テレ朝の刑事ドラマ増えすぎだろう!「未解決の女」波瑠と鈴木京香がバディで新シリーズ1話を考察

エキレビ!

2018/4/26 09:45

「『名探偵コナン』ワールドではどんだけ殺人事件が起こってるんだよ!」……というのは定番のツッコミですが、テレ朝ワールドもなかなかのものだ。

今期だけでも、『警視庁捜査一課9係』からリニューアルした『特捜9』、第3シリーズ目となる『警視庁・捜査一課長』、そして新シリーズの『未解決の女・警視庁文書捜査官』と3本の刑事ドラマが放送中。

平日の夕方には『相棒』や『科捜研の女』あたりの長期シリーズがしょっちゅう再放送されているし、刑事物のスペシャルドラマも定期的に放送されている。「テレ朝、刑事ドラマ作りすぎ!」状態なのだ。

そして、そのどれもが手がたい視聴率を取っているというのも興味深い。

基本的に1話完結で、何だかんだあって主人公がズバッと事件を解決するストーリーも、だいたいフォーマットが決まっており、安心して見ていられる。

テレ朝の刑事ドラマは、時代劇なき時代の『水戸黄門』みたいなポジションになっているのではないだろうか。

そんな定番の長期シリーズがひしめくテレ朝刑事ドラマ界に、新規シリーズとしてはじまったのが『未解決の女・警視庁文書捜査官』(テレビ朝日・木曜21:00~)。

同じ刑事ドラマとはいえ、各シリーズごとに「遺留品」だったり「検死」だったりと独自のテーマが設定されているのだが、『未解決の女』のテーマは「文字」だ。


長期シリーズ化する予感マンマン
「第3強行犯捜査・殺人犯捜査第5係」の最前線でバリバリ活躍していた熱血刑事・矢代朋(波瑠)だが、大けがからの復帰後、「特命捜査対策室第6係」への異動を命じられる。

「第6係」とは、警視庁の地下にある「文書保管倉庫」の中という、いわゆる『ショムニ』みたいな場所にある、未解決事件の資料の整理と管理を担当する、倉庫番のような部署。

そこで「倉庫番の魔女」と呼ばれる文書解読のエキスパート・鳴海理沙(鈴木京香)と出会い、誰からも捜査を期待されていない中、熱血バカの矢代がやる気のない成海を巻き込み、過去の資料などの「文書」を鍵に未解決事件を解決していく。

熱血バカと知性派という組み合わせは定番ではあるが、波瑠と鈴木京香という女性バディは新鮮で、クールビューティーな役どころの多かった波瑠が演じる「大丈夫なの、この子?」と言われるほどの熱血刑事っぷりもかわいらしかった。

その周りを、遠藤憲一、高田純次、沢村一樹、光石研といった安定の役者陣が固め、脚本は『あさがきた』でも波瑠と組んでいた大森美香。テレ朝的には、長期シリーズ化する気マンマンといったところだろう。

鈴木京香の推理力がエスパーレベル!
第1話の事件は、ミステリー界の女王・嶋野泉水(中山美穂)殺害事件。

10年前に起こったものの未解決のままとなっていたが、新たに起こった連続変死事件の被害者宅に、共通して泉水のサイン本があったことから、泉水の事件の方も再捜査することとなる。

本作における「文書捜査官」要素は主に鳴海が担当(今のところ)。

ちょっとどうかしているレベルの文字フェチな鳴海は、文書や文字を眺めて空想を広げていると「文字の神様が降りてきたわ」ということでミラクルな推理がひらめいてしまうのだ。

一方、矢代の方は熱血丸出しで現場に突撃するものの、基本的にはトンチンカンな方向に行ってしまうのだが、矢代が現場で手に入れたちょっとした情報を元に、鳴海が部屋に閉じこもったまま推理を進めてドラマを転がしていく……という流れ。

この鳴海の推理力がエスパーレベルなのだ。

現場に残されていたメッセージに「罪」ではなく「つみ」と書かれていたことから怨恨による殺害だと割り出したり(罪の意識がないから漢字で書かなかったとか)、泉水の小説に使われている漢字とひらがなの比率から(全部数えた!)ゴーストライターの存在を突き止めたり。

さらに、文字の筆跡が似ているということで、被害者の泉水と、彼女のゴーストライターをやっていたMizuki(風間俊介)が親子だったと言い当てたり。

一卵性双生児は、育った環境が違っても筆跡が似てしまうことがあるが、親子の間でも同じようなことが起こることがある……とのことなのだが、そうなの? ボクと親の筆跡、全然似てないけどな……。

泉水の殺害現場が完全な密室だったというトリックも、Mizukiに刺された泉水が、子(Mizuki)を捨てた罪滅ぼしのために、自ら鍵を閉めて密室を作り出していたというもの。

これを見破った根拠が「ふたりの筆跡が似ていたから」というのはエスパー過ぎるだろう。

まあ、どんなトリックよりも「中山美穂が風間俊介の母親役!? な……中山美穂が……!」というのが一番衝撃的だったけど。

風間俊介のキチガイ演技が最高だった
鳴海のスペックが高すぎて、推理の過程に若干ついていけない部分はあったものの、矢代の熱血バカパートと、鳴海の引きこもり推理パートがバランス良く入れ替わっていき、グイッとドラマに引き込まれてしまうあたりは、安定安心のテレ朝刑事ドラマ力といったところか。

ゲストの中山美穂や、脇役陣の演技もさすがの安定感だったし、ジャニーズで一番サイコパス役が似合う男こと風間俊介くんの演技は、相変わらずサイコパスで最高。

自分を捨てた母親を、あまりに唐突に刺し殺しちゃったり、これまた唐突に原稿を燃やしちゃったりと、キチガイ演技っぷりに磨きがかかってる!

さらに、ドラマの最後にはテレ朝の『警視庁・捜査一課長』に出演中の内藤剛志が、捜査一課長・大岩純一役で登場。あ、そういう横展開もやっていくの!? この辺も、テレ朝刑事ドラマファンにはたまらない演出だろう。

『未解決の女』という新シリーズを手に入れて、テレ朝刑事ドラマワールドはますますスゴイことになっていきそうだ。
(イラストと文/北村ヂン)

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