「半分、青い。」11話。北川悦吏子は「恋愛」松雪泰子は「体幹」ブレなさがすごい

エキレビ!

2018/4/14 08:30

連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月~土 朝8時~、BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~)
第2週「聞きたい!」第8回4月13日(金)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:田中健二


11話はこんな話
左耳を失聴し、以前と同じようには過ごせなくなった鈴愛(矢崎由紗)に律(高村佳偉人)は寄り添おうとする。

みんなが鈴愛を心配して
11話は、8時11分頃の、夕暮れの川べりで耳を寄せ合う鈴愛と律のショットに尽きた。
その後ろに、赤と黒のランドセルまで寄り添って。なんて神々しい場面であったことか!
これまで、子どもたちの恋をこんなにもじっくりと素敵に描いた朝ドラはなかったんじゃないだろうか。

まずは順を追って11話をおさらいしていきたい。

ふいに左耳を失聴した鈴愛を、みんなが心配する、
弟の草太(志水透哉)はこっそり豚の貯金箱を壊して、ぐるぐる定規をプレゼントする。定規に合わせてぐるぐるすると幾何学模様が描ける定規、なつかしい。昭和46年(71年)の小学校を舞台にした三谷幸喜の舞台「子供の事情」にも出て来た。英語でスピログラフ。

律は耳の聴こえない体験をして、鈴愛に近づこうとしていた。
晴(松雪泰子)は気休めとわかりながらも、和子(原田知世)から漢方薬を分けてもらう。
和子は和子で、律の喘息のために漢方薬をもらっていたのだ。でも宇太郎(滝藤賢一)も弥一(谷原章介)も
賛成してないらしい。父と母の考え方や立場の違いなのだろうか。

川にて
糸電話実験のとき、船を出してくれなかった船頭さん(吉澤健)と、岸辺で語る鈴愛。
「鳶が鷹」を産んだのが、萩尾家の律。
「蛙の子は蛙」は、楡野家の鈴愛と、ことわざを語ったあとで、船に乗せてもらっていると
今度は「以心伝心」という四字熟語が出てくる。
心配した晴の声が聴こえなくても、何を言っているかだいたいわかる鈴愛。それが「以心伝心」。
音を失って、心のつながりを知ったわけだ。

船頭が、亡くなった奥さんが空襲で耳が聞こえなくなった話をする。
船頭役の吉澤健は状況劇場出身。若松孝二、石井岳龍、北野武監督作品に出演している。アングラ出身のたくましさが、この人物の孤独とたくましさを感じさせるようだ。印象的だったのは、糸電話実験の5話で、今日は船を出さないと言った彼に、じゃあなんでここにいるの? と律が踏み込んで、鈴愛がとがめるところ。人には人の事情があるのだなと思わせた。

奥さんがすでに亡くなっていると聞いて「ご冥福を祈る」という鈴愛。こういうときはこういうものと漠然と思っている子どもらしさ。

仲良し家族
「(鈴愛)ピカピカに産んだのに」と泣く晴(松雪泰子)。
さすってあげる宇太郎(滝藤賢一)。
その晩、鈴愛は仙吉(中村雅俊)と宇太郎と寝る。
ほんとうに仲良し家族。
でも、宇太郎、晴のために白湯を用意しにいったのに、一緒に寝ちゃってどうなったんだろう。すぐ起きて、晴の元に戻ったのだろう、たぶん。

耳を寄せる鈴愛と律がかわいい
学校で、三半規管がおかしくてバランスがとれない鈴愛。
体育の時間、平均台を渡る順番が刻一刻と近づいてくるが、律が機転を利かせて乗らないで済むようにした。
その瞬間、見つめ合う鈴愛と律。
「マグマ大使の笛が聞こえた気がする」と律。

そのあとが、前述した11話のハイライト。
ふたりが耳を寄せ合うシーン。
「小さな恋のメロディ」(71年)のようだ。
つい泣いてしまう鈴愛。
右側に移動して話しかける律。
「泣く時がみつからんかった」と告白し、おいおい泣く鈴愛。
家族にきがねして泣けなかった鈴愛は、律の前では泣ける。
矢崎由紗は口を開くと元気いっぱいだが、つぐむと憂いすら感じる美少女に。この飛距離が魅力だと感じる。

今日のすてきな台詞
「わたしの世界は半分になった」
「わたしは生き物として弱くなった」
弱いからこそ、生きたい思いが強くなっていくのかもしれない。

こんなにお互いを必要としてお互いを守ろうとしているのだから、恋してつきあって一生添い遂げるしかないやろと思うが、ふたりがまだ小学3年生で幼いことが恋の障害になっている。この間の悪さが、ドラマを盛り上げ、胸を締め付ける。

こどもを描いても、ここまでラブストーリーになる、ブレない北川悦吏子、“ラブストーリーの神様”は伊達じゃない。「雀百まで踊り忘れず」とはこのことか。

ブレなさといえば、この日、「あさイチ」にゲスト出演した松雪泰子が「体幹」「体幹」と何度発したかわからないほどで、そのブレなさもすごかった(ご覧になってない方に簡単に説明すると、体幹を鍛えているので、重いものが持てるとか、舞台で怪我しても体重の乗せ方を変えて乗り切れたとかいう話をしていて、次第に、体幹がネタ化していった)。
(木俣冬)

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