バスに乗り遅れた安倍首相がテレビで金正恩委員長を評価し、対話前向き発言! ネトウヨ、安倍応援団の反応は...

リテラ


 昨日11日、フジテレビの『プライムニュース イブニング』に単独生出演した安倍首相。加計学園問題では「ずっとチャンレンジし続けてきた人をですね、私の友人であるがために批判するというのはやっぱりちょっとおかしい」などと相変わらずの強弁&逆ギレを見せたが、一方、北朝鮮問題については"豹変"と言ってよいほど態度が変わっていた。

たとえば、反町理・フジテレビ報道局解説委員長から「金正恩委員長をどういう政治家と見ているか」と聞かれると、安倍首相は「早いスピードで、非常にダイナミックな判断をしている」と発言。「金正恩委員長に会った方から話を伺ったところによると」と前置きしつつ、このように述べたのだ。

「(金委員長は)最終的にはすべて一人で判断してきたし、その判断に自信を持っているようだと。そして国際社会の物事についてよく熟知していると。米国や日本で起こっていることをよく知っているという話でありました。自分の国にどういう問題があるかよく知っているという評価でありました。核ミサイル、拉致問題を解決しなければならないという必要性については十分認識している可能性はある」

北朝鮮を"仮想敵国"として散々煽り続けてきたことを考えれば、これほどまでに金正恩個人を評価したのは異例だ。

この気持ち悪いくらいの人の変わりようは、ようするに、米朝韓そして中国の尽力で、朝鮮半島情勢が平和的解決に向けて確実に動いているなか、圧力強硬路線をがなりたてる安倍政権が"蚊帳の外"にされた現状に対し、相当、焦っているということだろう。しかも、安倍首相は、例の金委員長が拉致問題について「なぜ日本は直接言ってこないのか」と語っていたとの報道についても、番組で事実上認めたのだ。

この報道はFNN(フジニュースネットワーク)が10日に出した独占スクープで、先月の南北会談の際、韓国・文在寅大統領から日本人拉致問題について提起された金委員長が「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は、直接言ってこないのか」と発言したとするもの。韓国側からの情報を日本政府関係者が明かしたとのかたちをとっていた。

●ネトウヨがフェイクと決めつけた金委員長の発言を認めた安倍

実は、このFNN報道はネット右翼を中心に「フェイクニュース」「誤報では」なる声も上がっていたのだが、『プライムニュース イブニング』のなかで反町氏から金委員長発言について「こういうふうに言われるってことは、日本からは北朝鮮に対してまったくパイプがないということに聞こえますが」と質問された安倍首相は、このように答えたのである。

「『直接言ってこないのか』ということはおそらく、金正恩委員長に直接ということだと思います。われわれは北京ルートを通じてあらゆる努力をいままで行ってきておりますし、いまも行っています。つまり、文在寅大統領が直接会って話をしている、あるいはポンペオ(米国務)長官が直接会って話をする。それぞれのときに拉致問題について働きかけをしていただいていると思いますが、つまり、なぜ日本が自分自身に直接言ってこないのかということだと私は受け止めています。これはあの、あの......見方によってはですね、いわば、えー、それ(拉致問題)には応じるかもしれない、ということかもしれないという分析もできるのだと思います」

見ての通り、報道が事実であることを前提に話している。「あらゆる努力」などと言って無理やりフォローしようとしているが、少なくともこの間、水面下でも日本政府は北朝鮮側と直接、拉致問題の交渉をしていなかったのだ。安倍首相はこれまで「拉致問題は最重要課題」と繰り返し語り先月も拉致被害者家族会などが主催した国民大集会で「私が司令塔」と大見得を切っていた。が、現実は「司令塔」どころか「直接言ってこいよ」とハッパをかけられるレベルなのである。

