フォルクスワーゲンup! GTI──操る悦びを思い出せ

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2018/4/13 12:00

待ち望まれていた「最も小さなフォルクスワーゲン」のスポーツモデル『up! GTI』


フォルクスワーゲン『up!』は、2012年に登場したコンパクトモデルで、Aセグメントに属する「最も小さなフォルクスワーゲン」だ。

その持ち味は、シンプルで実用的なデザインと装備、そしてパワフルではないものの、高速でも抜群の安定感を誇る走行性能にある。

しかし、EV(電気自動車)の『e-up!』を除けば、従来のラインナップには1.0Lの自然吸気ガソリンエンジンしか選択肢がなく、スポーツモデルの登場が待ち望まれていた。そこへ満を持して登場したのが『up! GTI』だ。

『up! GTI』の特徴は大きくわけて2つある。まずひとつは、走りを重視する「GTI」の名が示すように、「ターボ化されたエンジンと強化された足回り」である。

軽量ボディの『up! GTI』を6速MTで操って、“ファン・トゥ・ドライブ”を愉しむ


搭載されるエンジンは3気筒1.0Lターボで、最高出力85kW(114ps)、最大トルクは20Nm(20.2kgm)。そう聞くと「たったの114ps?」と思われるかもしれないが、『up!』が「最小のフォルクスワーゲン」であることを忘れてはいけない。

全長3600×全幅1645×全高1478mmのボディは、国産車でいうとトヨタ『ヴィッツ』と軽自動車の中間的なサイズで、車重はわずか1070kgしかない。

一方、最高出力114psは通常モデルのおよそ4割増しで、最大トルク20Nmは同2倍以上だ。このスペックは充分すぎる動力性能をもたらし、しかもトランスミッションは6速MT。こんなクルマを操るのは、まぎれもなく“ファン・トゥ・ドライブ”だ。

足回りには、バネやダンパーのみならず、サスペンションアームの剛性にまで手が入れられており、「軽快」「俊敏」といった言葉がふさわしい走りを見せてくれるに違いない。

なお、『up! GTI』が搭載する1.0Lターボは、ガソリンエンジンとして初めてGPF(ガソリンエンジン用排ガス粒子フィルター)を装着するエンジンとなる。ホットハッチとはいえ、環境性能にもぬかりはないのだ。

「フォルクスワーゲンR GmbH.」が開発したAセグとしては異例に大きいホイール


もうひとつの特徴は「伝統的なカスタマイズが施された内外装」だ。エクステリアでは、兄貴分の『ゴルフGTI』や『ポロGTI』と同じく、赤いアクセントの入るフロントグリルと大径のホイールが「GTIらしさ」を印象づける。

モータースポーツの舞台で活躍する「フォルクスワーゲンR GmbH.」が開発したホイールは、Aセグメントとしては異例に大きな17インチ。このホイールからのぞくのは、『up!』では初採用となる15インチの大径ブレーキで、レッドのキャリパーが走りを予感させる。

面積の多くをブラックのパネルが占めるバンパーやサイドデカール、小ぶりのルーフスポイラーは「GTI」の専用品だ。もちろん「GTI」のエンブレムも装着された。

ドアを開けると、初代『ゴルフGTI』で採用され、以来「GTIの伝統」となっているチェック地のシートがまず目に入る。シートに腰を下ろせば、そこにあるのは『ゴルフGTI』『ポロGTI』と共通の「Dシェイプ」ステアリング、さらに黒地に赤のグラフィックがプリントされるダッシュボードパネル。それらが特別な『up!』であることを示している。

球形のシフトノブは、『up! GTI』が6速MTで操るクルマであることを教えてくれる。ちなみに、ATの設定はなく、日本にもMTモデルが導入される。

『up! GTI』のベンチマークは初代『ゴルフGTI』、上陸した際には必ず試乗すべき


『up! GTI』が目指したのは、現行の『ゴルフGTI』や『ポロGTI』の弟分ではない。じつは、1976年に発表されたホットハッチの元祖、初代『ゴルフGTI』をベンチマークに開発されたクルマなのだ。

実際、初代『ゴルフGTI』と『up! GTI』は、ボディサイズやエンジンパワーの数値が非常によく似ている。

『ゴルフGTI』は、ホットハッチを象徴する存在である。しかし、現行モデルは高性能であるがゆえに、日常ではそのパフォーマンスがやや過剰に感じられることがあるのも事実。昔のホットハッチを知るファンのなかには、「初代ゴルフGTIの愉しさが忘れられない」という人が多いのかもしれない。

『up! GTI』はそう遠くないうちに日本へ導入される見込みだ。価格は250万円を下回るだろうか。そのときは、初代『ゴルフGTI』を知る人はもちろん、ハイパワーのスポーツカーを所有する人も試乗してみるといいだろう。

きっと忘れてしまっていた“ファン・トゥ・ドライブ”を思い出すはずだ。

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