羽生結弦が週刊誌報道に「死のうと」理不尽な心の痛みを吐露

wezzy

2018/4/17 22:45


 2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪のフィギュアスケート男子で金メダルを獲得した羽生結弦選手(23)が、4月13~15日、自身の初プロデュースのアイスショー「Continues~withWings~(コンティニューズ ウィズ ウイングス)」を開催した。

エフゲニー・プルシェンコやジョニー・ウィアーなど羽生結弦選手との「つながり」が濃いスケーターが集まり、演技を披露するという催し。しかし昨年11月に右足首を負傷していた羽生選手は、平昌五輪後にリハビリ・静養に入り、3月の世界選手権は欠場。当然このアイスショーもトークのみの出演予定だった。しかし、右足首の経過が良好なため、ファンにはうれしいサプライズ演技も披露するという大サービス。ジャンプこそ飛ばなかったが、人気プログラムを滑り、会場は大いに盛り上がったという。そしてフィナーレを迎えた15日、羽生選手の口からは「何回も死のうともしました」と衝撃的な言葉が出た。

「一時期、週刊誌の問題とか色々あった時に『なんで僕生きているんだろう』って。何回も死のうとしました。でもね、やっぱり、みんなこうやっていっぱい応援してくれてるし、何よりも僕が幸せなのは、自分が憧れている方々が、みんな自分にメッセージをくれて。『ゆづは大丈夫だよ』ってコメントをくれて、本当にありがたかったし、スケートをやっててよかった。本当に、今は生きててよかったなって思ってます」

10代の頃からフィギュアスケート選手として注目され、ソチ五輪、平昌五輪で66年ぶり五輪2連覇の快挙を成し遂げた羽生選手だが、金メダル獲得後の記者会見でもやはり、週刊誌などの記事に対する不快感や葛藤をコメントしていた。アスリートでありながらアイドル的人気を得ている羽生選手を追いかけることは、マスメディアとしては当然なのかもしれないが、彼がもう何年も心を痛めながら活動してきたことは自明だ。

2012年の世界選手権で銅メダルを獲得した17歳の頃は「メディアは多くの方々に自分の声を届けていただける場」と語っていた羽生選手だが、2014年ソチ五輪で金メダル獲得後はマスメディアによるアイドル扱いが過熱し、2016年1月には元同級生女性との婚約・妊娠・中絶といった“デマ”まで報じられた。この熱愛記事を羽生選手は会見で全面的に否定。このことは著書『蒼い炎II-飛翔編-』(扶桑社)でも触れられており、<身に覚えのない報道が出たりして人間不信みたいになっていた>と記されている。

平昌五輪を控えた昨年11月、公式練習で右足を負傷してからも、右足の状態やコーチとの関係についての憶測めいた報道が後を絶たなかった。平昌五輪で金メダルを獲得し一夜明けた2月18日の記者会見の最後に羽生選手は「ほんとのほんとの気持ちは嫌われたくないってすごい思うし、色んな方に見られれば見られるほど、色んなことをしゃべればしゃべるほど嫌われるし(笑)、色んなこと書かれるし、なんか嘘みたいな記事が多分これからもっともっと出てくるんだろうなって思います」と語っている。

羽生選手はひとりで競技に臨んでいるわけではない
 最近では、オフシーズンである春夏に開催されるアイスショーへの出演を巡って、「人気者・羽生結弦にどうしても出演してほしい」スケート連盟と、「怪我の回復に努めたい」羽生選手とで、確執が生じているという記事もあった。スケ連との確執については五輪前も喧しいものがあったが、五輪が終わってもまだそうした見方が消えないのである。

5月のアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」に関しても、ひと悶着起きているという週刊誌記事が出ていた。「週刊女性」2018年4月24日号(主婦と生活社)では、羽生選手のアイスショー出演を巡って「羽生サイドと運営側との間で騒動が勃発」と報じていた。羽生選手の専属トレーナーや母親は怪我の治療を最優先すべきとして「アイスショー出演に反対」、他方、羽生選手が所属しているANAスケート部の城田憲子監督は「アイスショーへの出演を熱望している」という内容で、両者は対立しているということだった。

結果的に今回の「Continues~withWings~」では、羽生選手はジャンプなしで演技を披露した。4月13日のショー後にスポーツ紙のインタビューに応える形で、右足の状態は五輪前より良くなっており、「スピンだとかステップには痛みとしてだけではなく支障が出ないような状態になっているので、リハビリの段階として氷上でステップやスピン、体力トレーニングをしています」と羽生選手は話している。今回のアイスショーで滑る決断をしたのも、安静期間を終えて氷上に立ち、ステップやスピンを確認した時に痛みがないとわかったためだ。強制され、無理を押してリンクで滑ったわけではないことは確かだろう。

羽生選手は練習拠点をカナダ・トロントの老舗スポーツクラブに置き、ヘッドコーチのオーサー・ブライアン氏をはじめとする各分野の専門家を結集した「チーム羽生」の元で練習を行っている。今回のアイスショーも、羽生選手本人や「チーム羽生」の専門家たちが意見を出し合った結果、右足に悪影響を及ぼさないだろうと判断してプログラムの実施に至ったと考えられる。個人競技であるフィギュアスケートシングルだが、少なくとも現在の羽生選手はただ一人で、あるいは母子で闘っているわけではなく、専門知識と技術を結集したチームで競技に臨んでいる。それゆえ、オーサーコーチとの確執や孤立しているといった内容も含め、様々な週刊誌報道のほとんどが的外れなものだったと見ていいだろう。

深刻な怪我からの回復途中にある羽生選手は、すでに来シーズンにも意欲を見せており、今のところはグランプリシリーズからの出場を考えているとのこと。五輪2連覇を達成した羽生選手が、今後目指したいのは「自分の気持ちに正直」な演技とのことで、ファンならずとも来シーズンが待ち遠しい。

※一箇所、誤解を招く表現があったため訂正をいたしました(2018年4月18日)

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