第2期「あまんちゅ!~あどばんす~」佐藤順一総監督「さらに3期にも繋がるように」

エキレビ!

2018/4/14 09:45

最速放送のAT-Xでは、4月14日(土)に第2話が放送されるTVアニメ「あまんちゅ!」の第2期、「あまんちゅ!~あどばんす~」。
佐藤順一総監督インタビューの後編では、第2期での登場が発表されている新キャラクターや、第2期の見どころについても語ってもらった。

前編はこちら


井上喜久子さんの17歳とは思えない年輪のある演技
──第1期を制作していった中で想定以上に膨らだり、新しい面を発見したりしたキャラクターはいましたか?

佐藤 一番大きいのは、今(前編で)、話したぴかり(小日向光)のことですね。始めた時はそこまで見えてなかったので。ぴかりとてこ(大木双葉)にとって、お互いがかけがえのない存在というのは、どういうことなのかが見えてきたことで、13本(第13話はTV未放送)きっちりと描くことができたところはあります。それ以外で言えば、(小日向)きのさんですね。ここぞというところに居て欲しいキャラで、また、ちゃんとそこに居てくれるんですよね。第10話のてこへのセリフもそうですが、計算してないところで、ふわっと良い言葉が出てきたりもする。しかも、(井上)喜久子さんの17歳とは思えない年輪のある演技によって、そのセリフがさらに説得力を持つので(笑)。描きやすいというと語弊があるんですけれど、少し頼りにしていたところはありますね。


──きの役に「永遠の17歳」である井上喜久子さんがキャスティングされたのは意外でした。

佐藤 きのさんのキャストは最後まで悩んだんですよ。普通だと、お婆ちゃん役をよくやられている声優さんにお願いすると思うのですが、原作の中でも重要なエピソードとして、きのさんが若い頃の話があるんです。あの話をアニメでもやろうと思ったら、お婆ちゃんの声しかできない声優さんでは無理があるので、若い声もお婆ちゃんの声も両方できる人を探しました。でも、そういう人はなかなか見つからなくて。どうしようかなと思っていた時、ふと、井上喜久子さんにやってもらえないかなと、ひらめいたんです。でも、お願いすること自体が失礼かもしれないので(笑)。一応、井上喜久子さんのホームページを見てみたら、「お婆ちゃんの役も大好き」と書いてあったんですよ。だったらお願いしてみようということになって、受けていただけたのですが、お願いして大正解でしたね。

──ダイビング部の先輩である二ノ宮姉弟に関しても、描く際に意識したことを教えてください。

佐藤 2人に関しては、第1期の中では、そんなにガッツリと描く機会はなかったんですよね。第8話のラブレターの話で、姉ちゃん先輩のああ見えて乙女ちっくなところとか、いつも蹴られている弟くんがすごく姉思いなことは描いてはいるのですが。というのも、僕は第1期を作っている時から、当然のように第2期も作るつもりで考えていたので。2人については、第2期以降でしっかり描きたいなと思っていたんですよ。


──それ以外にも、第2期が実現したらやりたいと思っていたことはあったのでしょうか?

佐藤 原作の舞台が学校や伊東周辺だけの話から、一歩外へ広がり始めているんですよね。キャラクターにもさらに深く踏み込んでいくので、その「いよいよ」というところはやりたいなと思っていました。活動の場所が広がったり、後輩ができたりすることで、キャラクターの関係も広がり、深まってもいくので。

新キャラクターは全員、位置関係がはっきりしている
──第2期では、監督の作品ではお馴染みの演出家でもある佐山聖子さんが監督を務めています。佐山さんの魅力は、「あまんちゅ!」の中では、どのような形で生かされていくと思いますか?

佐藤 (本人からは)そうでは無いと言われるかもしれませんが、女性監督であるということも大きいと思うんですよね。原作の天野先生も女性なのですが、我々(男性スタッフ)がやっていくと、どうしても男目線が入ってくるところはあって。逆に、作為的になり過ぎたりもするんです。でも、佐山さんに入っていただくことで、自然に女性目線が入ってくるんですよ。現場を指揮する能力も非常に高いから、僕としても安心です。第1期で監督をしていただいたカサヰケンイチさんも、(制作スタジオの)J.C.STAFFでいろいろな作品をやられているし、安心だったんですけれど。第2期でカサヰさんが参加できないとなった時、佐山さんに参加していただけたらと思いました。あと、猫を飼われているから、猫の描写もすごく得意ですし(笑)。

──佐山さんは、作品のジャンルを選ばず、素晴らしい仕事をされる演出家というイメージがあります。

佐藤 万能ですよね。仕事も速いですし。これまでも佐山さんには借りしかなかったんですけれど、今回、さらに借りが増えてしまいました。どこかで返さないと(笑)。

──第2期から登場するキャラクターの魅力や、キャスティングのポイントを教えて下さい。まずは、第2話の予告にも登場している岬こころ(CV:山本亜衣)からお願いします。

佐藤:新キャラクターは全員、すでに出てきているキャラクターとの位置関係がはっきりしているので、そこを面白く、あるいは感動的に描いていく形になります。こころちゃんは、天野先生の作品の中では、ちょっと珍しいポジションに入るキャラクターなので、そういう意味でも面白いかなと思っています。第2期に関しては、新たにオーディションをしていなくて。第1期の時のオーディションに参加していただいた方々の中から、お願いしている形です。

──別のキャラクターを演じている時のお芝居を参考にキャスティングしたのですか?

