有名大学教授による20年前の性的暴行事件を暴き、自殺した被害者女性の正義を晴らす(中国)

地位も名誉もある大学教授が女子学生の体を無理やり性的暴行―これだけでも許し難い犯罪だが、卑劣なこの男は自分の保身が目的で彼女を悪者にする内容の他言を始めた。そして耐えがたい心身の傷と屈辱感から女性は自死という最悪な道を選ぶ。その教授が何食わぬ顔で別の大学で教鞭をとっていると知り、被害者女性の親友がこのほど立ち上がった。「重い罪を犯したそんな卑怯者を教育者として認めるのはいかがなものか」という怒りと友情に、学生や大学もついに動いたことを『Shanghaiist』が伝えている。

中国の人々が先祖の墓にお参りして墓の掃除をする「清明節(掃墓節とも)」であった4月5日、カナダに暮らすLi Youyouさんは、生きていれば40代になっていたはずの友人Gao Yanさんのことを思い出していた。Gaoさんが北京大学に通っていた1996年、宿題を受け取るとしてマンションを訪問させると、彼女に性的暴行を加えた文学部教授のShen Yang(沈陽)。その後、友人のLiさんが事件について問い詰めてもShenは知らん顔をし、むしろ自分の保身のため「Gaoさんは精神を病んでいる」などと言いふらしていた。

最悪な辱めを受け、絶望感のなか1998年に自らの手で21歳の命を絶ってしまったGaoさん。友人の命を奪ったShenへの憎しみと怒り、そして精神を患っているなどと不名誉なことを言われて苦しんだGaoさんの正義を晴らすため、LiさんとGaoさんの遺族はShenの断罪に向けて懸命に動いたが、当時は何ら実を結ばなかったそうだ。

ところが世界は今、職場や教育現場からセクハラを徹底排除し、性的虐待や性的暴行の被害に泣き寝入りするのはやめようという気運にある。中国やカナダでも「#MeToo」はかなりの知名度と支持を得ており、各地で運動が行われるようになっているのだ。今はインターネット、SNSという強い武器がある。Liさんも亡き友人Gaoさんのために何かができるのではないかとして、再び立ち上がった。

2011年に南京大学に転職し、63歳の現在は言語学部主任として働いている―そんなShenの情報を得るのに時間はかからなかった。そして中国のネチズンがGaoさんに起きた不幸に反応。南京大学の学生たちの間では「Shen Yang教授をボイコットしよう」という動きが広まった。そして6日、Shenは北京のメディアに「悪質な噂を流されてえらい迷惑をこうむったが、警察があれこれ私の身辺を調査してくれたおかげで身の潔白が証明された」と余裕の表情で答えていたが、そのすぐ後に北京大学が「教職員倫理規程に違反する深刻な行為があったことがわかり、Shenには1998年に厳しく警告していた」という事実を発表した。

これを受けて南京大学は、「2011年に受け入れた際はそんな話はまったく知らなかった」とした上でShen教授を解雇し、非常勤で働いていた上海師範大学も彼の解雇を決定した。権力や地位も名誉もある大学教授との戦いに挑むことはとても難しいことであったに違いない。だが友情と執念、そして何より正義がLiさんを味方したのだ。

画像は『Shanghaiist 2018年4月10日付「Chinese professor accused of rape gets canned 20 years after his student’s suicide」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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