一流の人が実践する、仕事のパフォーマンスを上げるための「究極の睡眠術」

仕事のことが気がかりで眠れない。残業で疲れているのに、頭が冴えてしまう…。こんな悩みを抱える方、意外に多いのでは?

「眠り」は仕事のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。できることならば夜はぐっすり眠り、疲れを取りたいものですよね。

クリスティアーノ・ロナウドやデヴィッド・ベッカムなどサッカーの超一流選手の睡眠管理を手掛け、数々のオリンピック選手やグローバル企業などに睡眠メソッドを指導してきた“伝説のスリープコーチ”ニック・リトルヘイズ氏。

先ごろ、集中力、気分、パフォーマンス、メンタル、健康、肉体的疲労など、最速で「最高の回復」をもたらす眠り方をまとめた『究極の睡眠術』という書籍を出版しました。

著書の中では、意識の高いエリートパフォーマーたちがこぞって取り入れている最先端の睡眠メソッドを紹介していますが、どれも我々がすぐに真似できる簡単なものばかり。今回はその中から特に気軽に実践できそうなものを一部抜粋し、ご紹介します。

誰でも実践できる!「究極の睡眠」の7つのルール

著者によると、「究極の睡眠」を実現するためには次の7つのルールを守ることが大切だとか。

「究極の睡眠」7つのルール

1.「体内時計」のリズムを制する
人間が持つ「概日リズム」への調和を意識する

2.「クロノタイプ」をフルに活かす
自身の睡眠タイプ、いわゆる「朝型」「夜型」に合わせる

3.「時間」より「サイクル」で眠る
睡眠を90分サイクルで考える。就寝時間は柔軟でいいが、起床時間は一定にする

4.睡眠前後の「ルーチン」で眠りを変える
起床後と就寝前の「90分」を意識することで睡眠の質と日中の能率を上げる

5.日中に「回復時間」を導入する
昼間の睡眠チャンス(午後1~3時)に30分以内の昼寝をする

6.自分だけの「スリープキット」を整える
自分に合ったマットレスを見つける。「胎児姿勢」で利き手を上にして横向きに眠る

7.寝室を「回復ルーム」に変える
部屋の中の物をすべて出し、休息、回復、リラックスに必要なアイテムだけ戻す

いずれも少し意識したり工夫したりするだけで、実践できるものばかりだが、中でも今日から実行に移せそうなのがルール4の「睡眠前後の「ルーチン」で眠りを変える」。具体的な方法を、ご紹介しよう。

まずは「就寝前のルーチン」を実践する

著者は、「寝る直前に何をするか」が睡眠の質と持続時間に直接的な影響をもたらし「起きた直後に何をするか」がその日の日中に重大な影響を与える…としている。つまり、「睡眠中の時間よりも、むしろ前後の時間が重要」と言う。

就寝前のルーチン

就寝前のルーチンでは、入眠に適した状態になるための準備をする。睡眠中の数時間に備えて、障害となる要因を取り除くことが、質のいい睡眠のためには重要だ。

●「テクノロジー」を遮断する

PCやタブレット類はオフにする、動画やゲームなどをベッドで楽しむのは止める、を実践する。ブルーライトの影響ももちろんあるが、眠る直前までメールやメッセージに返信すると、眠ろうとしてもそのメッセージが頭の中で回り続けてしまったり、相手から返信が来るまでもやもやして寝付けなかったりすることがあるからだ。

●温度を「温→冷」にする

概日リズムの一環として、体温は夜になると自然に下がるようになっている。暑すぎる暖房や布団などはこれを妨げてしまい、睡眠サイクルから脱線してしまう恐れがある。暑い夜にはエアコンなどで、眠る前に部屋を涼しくする。冬場でも、眠るときは寝室の暖房を切ること。

●明るさを「明→暗」にする

体内時計は、明るい状態から暗い状態への変化に反応する。暗くなるとメラトニンの生成が始まり、自然に眠くなる。従って、眠るときは部屋を真っ暗にすること。眠る前に本を読むのが好きな人は、寝室以外の場所で読んでから寝室に入ると、明るい場所から暗い場所への移動ができて入眠がスムーズになる。

●すべてを「正しい場所」に片づける

就寝前を「片づけ」に活用しよう。人は夜、面白いほどいろいろなことを頭に思い浮かべてしまうもの。眠る前に片づけをすれば心が軽くなり、夜中に無意識に考えてしまうことが減る。例えば、服をハンガーに吊るす、家の中を整理する、ごみをまとめる、汚れた食器を洗う…などを実践してみよう。

●今日を「ダウンロード」する

睡眠サイクルを邪魔する最大の要因は「思考」。今日の体験を何度も思い出し、明日を思いわずらう。研究者によると、人間が眠る主要な理由の一つは「経験を記憶に変換し、学んだスキルを統合する」ため。眠る前に、今日1日の体験を吐き出してすべて整理することで、睡眠中の脳の「消化」の準備をすることが大切だ。オススメしたいのは、紙に鉛筆で「今考えていること」をすべて書き出すこと。書き出すという行為で「現状の問題を把握した」という気分でベッドに入ることができる。

