『コンフィデンスマンJP』ついに視聴率微増がストップ! 低視聴率の要因は“ストーリーの使い回し”!?

日刊サイゾー

2018/5/21 22:30


 5月14日放送の『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)第6話「古代遺跡編」。

ボクちゃん(東出昌大)が訪れた寂れたラーメン屋の夫婦は、地方再生のために計画されたふれあいモールの完成を心待ちにする。しかし2年後、店を再訪すると、計画は産業廃棄物処理場の建設に変更されていた。コンサルタントの斑井満(内村光良)が地方再生を謳い低価格で村の土地を買い、産業処理会社に転売したのだった。

ダー子(長澤まさみ)たちは、ニセモノの遺跡を発掘させることで処理場の建設をストップさせようと目論む。しかし、元考古学研究者の父親のせいで苦労を強いられた息子の斑井は遺跡発掘そのものを憎んでいた。ダー子はそれを逆手に取り、斑井の父親が唱えた諸説が正しかったと歴史の捏造まで試みる。斑井は、処理場で得る利益と遺跡発掘の情熱との間で心が揺れ動くようになっていく。

以上が6話のあらすじ。突飛な切り口はいつも通りであるが、今回は過去の回ほどワクワクした気持ちで見ることができなかった。SNS上の書き込みも、「回によって当たり外れがある」「自分には合わなかった」など厳しい意見も目立つ。今回は、その要因を探りながら、第6話を振り返りたい。

(これまでのレビューはこちらから)

■1話完結型の弱みだけに留まらぬ、本作のマンネリ化


 勿論、批判的な書き込みばかりではなく、好意的な書き込みも多々あった。内村光良が真面目に悪役を演じたことへの賞賛。レキシの楽曲「狩りから稲作へ」がBGMで流れ、アフロヘアのダー子たちがニセモノの土器を作る演出に笑った人も多かったようだ。

脚本も高い水準を保っていた。産業廃棄物処理場を絶対悪として描かず、建設現場の人間がラーメン屋に集まり店の経営が潤うオチ。遺跡マニア達の情熱に触れた後、斑井が金に群がる女とイチャつく自分を、映し窓に見て我に返る場面。善悪というものを明言せずに視聴者に感じ取らせる、古沢良太の脚本はいい味を出していた。

しかし、父親のようになりたくない息子が利益至上主義者となり、ダー子たちとの出会いで純粋さを取り戻す構図は第3話「美術商編」と似通っている。しかも石黒賢演じる美術商の方が『リーガルハイ』(同)の主人公・古美門(堺雅人)のように、弁もキャラも立っていて、強敵に見えた。

全10話もあるのに展開の被りを指摘するのは酷ではあるが、毎話悪人を騙すという骨子が変えられぬ物語ゆえ、肉付けを変えなければ新鮮さが損なわれてしまう。同じ肉付けだとしても、第3話を上回るハラハラする展開と感動を第6話では見せてほしかった。

■平均視聴率2ケタは望み薄。その前に視聴率って必要な指標?


 良し悪しの感想以上に、シビアなのが視聴率。2話で7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区平均。以下同)と落ち込んだが、3話9.1%、4話9.2%、5話9.3%と微増していただけに、6話の8.2%は手痛い数字であった。

現在1話から6話までの平均視聴率が8.8%。全10話の平均視聴率を10.0%にするためには、7話から最終話までの各話、約11.8%ずつ出さなければならない。

ところで、そもそも視聴率という指標になんの意味があるのか?

テレビマンにとっては査定のようなモノであるが、我々一般視聴者にとってなんら影響を及ぼさない。それにもかかわらず、「面白いのに視聴率がともなわない」「もっとたくさんの人に見てほしい」と言う作品のファンがいる。テレビと視聴率の不思議である。

これは推察にすぎないが、テレビは同じ時間に同じモノを見ている人がいる安心感を与えてくれるメディアだからなのだと思う。テレビはある意味お祭りと似ていて、大勢の人ごみの中を歩くだけでワクワクするもの。逆に閑散とした出店の通りを歩くと、余計に孤独を感じてしまう。そんな心境から出る言葉が、たくさんの人に見てほしいという期待なのかもしれない。

今は小説も映画もネット番組も、自分の好きな時間に自由に見られる。テレビもネット配信でそうなりつつあるが、各家庭にブラウン管や液晶画面の箱が置かれている限り、テレビには寂しさを紛らわせる賑やかさが求められる。また、多種多様な楽しみがあるゆえに、自分の趣味趣向に自信を保つことは難しい。だからこそ、自分の好きな作品に対する「面白い」というネット上の評判や高視聴率には、視聴者の寂しさを打ち消し、自信を与える力がある。

作り手には視聴率を気にせず面白い作品を作ってほしい。同時に視聴率もとってほしい。

見る側のワガママな意見で、恐縮であるが……。

■第7話「家族編」の期待できる点と、不安なポイント


 家族がテーマで、古沢良太脚本であれば期待が持てる。彼の出世作といえば、山崎貴監督の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』。昭和の家族を描いたこの作品は、30億円を超える興行収入を記録し、古沢良太自身は山崎監督とともに日本アカデミー賞最優秀脚本賞をつかみ取った。

しかし、金持ち家族の遺産相続が絡むという方向性には不安を覚える。騙す標的が経済ヤクザというのも、第1話「ゴッドファーザー編」と被らないか心配だ。輪をかけて、近年のフジテレビは『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』『貴族探偵』『カインとアベル』など、富豪の家族が登場する物語で大コケを連発中なのも心配の一因だ。古沢良太というド真ん中ストレートを投げても結果を出せる本格派をマウンドに立たせながら、過去で失敗したリードを要求し続けるフジテレビの勇気には拍手を送りたい。キャスト・脚本・演出・美術やロケーションに至るまで高水準な作品だけに、各話の方向性の舵取りだけが悩ましい。

第7話「家族編」を楽しみにしつつ、密かに古沢良太の朝ドラ登板にも期待をしたい。

(文=許婚亭ちん宝)

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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