演じた。大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)では、非業の死を遂げた武市半平太(大森南朋)の妻・武市冨を務め、幸薄女優としての重厚な存在感を放っていた。

関西幸薄女優枠として異彩を放っているのは池脇千鶴だ。14歳の漫才師の娘役として出演した『大阪物語』で映画デビュー。朝ドラ『ほんまもん』でヒロインを務め、一躍、スターダムにのし上がる。その後、映画『ジョゼと虎と魚たち』ではベッドシーンもある足の不自由なジョゼ役を演じ、映画『そこのみにて光輝く』では、昼に水産加工場で働いて夜は男に体を売る千夏役を務めた。どこか『じゃりン子チエ』の世界観を思わせる女優である。

満島ひかりも指折りの地方幸薄女優だ。音楽グループ「Folder」に所属していた満島は女優に転身し、園子温監督の映画『愛のむきだし』でブレイク。新興宗教に洗脳された武闘派女子高生という濃厚なキャラクターを見事に演じきった。ドラマ『それでも、生きていく』(フジテレビ系)では殺人事件の加害者家族、ドラマ『Woman』(日本テレビ系)では生活が困窮しているシングルマザーと、幸薄訳アリキャラクターも務め上げている。瞳の中に得も言われぬ狂気を抱えているためか、幸薄女優の枠にとどまらない。どちらかというと狂気幸薄女優といえよう。二階堂ふみもこの枠に入る。

忘れてはならない幸薄女優がいる。桜井幸子だ。朝ドラ『おんなは度胸』(NHK)でヒロインを務め、ドラマ『高校教師』(TBS系)で、教師の羽村隆夫(真田広之)と恋に落ちる女子高生・二宮繭役を演じてブレイクした桜井。『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』や『未成年』(いずれもTBS系)にも出演し、野島伸司脚本作品の常連となる。問題を抱える若い男たちを母性的な観点から見つめつつも、自身の出自に問題を抱える役を演じさせたら右に出る者はいなかった。桜井は2009年にひっそりと芸能界を引退。その立ち去り方も桜井らしさをうかがわせた。

今から女優になりたいという人がいるならば、幸薄女優枠を狙ったらいいと思う。幸薄女優は息が長く、各世代の不幸を味わえるからだ。ただ、幸薄女優は顔が薄くて、演技が上手い。彼女たちは努力と才能でその枠を勝ち取っているのである。
(文=加藤宏和)

※画像は『ブラックリベンジ DVD-BOX』(バップ)

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