松竹新喜劇『創立70周年記念公演』渋谷天外、藤山扇治郎、高田次郎、久本雅美が意気込みを語る

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松竹新喜劇『劇団創立70周年公演』が、7月13日より新橋演舞場で上演される。5月23日に都内で開催された取材会には、渋谷天外、藤山扇治郎、高田次郎、そして久本雅美が登壇した。4名のキャストのコメントと取材会の模様をレポートする。
<演目(昼夜共通)>
一、人生双六
二、七十周年御礼 口上
三、峠の茶屋は大騒ぎ!!(『七両二分』より)



昭和の喜劇王・藤山寛美を生んだ劇団


松竹新喜劇の旗揚げは昭和23年12月。戦後の日本を代表する喜劇人・藤山寛美を生み出し、246カ月連続無休公演という偉業も成し遂げた劇団だ。70年の歴史の中では、本拠地の大阪以外での活動がむずかしい時期もあったという。しかし近年は、東京・新橋演舞場の公演もあり、その他の都市での公演の機会も増えているのだそう。

「70周年は短いようで長い」と、会見で切り出したのは座長の渋谷天外(三代目)だ。「松竹新喜劇に曽我廼家、藤山、渋谷という3つの名前がある限り、松竹新喜劇を絶対につぶしてはならんと考えています」と決意を滲ませた上で、「そこへどういうわけかもう1つ、久本(雅美)という名前が食いついてきている気がします」と続け、一同は思わず爆笑。松竹新喜劇での、久本の存在の大きさを感じさ。


寛美の当たり役を扇治郎が


創立65周年のタイミングで入団した藤山扇治郎は、入団からの5年を「先輩に恵まれていた、あっという間の不思議な5年間」と振り返る。扇治郎は藤山寛美の孫であり、今回の演目『人生双六』では、寛美の当たり役のひとつだった宇田信吉役を勤める。

「松竹新喜劇には先輩がたや祖父がやってきた、守らないといけないところもある。でも言われた通りにやっているだけではなく、自分の心から出る台詞で、本心から出る言葉で役になれるよう演じていきたいです。お客様に心をお届けして、松竹新喜劇をみて元気をもらった、また観たい、と思っていただけるようがんばります」
藤山扇治郎
藤山扇治郎


高田次郎、ここにあり!


高田次郎は、現在86歳。『70周年記念公演』では『人生双六』に出演する。

「『人生双六』は、いつの時代のお客さんにも喜んでいただけるお芝居です。劇中で演じるのは"ええかげんな社長"の役なのですが、毎日違うタイプの社長をやったろうかと思っています。そうやって高田次郎ここにあり!と存在感を出そうと思います」
高田次郎
高田次郎

ますます暴れていきたいと思います


6回目のゲスト出演となる久本は、今や松竹新喜劇に欠かせない顔。松竹新喜劇は、小さい時から観ていた大好きな劇団であったと明かし「節目の公演に出させていただけるのは、感謝と光栄と、感動の思いでいっぱいです」と感慨深げ。『七両二分』をアレンジした『峠の茶屋は大騒ぎ!!』に出演する予定だ。

「私が所属しているWAHAHA本舗は笑いのためなら過激なことでも何でもするというパフォーマンス集団ですが、松竹新喜劇の笑いは、笑かしながら泣かす。泣かしながら笑かす。松竹新喜劇にしかできない独特な世界があります。先輩方に囲まれ、本当に多くを勉強させていただいています」

会見では、久本が7月9日に還暦を迎えることから心境の変化も尋ねられた。

「還暦だからという心境の変化はありませんが、60になると面白くなると思いました。60歳なのにこんなことやれる、60歳なのにあんなことやれるって。ますます暴れていきたいと思います!」
久本雅美
久本雅美

いい意味での、力のある世代交代を


歴史の長い劇団だからこ問われるのが「世代交代」への考え方だ。記者から質問が上がると、天外が回答した。

「いい若手が育ってきています。いい意味で力のある世代交代をしたい。いい感性の脚本と演出家、そして今の感性の劇団員が松竹新喜劇をつくっていってくれると信じています」

さらに、もう一つ気になるのが扇治郎の「藤山寛美」襲名だ。今後、二代目寛美を継ぐ可能性の有無をとわれた扇治郎は、やや緊張した面持ちでマイクをとった。

「おじいさん(寛美)は神様みたいな人ですし憧れます。目指さないといけない存在だとも思いますが、このようなことは周りが決めることで、僕はどうとも答えられません。ただ、このような質問をいただけるだけでも大変励みになります。多くの方にそう言っていただけるよう、藤山扇治郎という役者としてまずはがんばってまいります。ありがとうございます」

頼もしいコメントに共演者たちをも唸らせたところで、最後に扇治郎が、記者に対して余計な一言。

「長生きしてください」

言われたベテラン記者の方は思わず笑い、登壇者は慌てて立ち上がり平謝り。会場も爆笑に包まれたところで取材会は締めくくられた。


今回の公演期間中は、『峠の茶屋は大騒ぎ!!』の内容にちなんで、新橋演舞場内で駅弁の販売を行われる。笑えて泣けて心が温かくなる『松竹新喜劇 創立70周年記念公演』は7月13日(金)より22日(日)まで、新橋演舞場での上演。

取材・文・撮影=塚田史香

当記事はSPICEの提供記事です。

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