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ヒトラー崇拝者に家族を殺された女性の「決断」とは。カンヌ受賞女優にインタビュー

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ベルリン、ヴェネチア、カンヌという世界三大映画祭を制した名匠ファティ・アキンの待望の新作『女は二度決断する』(4月14日より公開)。2000年代にドイツで実際に起きたネオナチによる連続殺人事件をもとに、人種差別やテロリズムを生々しく浮き彫りにした問題作です。

題材となった連続殺人事件は、ドイツ警察の思い込みによる捜査のせいで犯人逮捕まで11年もの歳月がかかり、今もなお裁判が続いています。

第75回ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞し、傑作と名高い本作。主演のダイアン・クルーガーは、これまでの“美人女優”というイメージから脱皮し、第70回カンヌ国際映画祭で見事、主演女優賞を獲得しました。来日した彼女に、本作への思いについて聞きました。

◆カンヌ映画祭で監督とした“ある賭け”とは

――ダイアンさんはアキン監督のずっとファンだったとか。

ダイアン・クルーガー(以下、ダイアン):アキン監督はドイツを代表する素晴らしい監督で、私もずっと大ファンでした。5年前にカンヌ映画祭のアフターパーティーで出会ったときに、いつか一緒にお仕事がしたいと本人に伝えたんですね。それをずっと覚えていてくださっていて、5年後にやっと夢が叶いました。

――カンヌ映画祭で、ファティ・アキン監督と賭けをしたそうですね。

ダイアン:この作品がカンヌ映画祭に選出されることも、私が女優賞を受賞することも、夢にも思いもしませんでした。だから、アキン監督と賭けをしてしまいました(笑)。撮影の終盤に監督が、「この作品はきっとカンヌ国際映画祭に選出されるな」と言ったんです。私が「そうかなぁ~」と言うと、監督が「じゃぁ、タトゥーを賭けようじゃないか」と……(笑)。

はじめは、二の腕にタトゥーを入れる約束だったんですけど、こ~んなにちっちゃな“碇(船のイカリ)”のタトゥーを足首に入れることで、監督には勘弁してもらいました(笑)。

――本作でダイアンさんが演じるカティヤは複雑な感情を抱えていますよね。子供と夫をネオナチに突然奪われ、絶望のなかで“ある決断”をする。衝撃的なラストシーンでした。

ダイアン:この作品は、最初から最後のシーンまでほぼ順番通りに撮影したので、自然にカティヤの心の旅を表現できたと思います。演技をしているのではなく、カティヤそのものになった感覚でした。あのラストシーンは、カティヤには必然的な決断だったと心から言えますね。

とはいえ、撮影が始まる前までは、ラストシーンに至るカティヤの“心の動き”をどう表現するか、カティヤの“心の旅”をリアリスティックに演じられるか、子供のいない私が説得力のある演技ができるのか、心配でした。だから、撮影に入る前に約6カ月ほどかけて、テロや殺人事件の犠牲者や家族の方々から話を聞いたんです。自分の心を開いて、とてつもない哀しみや痛みに心で触れる……これは、とても辛かった。私にとって、とても大切な経験になりました。

その後、撮影前の数週間は、アキン監督と一緒に役作りに没頭しました。「カティヤならどういう場所に住むんだろう?」と街を見て回ったり、「カティヤはどんなタトゥーをするんだろう?」とお店へ行ってタトゥーの絵柄を選んでみたり。カティヤを完全に自分のものにした後は、監督についていくだけ。監督を100%信じていましたから、撮影中には色々な不安が吹き飛んでいました。

◆欠点を人に見せれば見せるほど、人は心を開いてくれる

――若い頃、ロンドンでバレリーナを目指すなかで怪我をし、夢を諦めざるを得なくなったダイアンさんですが、その後、モデルに転身してパリで活躍し、現在はヨーロッパとアメリカを股にかけた役者人生を歩んでいますよね。グローバルに活躍するダイアンさんの成功の秘訣は?

ダイアン:成功の秘訣については語れませんが(笑)、役者として学んだことはあります。人生経験を積むこと、正直になること、たくさん欠点をもつこと。自分にたくさん欠点があればあるほど、そして、欠点を人に見せれば見せるほど、人は心を開いてくれます。そうすれば、たくさんの人と心でつながることができます。

ようは、人と自分の間に“壁”をつくらないこと。とはいえ、自分の痛み、哀しみ、恐れを人に見せるのは辛いですよね。だから、わたしたちは本能的に自分の壁をつくりがちなんですが、役者は他人の前で“心を裸”にするのが仕事です。そのせいか、歳を重ねるうちに、他人が自分をどう思うか気にならなくなってきたんです。私の周りでステキに歳をとっている人は、とても素直で心を開いてくれる人が多いように感じます。

――この映画を観る観客に何を感じてほしいですか?

ダイアン:この作品は、テロリズムの“鏡”のような役割を果たしていると思います。この映画で描かれていることは、現実に私たちの社会で起こっているということを知ってほしい。そして、生きていく上で、私たちがお互いに対してもう少し優しくなれれば、このような問題は減っていくんじゃないでしょうか。

また、本作はネオナチが題材ですが、世界中に共通する“母親の哀しみ”を描いています。国籍や文化を超えて、日本の皆さんが本作の“エモーション”を心で感じてくださったら幸いです。

(C)2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe Production,corazon international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH

Hair:Dai Michishita

<TEXT/此花さくや>


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