切なさが良い。back number「ゆめなのであれば」

UtaTen

2018/4/14 12:01

back number ゆめなのであれば



主人公の男性が”これは夢だ”と気づいた上で進んでいく、この楽曲の物語はとても面白い。

まどろみを感じさせる心地の良いメロディーと飾らない言葉、そして夢の中という誰もが経験したことのあるシチュエーションは聴き手を曲の世界へと一気に引き込んでいく。

しかし「ゆめなのであれば」は、ポップや面白さだけではなく切なさも秘めている楽曲なのだ。



どうやら、夢を見ている最中に”これは夢だ”と気付けるタイプと気付けないタイプが居るらしい。

主人公の男性は気付けるタイプの様だが、そもそもなぜ彼はこのシーンで夢だと気づいたのだろう?

それは、「あなたの事が大好きなの」と彼女に抱きつかれることが現実では起き得ない、有り得ないことだからだ。

彼が想いを気になる彼女に伝えたのかどうかは分からない。

しかし、夢に見てしまうほど好きでも今の段階では彼女と通じ合えていないのだ。

幸せな夢の隙間で見える彼の現状と心情に、チクリと胸が疼いてくる。

切ない歌詞の世界観が胸に響く




好きな子と手を繋げて、しかもその子が横で鼻歌を歌っている…なんて穏やかで微笑ましい、幸せな時間なのだろう。

まさに夢心地なシチュエーションだが、ここには主人公の男性の本音が隠されている。

それは「このまま手を離さなければ ここにいてくれるかい」という一文だ。

これは、互いに想い合っている夢だからこそ、彼が表現できる気持ちなのかもしれない。

ただ夢の中であれ、本音を言う怖さはあるだろうし、それに好きな人に自分の気持ちをまっすぐ伝えるのはなかなか至難の技だ。

怖いけど、言えるものなら言いたい。

だから間を取って彼はどこかふざけながら、誤魔化しながらひっそりと自分の本音を忍ばせて、彼女への想いを形にしているのだ。

そんな彼の姿と夢にまで溢れ出てくる彼の気持ちがやけに愛おしくて、切なくて、胸の底がツンと痛くなる。

男女関係なく共感できるストーリー性



この曲が持つ切なさについてここまで書いてきたが、やはり「ゆめなのであれば」はとてもコミカルな楽曲だ。

夢の中だと気づいた上で物語が進んでいくという設定に加え、自分に対するツッコミや、時代や設定が歪む”夢あるある”も詰め込まれている。

そして何と言っても、それぞれのサビの最後の一言はとてつもない存在感を放っている。

主人公は男性だがきっと男女関係なく、その一言に込められた主人公の恋する想いに共感できるだろうし、あまりにストレートな言葉の表現におもわず笑ってしまうだろう。

好きになるって確かにそういう欲も含めるよなぁ…と妙に納得してしまう。

コミカルだからこそ切なさが光り、切なさがあるからこそコミカルさをより感じられる。そんなズルさと幅を存分に楽しめる1曲だ。

TEXT:柚香

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