漫画村を焼き尽くす!? 政府による“海賊版サイト”撲滅作戦に、諸手を挙げて喜べない理由

日刊サイゾー

2018/4/13 17:00


 政府が今月中にも、犯罪対策閣僚会議を開催し、インターネットプロバイダーに対して、海賊版サイトのブロッキングの要請を正式に決定するとの報道が流れている。

この報道によって、いよいよ逃亡を計画しているのか、海賊版サイトの代名詞となった「漫画村」は一時的に表示できなくなるという事態も発生した。

いよいよ政府が動き出した「漫画村」を焼き尽くす作戦。だが、これに対して次々と反対の声が上がっている。

漫画村の撲滅は、作者や出版社、正規品を購入する一般ユーザーにとって共通した願いのはず。ところがコンテンツ文化研究会、情報法制研究所、インターネットコンテンツセーフティ協会、インターネットユーザー協会など、さまざまな団体や有識者から、反対の表明がなされているのだ。

その理由は、実は言論/表現の自由とも密接に関わっていることは、おわかりだろうか。

日々、日本国内だけでも無数の人々がインターネットを用いて、自分の知りたい情報にアクセスをしている。技術的には可能だけれども、個人がどこのサイトにアクセスしているかは「通信の秘密」によって、第三者に漏洩したりしないように保護されている。

これは「日本国憲法」の第21条で定められた国民の権利。いうなれば、どこのサイトにアクセスするかは、電話や郵便と同じレベルで公権力による検閲や第三者の漏洩から保護されているわけである。

「日本国憲法」については、さまざまな評価があるが、現在は「憲法改正」の是非をめぐって、激論が交わされている状況。そんな上位の法律で保護された権利を「漫画村ヤバイ!」で飛び越えようとしているのだから、反対されるのは当然というわけだ。

政府は「緊急避難」という理由で、ブロッキングを正当化しようとしている。けれども、日本で数少ないブロッキングが認められている「児童ポルノ」も、議論を重ねた上で決められたもの。だから、いくら漫画村を焼きたくても「はい、そうですか」と、のむわけにはいかない。巨悪を撃つ目的とはいえ「通信の秘密」を、ごく簡単に乗り越えては、今後、ブロッキングの対象が、どこに拡大していくかがわからないからだ。

今後、道徳的な理由でブロッキングが正当化されたりすれば、それこそ言論/表現の自由の問題となる。

海賊版サイトが、国家レベルの騒動になるとは。やはり、漫画村の背後には巨大な組織が……?
(文=大居候)

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