樹齢900年「千年桜」神々しさに感動 奈良・宇陀の桜巡り

TheNews

2018/4/16 16:00


大野寺は、宇田川の流れに沿った山間の小寺であり、しだれ桜と弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)が有名です。本堂にある身代わり地蔵は、無実の娘を火あぶりの刑から救ったという伝説が残っています。弥勒磨崖仏は後鳥羽上皇の勅願により造立されたという言い伝えがあり、大野寺から宇田川を超えた対岸の約30メートルの岩壁に彫られ、像の高さは日本で最も高い13.6メートル。樹齢300年の「コイトシダレザクラ」2本と、「ベニシダレザクラ」10本がありますが、現在コイトシダレザクラは養生中。少し桜の盛りは過ぎていました。しかし、独特の風情ある白い滝のような桜と川向こうに臨む磨崖仏を見ていると心が穏やかに落ち着きます。大野寺の庭には、たくさんの桜以外の花も咲いており、木蓮や山吹、赤もみじの新芽が桜の回復を待つように境内を彩っていました。






樹齢900年ともいわれる宇陀市の『佛隆寺の千年桜』。佛隆寺は、平安時代に空海の高弟の堅恵が室生寺の南門として創建したと伝えられている古刹です。佛隆寺に続く階段の途中に、圧倒的な存在感でたたずんでいる千年桜。





現存する桜としては、奈良県下、最古とされています。品種はヤマザクラとエドヒガンザクラの雑種「モチヅキザクラ」の一種であることが判明しており、その希少性から、県の天然記念物に指定されています.根周7.7m、根株から2mのところで大小11本に分岐した枝が四方に広がり、花を咲かせています。



山深い山間の自然を生き抜き、900年経った今でもあふれんばかりの桜の花をつけ、人々を癒し続けてきた神々しい姿に感動します。

千年桜の近くに、もう一本見たい桜がありました。高齢化が進み、村に住んでいるのはたったの4世帯という諸木野集落にある田んぼに咲く一本桜です。4月下旬に見頃を迎えますが、樹形が美しく、その姿を水田に映し込む様は訪れる者を魅了します。桜はアカバウスズミザクラという種、樹齢は約70年とのこと。水田に写る桜を見に、満開の時期に狭い一本道を通り、多くの人々が訪れる様を村の人はささやかな祭りのようだと語っています。時間と共に色あいが移ろい、風が吹くと表情を変える水面の桜。



又兵衛桜、大野寺のしだれ桜、佛隆寺の千年桜、そして諸木野の桜。桜の歴史には、常に人が寄り添っています。それぞれの桜が、長い時に渡る多くの人の想いを受け取りながら、春を告げる美しい花をつけ人の心を癒します。宇陀の桜のストーリー。現実とは思えないほど美しい映画のような光景がありました。

筆者:澤口美穂。カナダへのワーキングホリデー、グアテマラ留学含め、約2年半北米、中米、南米を中心に周遊。帰国後、ヨーロッパ本社の外資系企業日本法人2社で勤務し、アジア、ヨーロッパへ数多く出張。20代からの訪問国数は約30か国以上。平成28年、生活拠点を東京から札幌に移す。様々な国の人々と共に働いてきた経験や自分の想いを形にした新しいビジネスと人生のセカンドステージを構築中。

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