●「安心な環境」を整える

就寝中、人は最も無防備になるため、できる限り安心を感じられるような環境を整えるべき。全てのドアと窓に鍵をかけ、施錠をダブルチェックすることで安心感が得られる。

●「入眠エクササイズ」をする

入眠前には激しい運動をするのはNGだが、例えば軽く散歩する、ヨガのポーズを取る、ストレッチをするなどは入眠の役に立つ。軽い運動は体を温めるため、ベッドに入ったときに「温から冷」へ移行するという効果が得られる。

●「鼻呼吸」で眠れるようにする

眠っている間の呼吸を正しくすることが、睡眠サイクルを滑らかに移行するカギを握る。「口呼吸」は、いびきの回数と眠りを妨げる無呼吸の頻度を大幅に増加させ、日常的に「鼻呼吸」するだけで、多くの健康効果がもたらされると言われている。起きたときに口が湿っている人は鼻呼吸ができているが、そうではない場合は鼻腔拡張テープを鼻に貼るなどして、就寝時の鼻呼吸を促そう。

起きたら「起床後のルーチン」を行う

就寝前に、最高の睡眠を得るための準備を行ったら、起床後はそれらを無駄にしないためのルーチンを実践しよう。睡眠状態から完全に目覚めた状態への意向に役立つうえ、日中の自己管理にも自信が持てるようになる。

まずはルール3の「起床時間を一定にする」ことからルーチンは始まる。睡眠による回復の質を高めたいならば、起床時間を定めることが重要。体に備わっている概日リズムは、日の出と日没に沿って機能している。起床時間を一定にすることで、それ以外の生活を柔軟に営むことができるからだ。

起床後のルーチン
●部屋で「太陽の光」を浴びる

起きたら部屋のカーテンやブラインドを空けて太陽の光を浴びよう。これにより体内時計の設定と、メラトニンからセロトニンへのホルモン分泌の切り替えが促進される。時間にしてわずか1、2分。これだけで体の準備が整う。

●「朝食」は絶対に取る

これまで指導してきた名だたるアスリートのうち、朝型の人でも夜型の人でも、朝食を食べない人は一人もいない。朝食は1日をスタートさせるのに必要な燃料補給だからだ。そして朝食を取れば、適切な時間に空腹になるため、身体によくない不定期な時間に何かをつまみたくなったり、疲れやだるさを感じたりしなくて済む。起き抜けにお腹が空かないという人は、起床して90分以内に何か少しでも口に入れるようにすれば、いずれトースト1枚、果物1つを完食できるようになる。

●軽く「エクササイズ」する

散歩に行く、軽いヨガやピラティスで体をほぐす、徒歩や自転車で通勤する…などのエクササイズはぜひ起床後に組み込んでほしいルーチン。アウトドアで体を動かせるならばそれがベスト。太陽光を浴びて目が覚め、セロトニンレベルがあがって体内時計が設定される。在宅ワークの場合も、仕事にかかる前に一度外に出て散歩しながら新鮮な空気を吸うことをオススメする。

●メンタルに「穏やかな負荷」をかける

脳の回転を徐々に上げていくために、シンプルな作業をしてメンタルに穏やかな刺激を与えるのがいい。例えば、シャツにアイロンをかける、ちょっとした家事をするなど。通勤途中日本やニュースを読むのは、社会に関わりを持つためのウォーミングアップにもなる。

●「クロノタイプ」に合ったルーチンをする

朝型の人は目覚める直前に眠りが浅くなり、午前中が最も調子がいいが、夜型の人はもっと遅くまで寝ていたいはず。でもそんな夜型の人こそ、起床後はできるだけ90分に近い時間をしっかりルーチンにかけ、体内時計を調整したほうがパフォーマンスが上がる。

●休日も「一度起きてから」ベッドに戻る

「起床時間を一定にする」を守るため、「休日はベッドでごろごろ」を我慢する必要はない。まずはいつもの起床時間に起き、できる範囲で前述の「起床後のルーチン」を行おう。エクササイズはパスしてもOK。起きてすぐトイレに行き、太陽光を浴び、朝食を取る。そしてその後ベッドに戻ればいい。こうすれば、リズムに調和して動きつつ、自分がやりたいこともできる。

睡眠を見直して生活リズムを整え、仕事のパフォーマンスを上げよう

今回はルール4を中心にごく一部を紹介しました。「睡眠の質を改善し、パフォーマンスを上げる」と言われると身構えてしまいそうになりますが、意外に簡単だ、すぐに実践できそうだと思った人が多いのではないでしょうか。

睡眠は、気分ややる気、エネルギーなどを大きく左右します。蒸し暑く、寝苦しさが増す季節がやってくる前に、本書を参考に「睡眠」を見直してみてはいかがでしょうか?

 

参考書籍:『世界最高のスリープコーチが教える 究極の睡眠術』/ニック・リトルヘイルズ:著、鹿田昌美:訳/ダイヤモンド社

伊藤 理子

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