天才とは、「脳の休ませ方」に長けた人のこと

TABILABO

2018/4/16 06:00


脳科学者・茂木健一郎さんは、これまで「脳」に関する書籍を数多く執筆してきました。そのほとんどは「どうすれば、脳を活性化できるのか」というもの。

近著『脳を使った休息術』(総合法令出版)は、タイトル通り「いかに脳を休ませるか」について書かれた本。今までとは少し趣向が違うこともあって注目を集めそうです。

今回は本書から「脳をしっかり休ませることで、仕事のパフォーマンスがアップする」という考えのもと、参考にすべき人物や具体的な方法が紹介されている項目をピックアップしました。

天才とは、
脳の休ませ方に長けた人のこと



最近、小さな子どもを持つお母さんから、こんな話をききました。

「うちの子どもが、ぜんぜん勉強をしません!」

はたから見れば深刻な悩みだとは思うのですが、そのお母さんは何だかとても嬉しそうにしているのです。「うちの子は、何の努力をしなくても勉強できる天才だ」とでも思いたいのでしょうか。

必死に努力している子どもは天才ではなく秀才で、自分の子どもはたいして勉強していなくても「成績が良い天才」だというのが、そのお母さんの願望だったのかもしれません。

ですが、私としては、このような考え方に対しては異議を唱えざるを得ません。というのも、天才と秀才を比べると、天才のほうがはるかに努力していることが多いから。ただ天才は、それを表に見せていないだけなのです。

音楽史上最高の天才との呼び声が高いモーツァルトにしても、父であるレオポルトによる、それこそ血のにじむような英才教育があったことは有名な話です。

つまり、「ラクをしている、脳が休んでいるように見えるのが脳の最大のパフォーマンス」というパラドックスを理解することで、「天才は一見ラクをしているように見えるけど、じつはそのようなときこそ目一杯努力しているんだ」ということが理解できるでしょう。

「ラクをしている」「余裕がある」ように見えながらも、ハイパフォーマンスを上げるためには、まず目一杯脳を使って努力する必要があることを知ってほしいです。

「仕事」と「休み」の区別なしで
最高のパフォーマンスが発揮



脳が休んでいるということは、「最高のパフォーマンスを発揮しつつ、同時に脳が休まっている」ということです。

読者の皆さんのなかには「何かをしているのと同時に脳を休める……ってどういうこと?」こんな疑問を持つ方もいるかもしれません。実際に最高のパフォーマンスを発揮しつつ、同時に脳を休めている参考例としてタレントの所ジョージさんを紹介しましょう。

所さんは、人生を目一杯謳歌しながら、人生を楽しむ「自由人のプロフェッショナル」としてのイメージがあるかもしれません。彼は以前こんなことをおっしゃっていました。

「嫌なことも、めげることも、つまらないことも、それをイベントにしてしまえば、自分で面白がって楽しむことができる」

「人間は頭がいいから、明日のこととか、来年のことを考えちゃうでしょ。そうじゃなくて、もうちょっとバカになって、今日のことしか考えられないと、幸せになりやすいのにね」

なるほど、所さんがおっしゃると説得力があります。

所さんは「手ぶら感がすごい」ということ。手ぶら感とは、夏休みの宿題が終わった余裕のある小学生みたいな、ふわっとした感じに近いといえます。

つまり、ずっと夏休みのような感じで仕事ができている人が、「何かしていても、同時に脳が休まっている」理想的な姿なのです。もっといってしまえば、仕事をすることと、休むことの区別がなくなるときが、最高のパフォーマンスが発揮できている……といいかえることができるでしょう。

呼吸でいえば、多くのビジネスパーソンはただひたすら息を吸っているだけで、吐くことを忘れているように思います。ぜひご紹介した「深呼吸」を参考にしてみてください。

偏った脳のバランス回復を担う
「脳」のマッサージ



皆さんは「脳を休める」という意味を、パソコンのシャットダウンのようなイメージでとらえていないでしょうか? どちらかといえば、脳を休めるのは普段と違う使い方にすることによって「脳をマッサージする」ということに近いです。

マッサージは、血流が悪いところをほぐして血行をよくしたり、老廃物を洗い流すといったイメージがありますよね。脳にとって老廃物にあたるのは、未整理の「情報」や「記憶」です。

脳のマッサージは、まだ整理整頓されていない情報や記憶を整理して収納するということ。つまり、仕事や勉強で、偏った使い方をしていた脳を、家族のこと、友人のこと、今日の晩御飯のことなど、仕事以外のことに目を向けることで「脳のマッサージ=脳を休める」ことにつなげるのです。

脳内マッサージを簡単にまとめると「普段よく使っている脳を休ませ、あまり使っていない脳を活性化させる」こと。たとえば、受験生が受験勉強ばかりしていると脳のバランスは偏りますし、ビジネスパーソンが仕事に追われていても偏ってしまいますよね。このように私たちが何かに打ち込んでいるときは、ほぼ例外なく「偏った脳の使い方」をしているので覚えておきましょう。

そんなときに脳のバランスを回復する脳内マッサージは最適。優れた創造性を生み出すだけでなく、気持ちが楽になってストレス解消にもつながります。なぜなら、脳の中で整理されていなかった老廃物(未整理の情報や記憶)が整理されてスッキリするからです。

特に仕事や勉強などで行き詰っているときは「脳内マッサージ」がおすすめですよ!


『脳を使った休息術』著:茂木健一郎(総合法令出版)

「最近疲れが取れない」と考える人は脳疲労の蓄積が原因かもしれません。脳科学者である著者が「仕事のパフォーマンスアップ、ストレス解消、疲労の軽減には、体の疲れを取るだけではなく脳を休ませることが大切」と訴える本書。疲労が溜まった脳をどうやって休ませるのか? その考え方やノウハウがまとめられています。

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