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「壊せ」の解釈が食い違った?義理・人情・礼節を重んじた日大アメフト部で起きた「悪質タックル」

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 6日に行われた日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールの定期戦で起こった危険行為の問題。映像には、パスを出した後のクオーターバックに対し、ルールで禁止されている「レイトタックル」をする姿がはっきりと映っていた。

関学アメフト部の鳥内秀晃監督は「指導者を長いことやっているが初めて見たし、あってはならないプレー。スポーツの範疇を超えている。明らかに我々のクオーターバックを狙い撃ちしている形に見える」と話した。関学は日大に抗議文を送付、14日に日大のコーチが回答文を持参した。

 関東学生アメリカンフットボール連盟は10日、当該選手に対外試合の出場禁止、日大の指導者に厳重注意の処分を下した。また、日大と対戦を予定していた東京大学、法政大学、立教大学は試合をキャンセルしている。

■発言をめぐって、選手と日大で食い違う認識
 タックルを受けた選手と同じクオーターバックのポジションだという大学生選手は映像を見て「パスを投げたと分かっていると思うので、さすがに意図的だなと思った」と話す。

 今回、悪質タックルを行った3年生の選手は1年生の時から主力メンバーで、アンダー19の日本代表に選ばれた実力者だったという。ところが今年に入り出場機会が激減。日大アメフト部の関係者によると、周囲に「監督から試合前に"ワンシリーズで相手のクオーターバックを壊して来い"と指示されていたからやってしまった。そうしないと試合に出られないと思った」と話しているという。

日大アメフト部OBで、共同通信記者の宍戸博明氏も「私が関係者から聞いた話では、関学のクオーターバックを"壊せ"、つまりケガをさせろと。当該選手は最近、試合から干されていたという状況があったようで、試合に出たいのであればそういうことをしろ、という指示があったと関係者から聞いている」と証言した。

一方、日刊スポーツは試合直後の内田正人監督の「うちは力がないから、厳しくプレッシャーをかけている。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」という発言を報じている。

 また、日大は取材に対し「一般論として厳しくいけと言ったが、相手選手をケガさせろという指示はしていない」と回答、内田監督の「やらせている私の責任」という発言についても「チームのことは責任を持つ、という意味で言ったもので、反則行為を容認する意味で言ったものではない」としている。

■「義理、人情、礼節」を叩き込む"篠竹イズム"の後継者だった内田監督
 1940年に創部された日大アメフト部は"西の関学・東の日大"と呼ばれるほどの名門で、大学日本一を決める甲子園ボウルでの優勝は実に21回を数える。中でも17回の学生王座に輝く黄金時代を築いたのが名将・篠竹幹夫監督だった。90年代に入ってかつての輝きを失ったアメフト部の再建を託されたのが、篠竹氏のもとでコーチを務めていた内田監督だった。

 義理、人情、礼節を徹底的に叩き込んだという篠竹監督について、スポーツジャーナリストの生島淳氏は「1980年代になっても、日大アメフト部は門限が夕方だったという。それくらい厳しかった。規律がしっかりしている部だったと私は聞いている。"未熟だから反則するんだ"とも教えていたそうなので、OBたちも残念がっている。 内田監督も篠竹門下であり、大学を卒業して、大学職員、そしてコーチになった。篠竹イズムの後継者のはずだ。昨年には甲子園ボウルで関学に勝って、大学日本一になるといういい流れになっていたはずなので、"うちは弱いから"というコメントも意味不明だ」と話す。

 アメフト元日本代表で、桃山学院大学や福井県立大学で指導をしている星谷直貴氏は「相手に激しいタックルをすることを"壊せ"、と言うことはある。ただ、それはあくまでもケガをさせるという意味ではなく、正当なプレーの中でというのが条件。それの捉え方がどうだったんだろうと思った」と話す。そして内田監督については「厳しさはあると思うが、故意にケガをさせるような指導はしないと信じている。第2クオーター、第3クオーターだったら熱くなってやってしまったという可能性もあるかもしれないが、腑に落ちない」と話した。

■「ベンチに下げるに値するプレー」「本場・アメリカでもありえないプレー」
 星谷氏が指摘するとおり、当該選手はその後も別の関学選手に対し悪質なタックルを行い、さらには殴りかかる場面も見られ、この連続した3度の反則行為により5分ほどで退場処分となっている。しかし、退場後の映像を見てみると、叱責されるどころか、周囲のスタッフが労っているようにも見える。

 生島氏は「もし監督が指示していたとしたら、相当大きな処分をせざるを得ないと思う。ただ、最終的には選手のモラルの問題でもあるので、指示を受けたからといって判断を誤った以上、選手も処分されなければならない」と指摘。さらに2度目の悪質タックルについても「普通のコーチだったらベンチに下げるし、そこでちゃんと説諭するはずだ。出し続けていたことにも疑問を感じる」とした。

 他方、本場・アメリカにはこうした事象はないという見方もあるが、実際にはラフプレーが存在すると話すのは、「アメフトが一番大好きなスポーツで、日本でも注目度が上がってほしい」というパックン。

 今回のプレーについて「危険なスポーツではあるし、かつてアメリカでも似たようなスキャンダルはあった。NFLのニューオリンズ・セインツという強豪チームが、監督も加担し、相手チームの選手が担架で運ばれるくらいのプレイをしたら"ご褒美"を支払っていた。それでも、今回のプレーは酷い。アメリカでは、クオーターバックへの反則行為は非常に細かく定められている。星谷さんは"監督を信じたいと"おっしゃったが、退場になってもおかしくないラフプレーをクオーターバックに、しかもファーストプレーで行っている。推定無罪は原則だが…」。

 同じくアメリカ出身のREINAも「アメリカでも、グレーなところを狙うプレーはある。しかし、ここまでのプレーはない。ただ、アメリカでは検証や再発防止策が速やかにとられるはずなので、騒動から1週間も経っているなら、すでに報告書が出ていると思う」と話した。

■大学という教育機関で起きたトラブル
 タックルを受けた関学の選手は精密検査の結果、腰椎のじん帯を損傷していることが分かった。後遺症が残る可能性は極めて低いということだが、一歩間違えば大ケガをしていた可能性もある。また、タックルをした選手は、騒動が拡大していることを受け、「退部したい」と漏らしていると日刊スポーツは報じている。

 スポーツ庁の鈴木大地長官は、アメリカの大学スポーツの統一組織NCAA(全米大学体育協会)を参考に、今年度中に日本版NCAAの創設を目指していると話している。「この中で暴力等に対する相談あるいはその対応体制というものを構築していこうという考えだ。安心安全なスポーツ環境というものを整備していくことが重要だろうと思っている」。

ジャーナリストの堀潤氏は「大相撲もそうだが、スポーツ界はブラックボックスになりがちで、当事者間で言った・言わないの水掛け論になるケースも多く、誰かが裁定できる仕組みを持っておかないと実態解明につながらない。そして、大学は教育機関だ。もしこのようなことが放置されているのであれば、果たしてそれが教育なのか。反則を犯した選手も立派な大人ではあるが、一生この経験を背負うことになる。ケアは誰がどういう形でやっているのか」と疑問を呈した。

 堀氏の話を受け、生島氏は「内田監督は日大理事も兼ねている。つまり、教育にもコミットしているという点からも説明責任があるということは感じる」と指摘した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

■関学大アメフト部による会見


▶放送済み『AbemaPrime』の映像は期間限定で無料視聴が可能。

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