カフェのようでカフェじゃない、池尻大橋の「BPM」。

TABILABO

2018/4/13 15:00


つい先日、TABI LABOの新オフィスにカフェスペースがあると聞いて、さっそくお邪魔してきました。正直、気軽に遊びに行くついでにコーヒーでも飲めたらいいな、くらいの気持ちで行ったんですが、そのコンセプトや誕生の裏話を聞いて、じんわり感銘を受けて帰ることに…!

なんだか、うれしい驚きでした。


池尻大橋にあるTABI LABOオフィスの2階は「BPM(Beats Per Moment)」というイベントスペース・カフェ・ショップのそれぞれの機能が混ざり合ったような空間になっていて、コーヒーを飲むもよし、仕事の打ち合わせをするもよし、という自由に楽しめるスペース。

そこでコーヒーをいただきつつ、笑顔が素敵なバリスタ窪田秀平さんにお話を伺いました。

スタートアップ的
コーヒー屋さん!?



─── まだオープンしたばかりとのことですが、どういう経緯でこちらでコーヒーを淹れることになったんですか?

「僕はもともとスターバックスでバリスタをしていたんですが、ここは一応、期間限定ということで来ているんです」

─── き、期間限定!? つなぎ的な感じですか?

「いえいえ、違うんです(笑)。ここは、将来自分のお店を持ちたい人が、いきなり店舗を借りて設備投資をしてというのはなかなか大変なので、期間限定というか試験的に自分のお店として営業できるという場所なんです。僕は自分で焼いたお菓子とコーヒーのお店ということで、ここでやらせてもらっています」

─── 初めて聞きました、そんなシステム…。なかなか画期的ですよね?

「そうですね。TABI LABOさんがこちらでカフェスペースをつくるってなったとき、相談に行かれたのが、代官山にある『私立珈琲小学校』というカフェの吉田恒先生だったんです。ご存知ですか?」

─── 小学校? ちょっと色々追いつけてないです…。教えてください!

「オーナーの吉田先生は、もともと小学校の先生で。辞められたあとにコーヒー屋さんを始めたので、珈琲小学校という名前になったそうです」

─── おもしろいですね。だから吉田先生って呼ぶんですね。

「はい、そうなんです。TABI LABOさんも最初は自社の社員が常設で運営するカフェを考えていたそうですが、話を進めるなかで吉田先生が『常設のカフェじゃなくて、カフェを始めたいんだけど、金銭的な理由とかですぐには始められないという人たちのための、スタートアップの場所にするのはどうか』というアドバイスをされたそうです」

─── だからあえて期間限定のオーナー制度を採用しているんですね。つなぎなんて言って失礼しました。秀平さんの契約終了後にはまた次の新しい人がお店の店主として現れるわけですね。ということは、これらのすべて器具はご自身の持ち込みでやられているんですか?

「お菓子は菓子製造業許可のあるレンタルキッチンを借りて作ったものを、こちらに持って来ています。コーヒーについては、エスプレッソマシンとグラインダーはTABI LABOさんが用意してくれているもので、ハンドドリップの器具は僕の私物を持ってきています。今はまだ試験運転の時期なので、ニーズが高ければ、他の器具もTABI LABOさんが揃えていくそうです」

自分の店を持つ前に
トライ&エラーができる



─── 今までとは違って、こうして自分のスペースがあり、自分ひとりでお店を切り盛りするっていうのはいかがですか?

「発注関係も自分でやっていますし、コーヒー豆も自分で選んだものを仕入れているので、“経営をしている”という実感が湧きます。自分の感覚でチョイスしたものをお客様に提供する、という意味では重みがありますよ」

─── 自分の好みも出せますしね。こういうシステムを導入しているところって他にないですよね? これって少ない負担のなかで、挑戦できて、なおかつ夢に向かう第一歩となるわけですよね。今後、やってみたいっていう人が増えるんじゃないかなー。

「きっと多くなるでしょうね。ここでトライ&エラーをしながら軌道修正もできますし、とてもいい機会だと思います」

コーヒーショップじゃなくても
いいんです



───でも、誰もがここでお店をできるわけではないですよね? 素人が淹れたコーヒーを売るわけにもいかないだろうし…。

「そうですね(笑)。でも実はここ、ジャンルレスなんですよ。たまたま僕はコーヒーとお菓子でしたけど、お酒でも、お茶でも、なんのお店でもいいらしいんです」

─── えー! それはすごいですね。ジャンル問わず「挑戦する人」を応援するって…いやぁTABI LABOさん、やるなぁ。なんか宣伝みたいでイヤですけど(笑)。このシステムはアメリカでも聞いたことないです。秀平さんも、ゆくゆくは自分のお店を持ちたい、と?

