散歩中の犬、地下約1.8mに位置する雨水管にいた赤ちゃんを発見(南ア)

冷たい雨水管に遺棄されていた赤ちゃんを発見したのは、散歩中のダックスフントだった。犬の飼い主と、走行中だった車の運転手が2人がかりで赤ちゃんを救出。低体温症と呼吸器系に問題があったものの、赤ちゃんは病院で順調に回復しているという。『Metro』『Mirror』などが伝えている。

南アフリカ東ケープ州南部のポート・エリザベスで4月3日、雨水管の底からへその緒がついたままの女児が裸で発見された。

シャーメイン・キーヴィーさん(63歳)は、その日の朝早くに飼い犬ダックスフントの“ジョージー”を連れて散歩に出かけた。するとジョージーが雨水管の所で立ち止まり、鳴き始めた。雨水管のほうからかすかに声が聞こえたため、シャーメインさんは猫の鳴き声かと思ったそうだ。しかし雨水管の蓋に膝と手をついて耳を澄ませると人間の赤ちゃんの泣き声と分かり、シャーメインさんは驚愕した。

シャーメインさんは慌てて走行中の車に手をあげ、止まって欲しいとサインを出し続けた。すると1台の車が止まり、シャーメインさんから事情を聞いた運転手のコーニー・ビジョアンさん(60歳)は、トランクから取り出した鋼棒を使ってシャーメインさんと一緒にコンクリートの重い平板を外すことにした。

2人はなんとか蓋を外し、地下約1.8メートルに位置する雨水管の奥から聞こえる赤ちゃんを救出しようとコーニーさんがその中へ入った。無事赤ちゃんを救出することができたコーニーさんは、後にこのように語っている。

「雨水管の穴はとても狭かったので、体を曲げることもできず膝を使って前に進まなければなりませんでした。雨水管に入ってすぐに脚を複数の赤アリに刺され、その中がアリの巣で覆われていることに気付いたのです。アリは雨水管の上部に集まっていて赤ちゃんのそばにはいなかったので、刺されずに済んだことは幸運だったと思います。私は手探りで赤ちゃんの脚に触れることができ、全裸の赤ちゃんを発見しました。そして、そこが犯罪現場であることに気付き、フラッシュを焚いて写真を撮りました。赤ちゃんは怪我をしているかもしれないと思ったので注意しながらゆっくりと救い上げました。とても小さな女の子でした。しばらく抱っこしていましたが早急に治療が必要だと思い、シャーメインさんに救急車を呼ぶように伝えたのです。生まれたばかりの赤ちゃんに誰がこんなことをしたのかはわかりませんが、命が救われたことを本当に嬉しく思います。あの子は小さなファイターですよ。きっと強い子に育ってくれることでしょう。」

駆けつけた救急隊員らは、現場で女児が低体温症にかかっていることを知り治療を施した後、ドラ・ンギンザ病院へと搬送した。3,090グラムの女児は呼吸器系にも問題があると診断されたが、現在は治療を受け順調に回復中とのことだ。女児は病院のスタッフらに「グレース・エイプリル」と名付けられた。コーニーさんとともにグレース・エイプリルちゃんを救出したシャーメインさんはその後、このように明かした。

「コーニーさんが車を止めてくれなかったら、どうしていいかきっとわからなかったでしょう。彼から手渡されたグレース・エイプリルちゃんを、私は着ていた上着で包みました。コーニーさんと2人がかりでも開けるのが大変だった雨水管のコンクリート蓋を、産後すぐの母親がそれを開けて女児を捨てたとは考えられません。私はいつもあるルートで犬を散歩させているのですが、あの日はなぜか別の道を通っていました。きっと神様のお導きだったのでしょう。グレース・エイプリルちゃんの命が救われたのは、疑いようのない奇跡です。」

コロネル=プリシラ・ナイドゥ警官は、「誰かが故意にコンクリートの蓋を外して中に女児を遺棄したのでしょう。この地域の外からやって来て、ここに捨てた可能性もあります。現在、目撃情報を集めていますが母親には名乗り出てほしい」と述べ、警察と合同で福祉サービスの職員らも女児の母親の行方を捜査していることを明らかにした。

シャーメインさんは、「もし母親が現れなかったとしても、グレース・エイプリルちゃんには温かくて素敵な家庭を見つけてあげてほしい」と話している。

画像は『Metro 2018年4月10日付「Sausage dog helps find abandoned baby 6ft underground in storm drain」(Picture: Jamie Pyatt News Ltd)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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