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”音”で描くパンドーラの世界「重神機パンドーラ」音響監督:濱野高年インタビュー

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多重世界のエネルギーを得て、特異進化生物「B.R.A.I」と戦うレオンたち特殊部隊パンドーラの物語を描く「重神機パンドーラ」。驚異的な進化を遂げた近未来の世界を、音響監督の濱野高年さんは「音」でどう描いているのか。豪華キャストが結集したキャスティングから劇伴制作、効果音制作の裏側を伺いました。

――濱野さんは河森(正治)総監督作品にはこれまでも関わられたことがありますが、「重神機パンドーラ」の最初の印象はどんなものだったでしょうか?

濱野:科学的な事象や現象を扱ったストーリーですので、どういうふうに表現していくのかが気になりましたね。すごく大人の作品だなという印象があって。というのも、わりと細かいニュアンスのお芝居が多くて、セリフのひとつひとつに察するものがある。そんな、ドラマ重視の作品でしたので、キャストさんに関しても「大人の芝居」ができる方にお願いしたいと思いました。

――キャストを決めるのにあたり、オーディションは行われたのでしょうか。

濱野:そうですね。最初にテープオーディションというかたちで、各事務所さんに原稿をお渡しして。キャストのみなさんに声を吹き込んでいただき、それを河森さん、佐藤(英一)さん、根元(歳三)さんをはじめとするスタッフで検討していきました。その時点で200~300人の方々にご参加いただいたと思います。

――大規模ですね。

濱野:キャラクターの数も多いですし、ひとりの方に複数のキャラクターを演じていただくこともありました。そこから絞り込んで、スタジオオーディションを開催しました。テープオーディションの段階では、キャストさんご自身にキャラクターを考えていただきましたが、スタジオオーディションでは、こちらからキャラ付けをあらためてさせていただいて。そのうえでキャラクターにふさわしいお芝居をしていただいています。たとえば、レオン・ラウ役のキャストさんには、それぞれ「もっさり感」と「研究者モードになったときのシャープさ」のギャップを出していただきました。そこで、こちらが考えていた「もっさり感」をしっかり出してくださったのが前野(智昭)さんでした。河森さんも佐藤さんも「前野さんがすごく良い」とおっしゃっておられましたね。そういうわけで、スタッフ満場一致で決まった感じです。クロエ・ラウも妹だけど、ときには母であり、お姉ちゃんっぽくもなる。いろいろな要素があって、セリフごとにきっちり切り替えられる人が良いと。そこで東山(奈央)さんにお願いさせていただくことになりました。

――キャスティングで印象的なキャラクターはいましたか?

濱野:そうですね。ダグ・ホーバット役は津田(健次郎)さんで即決だったんです。津田さんご自身がお持ちの「ひょうひょうとした雰囲気」がダグに似合っていて。姫(セシル・スー)の色気のある女性と少女のような初々しさが両立した感じも、茅野(愛衣)さんがぴったりでした。でも、クイニー・ヨウのキャスティングはなかなか決まらなかったんですよね。「拳士」と、かわいいものが好きな「女の子らしさ」のバランスと「復讐のために生きていることで、常識欠けている部分」……簡単に言うと「脳筋」(笑)。そこを出せる方がなかなか見つからなかったんですが、最終的に、花澤(香菜)さんに是非と、お願いしました。花澤さんにも、あまり経験のない新鮮な役だったと思いますが、結果的に花澤さんの芝居の独特な「残念な子」感(笑)がクイニーの魅力になったと思います。

――特殊部隊パンドーラを含むネオ翔龍陣営のキャスト陣と、Mr.ゴールド率いる敵チームのキャスト陣ではどんな違いがありますか。

濱野:ネオ翔龍チームは出番が多いので、キャストさんたちがすごく綿密に台本を読み込んで、パンドーラというチームを形づくってくださっていますし、Mr.ゴールドの陣営は檜山(修之)さんを中心にまとまっていますね。特に檜山さんには自由にお芝居をしていただいています。セリフの尺も、檜山さんは無視していただいてもOK、という感じで(笑)。ボールド(セリフを言うタイミングを示す目印)がないところもアドリブで笑い声を入れていただいたりして。憎めない悪役に徹していただいています。ジークもかなりクセのある役なので、中村(悠一)さんも檜山さんと競い合っていただいています。Mr.ゴールドの陣営の人間関係は横並びなので、そこはパンドーラ陣営とは違う雰囲気が出させていればいいなと思いますね。

――今回の劇伴は得田真裕さんと眞鍋昭大さんのおふたりが担当されています。実写TVドラマの経験が多いおふたりにBGMをお願いしたきっかけは?

濱野:おふたりはフライングドッグさんに紹介していただいたのですが、実はふたりのお名前はTVドラマで存じ上げていて、いつかお仕事をご一緒したいなと注目していたんです。特に得田真裕さんは最近ですとTVドラマ「アンナチュラル」の劇伴を担当されていて、すごく独特な世界観で音楽をつくる方だなと思っていました。今回ご一緒できたのですごくうれしかったです。

――おふたりに劇伴を発注するときに、どんなリクエストをしましたか。

濱野:河森さんと打ち合わせをしたときに「今回はロボットアニメではなく、怪獣映画や特撮ものをイメージしてほしい」という話があったんです。そこでおふたりにもその話をしました。「爽快感よりも世界観、スケール感が伝わるものにしていただきたい」とお願いをしました。特にB.R.A.Iのスケール感を強めに。B.R.A.Iの圧倒的な生命力、翔龍クライシスで荒廃した世界を意識してつくっていただきました。TVサイズの音響だと細かいところまで伝わりにくいのですが、楽曲も全体的にかなりどっしりとした音作りになっています。パンドーラのテーマ、ネオ翔龍のテーマ、多重世界のテーマ、進化のテーマという4つのテーマでつくっていただいていて、かなり変化に富んだチャレンジングな楽曲群になったと思います。また、この世界は人種のるつぼになっているので、キャラクター毎のテーマはかなりバラエティ豊かになっています。クイニーはオリエンタル、ダグは東欧ふう、Mr.ゴールドはラフマニノフふう、ロシア的なイメージですね(笑)。それぞれのルーツを感じさせるような楽曲をつくっていただいています。

――効果音も印象的ですね。

濱野:そうですね。河森さんからB.R.A.Iは生物と機械の融合体だと伺ったので、動物的な音と歯車やアクチュエイターの音を混ぜた音を選んでいます。足音も固い金属音にしたり、鳴き声も実際の生き物の声をデジタル的に加工を重ねていたり。また、ハイパードライブが稼働しているときは、多重世界からエネルギーを得ているという設定ですので、前野さんの叫び声も何度も収録させていただいて、それを重ねるという手法で「多重世界らしさ」を出しています。ハイパードライブが発動するときのお芝居は、キャストさんにはとても申し訳ない気持ちでいっぱいです(笑)。

――音へのこだわりが、ドラマを深めていくんですね。

濱野:この作品は現在のドラマだけでなく、過去のドラマも描いていて、時系列を行ったり来たりすることで深まっていくんですよね。現在と過去が、どんな未来につながっていくのか。たどり着く結末を僕らも楽しみにしています。(WebNewtype・取材・文:志田英邦)

https://webnewtype.com/report/article/147058/

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