「そうですね。僕の場合は、高知県でおいしいコーヒーを出すお菓子屋さんをやろうと計画しています。じつは高知県は、名古屋と同じように喫茶店文化があるんです。さらに、田舎なのでクルマ文化なんですが、山のほうへ行くとすごくかっこいいカフェとかがたくさんあるんです。東京のカフェとはまったく違う空気感が出ていて、それがたまらないんですよね」

─── 私は名古屋出身なんですが、高知の喫茶店文化については知りませんでした…。最近は移住する人の話もよく聞きますし、高知のコーヒー文化の流れがかなり気になってきました(笑)。

「喫茶店文化が根強いこともあって、深煎りが好まれていますね。その辺りが東京とは違う流れかもしれません」

───秀平さんが出しているこの豆も浅すぎず、深すぎずですね。

「これは、岡山県にある『Konishi Koffee』さんの豆を使っています」

───またどうして岡山の豆を?

「旅行へ行ったときにたまたま立ち寄った自家焙煎のコーヒー屋さんなんですが、びっくりするくらいおいしくて! すっかり気に入ってしまったので使わせてもらっています。ミュージシャン活動をしながらお店をやってらっしゃるんですが、ご夫婦の雰囲気もとても素敵で、お人柄にも惹かれまして。高知県でお店をやるなら絶対ここの豆を使いたいなと思っていたところに今回の話が来たので、ぜひ使ってみようと」

─── それもこのお店の醍醐味かもしれませんね。しがらみなく、自分が好きなものを試しながら選んで使える、っていう。

「浅煎りが流行っていますが、じつは僕、あまり浅煎りのコーヒーが飲めなくて…。お店をやるからにはやっぱり自分がおいしいと思うものを提供したくて、深煎りの『Konishi Koffee』さんの豆にしました。焙煎の具合がちょうど中間というところでも、いい意味で万人受けするなと感じたのと、単純に焙煎の状態を見たときにとても上手で、飲み疲れしないな、と思ったんです」


─── 出店期間内に、豆の種類やお店をローテーションすることも考えているんですか?

「『Konishi Koffee』さんの豆のなかでラインナップを変えようとは思っています。今は色々な国の豆を用意していて、中煎りから深煎りの間でお選びいただけます。ただ深煎りが好きだというお客様もいるので、1種類だけ深煎りのマンデリンを用意しています」

─── ドリップで豆を選ぶとなると、お客さんも戸惑いませんか?

「最初はみなさん戸惑っていましたけど、今は慣れてきていると思います」

─── いいことですね。お店もトライアルですけど、お客さんにとってもトライアルのような気がします。たとえば、今までオフィスでインスタントコーヒーを飲んでいたような人が、ここへ来て豆を選んで目の前でドリップしてもらうことで、豆の種類や淹れ方を知れたりするわけですから。

「今回は僕が担当したのでたまたまカフェになりましたが、次の人が軽飲食とかお酒に変わっていくと、またオフィスの方たちも新しいものに触れられますしね。本当に素敵なコミュニティの場所だと思います」


—— コーヒーでも飲みがてら新しいオフィスにお邪魔するだけのつもりが、図らずもその珍しい仕組みを知り、ワクワクしてしまいました。挑戦したい人が集まり、新しいことが始まる場所として、今後も注目を集めていくんだろうな、と。

秀平さんのコーヒーとお菓子が期間限定というのは寂しいですが、次はどんなお店が入ってくるのかも楽しみです。


基本情報
「BPM」
Website:https://bpm-tokyo.com/
Instagramhttps://www.instagram.com/bpm.tokyo/
電話番号:03-6427-8102
営業時間 :10:00-19:00(平日)、11:00-18:00(土日祝)
定休日: 不定休
住所:〒154-0001 東京都世田谷区池尻2丁目31-24 信田ビル2F(池尻大橋駅から徒歩30秒)


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