裏を返せば、安倍首相はいまや、この金委員長発言をテレビで認めなければならないほど、軌道修正の必要性に駆られているということだろう。実際、安倍首相は番組のなかで日朝首脳会談にも意欲を見せていた。おそらく、今回のFNNのスクープも、「なぜ直接言ってこない」発言を金委員長のほうから首脳会談を求めているという印象にすり替える目的があって、フジの番組で釈明を述べるのとセットで流したのだろう。同時に、北朝鮮側から安倍外交のお粗末な実態を暴露される前に手を打つ、そうした地ならしのためのリークでもある。

政治利用のため"北朝鮮の脅威"を国内外で吠えまくったあげく、国際社会から取り残されて、孤立の一歩手前までいってヤバいと気がつき、自分で勝手に外れたレールへ今頃になって戻るため、米中韓の背中を必死に追いかけているその姿。正直、格好いいものではない。だが、そうした安倍政権の苦しい裏事情は別として、日本政府がようやく対話路線に近づいていくこと自体は、素直に歓迎すべきだろう。

百に一つも安倍を褒めることのない本サイトだが、米朝会談を成功させ、平和への土台を固めたうえで、その後の日朝会談と拉致問題解決につなげようという姿勢は、それが偽りないものであるならば、きちんと評価したいと思う。鼻水を垂らそうが、涎まみれになろうが、それでも平和という「乗り遅れてはいけないバス」があるのだ。

●安倍がネトウヨから「反日売国総理」と言われる日はくるのか

しかし、そうなってくるとカワイソウなのは、安倍首相の熱烈な支持者であるネトウヨたち。実際、FNNのスクープをフェイク扱いし、「拉致はこれまで散々言ってきただろ!」などと周回遅れの騒ぎ方をしたネトウヨ諸賢だが、これで、当の安倍首相からは完全に置いてけぼりをくらってしまった。

ちなみに放送時のTwitterでは、首相生出演の前半こそ〈加計の後はセクハラ。フジテレビ狂ってる!北朝鮮の核や拉致問題よりこんなくだらないことの方が重要なのか?〉などといきり立っていたネトウヨたちだが、安倍首相が金正恩発言を認め、日朝首脳会談に前向きな発言をするやトーンダウン。〈安倍さんも、もっと北朝鮮にガツンと言ってやればいいのに!〉とか〈北朝鮮もチャイナも見てるテレビでペラペラ手の内喋れるわけ無いだろ?〉との苛立ちや戸惑いがみてとれた。

それでも連中はへこたれないだろう。たとえば、安倍首相は日朝関係だけでなく日中関係の改善にも必死になっており、つい最近も来日した中国・李克強首相を厚くもてなして視察先の北海道へ同行、新千歳空港からの帰国まで丁寧に見送ったというが、しかし、ネトウヨたちは〈同行は監視〉とか〈何か怪しいなぁ〉とか言って妄想をフル回転。いっこうに現実を直視しようとせず、相も変わらず〈志那&朝鮮とは国交断絶有るのみ〉〈反日特亜に騙されてはいけない〉などと叫んでいる。

とすれば、北朝鮮の非核化や日朝会談、そして拉致問題解決への一番の障壁となるのは、実は、こういう極右応援団やネトウヨ連中たちなのかもしれない。

ふざけて言っているわけではない。事実、これまでも安倍首相は、コアな支持層である極右界隈やネトウヨたちの顔色を伺って、政策や発言の"左ブレ"を絶対に"右"の範疇に留めてきた。もっとも、それは安倍晋三という政治家が本質的にネトウヨということでもあるのだが、米韓と中国を中心に北朝鮮問題が平和的解決へ向かういま、ようやく乗り遅れたバスを追いかけている安倍首相に、いつ"ネトウヨ病"の発作が起きたとしても不思議ではないだろう。

その意味でもやはり、どれだけ安倍主首相に主体性がなくとも、世論は、絶対にこの対話の方向性を止めないようにしなくてはならない。安倍首相は国際社会の潮流のなかで対話路線に接近せざるをえなくなったわけで、だからこそ、私たちはこの流れをもっと積極的につくっていくべきなのだ。

是非とも安倍首相には、ネトウヨから「反日売国総理」「北朝鮮のスパイ」と言われるぐらい頑張ってほしい。
(編集部)

当記事はリテラの提供記事です。

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