佐藤 セリフを言っているところだけでなく、自分の名前や事務所などを言っている素に近いところの声質も参考にしました。山本さんは(ダイビング部顧問の火鳥)真斗先生のオーディションを受けていただいていて。こころちゃんをお願いしようと言ったのは、たぶん、僕だったはずです。真斗先生のお芝居はとても可愛かったのですが、こころちゃんのちょっとブスッとした表情にも、ぴったり合っているなと思いました。山本さんは、天野先生の大ファンらしいんですけど、アフレコの後の食事会に天野先生もいらっしゃった時には、感動して泣きそうでしたね(笑)。

──こころの姉である岬ことり(CV:加隈亜衣)についても教えてください。

佐藤 立ち位置的に、これまではずっと、てこがぴかりに導かれていく形だったのですが。後輩のことりちゃんが入ってくると、てこがぴかりの立場になれるので、てこの成長を描く上でも重要なキャラクターなんですよね。人なつっこい感じというか、てこにちょこちょこ付きまとっていく可愛さみたいなところを重視しました。加隈さんは、ぴかりと姉ちゃん役でオーディションを受けていただいていて。このメンバーの中で、一番幼い感じが出るのかなと思い、お願いしました。


──最後に、ぴかりの妹である小日向こだまですが、CVの洲崎 綾さんは、第1期では猫のお姫を演じていました。

佐藤 元々、第1期の時からこだまが出てきたら、洲崎さんにお願いすることは決めていたんです。ぴかりよりもしっかりした子なので、年齢感的には(光役の)鈴木(絵理)さんより下のまま、しっかりしている感じを出したくて。洲崎さんの声質には、芯があるというか、意志の強い感じがあって、そこがこだまらしいなと思いました。第1期では、こだまがなかなか出てこなかったので、お姫もお願いすることになったのですが、結局、お姫も第11話まで出なくって。気の毒というか、申し訳ないことをしてしまいました(笑)。

第1話は原作にはないオリジナルのエピソード
──第1期では、GONTITIの劇伴も作品の空気感にすごくマッチしていました。第2期も新曲はあるのでしょうか?

佐藤 はい。新たに収録していただいています。第1期の曲もメインテーマなど特に印象に残った曲をさらにブラッシュアップしていただいたり、逆にコミカルにしていただいたり。テーマを大事にしつつ、幅を広げるような曲をいくつかお願いしました。

──コラボレーション企画「みらくるあどばんすプロジェクト」(詳細は公式サイトで)では、「あまんちゅ!」と「ARIA」のキャラクターが、天野さんの描き下ろし漫画やドラマCDで共演するそうですね。ドラマCDの収録はすでに終わっているそうですが、どのような作品になるのでしょうか?

佐藤:これまでの「ARIA」と「あまんちゅ!」のドラマCDは、だいたい僕の方で、自分の中にはあまり無い「素敵」をなんとか引っ張り出して、シナリオを作っていたんですね(笑)。だから、原作よりも先に広がっていくような物語とか、キャラクターにすごくドラマチックなことが起きる展開とかは、なかなかできなかったんです。でも、今回は天野先生が元ネタを書いてくださっているので、我々だけでは作れないお話になっています。ものすごく世界観の広がりのあるダイナミックなお話で、コラボでこんなことができるんだと驚きました。ドラマCDも非常に聴き応えがあると思います。


──最後に、先日放送された第2期の第1話で特にこだわったポイントと、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

佐藤 原作にはないオリジナルのエピソードでしたが、第1話は作品の顔でもあるので、第2期でやろうとしていることのエッセンスはなるべく入れていく形にしました。この楽しい時間はどこかで終わるのかもしれないという雰囲気もそうですし、てこがどこを目指して行くのかもそう。ぴかりはてこと、これからどういう風に付き合って行こうと思っているのかということにも、少し踏み込んだ描写をしたつもりです。新しい音楽も加わって、想定していた以上に狙ったものを出せたかなと思っています。最初にプロットを書いた時、これだけ多くの要素を1話につめこめられるのか不安だったんですけれど、やってみたら入りました(笑)。第2期では3本で1つの季節を描いていて。第1話から第3話までが夏。その後、秋、冬、春と繋がっていくのですけれど、そのさらに先の第3期にも繋がるように応援していただけると嬉しいです。第2期の制作が始まる前、伊東にも取材に行ったのですが、まだまだ本編で使えていないネタもあるので。
(丸本大輔)

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