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ドラマ解説者・木村隆志が選ぶ!平成の名作ドラマ 第1回 オススメ「平成元年ドラマ」TOP3! "月9=恋"導火線、フジの名作

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2019年4月30日に幕を下ろす「平成」。マイナビニュースでは、「平成」の中で生み出されたエンタメの軌跡を様々なテーマからたどる。ここでは、「視聴率や俳優の人気は無視」のドラマ解説者・木村隆志が、平成元年から31年までのドラマを1年ごとに厳選し、オススメ作品をピックアップする。第1回は「平成元年」。

1月、昭和天皇崩御を受けたテレビ業界は混乱。自粛ムードの中、特別編成を求められ、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)が一週間放送休止するなど、明らかに異例の状況だった。

しかし、ほどなく通常放送に戻り、2月に『三宅裕司のいかすバンド天国』(TBS系)がスタート、4月にはみのもんたが『午後は◯◯おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)の司会となり、以降「昼の顔」として君臨。一方、9月で『ザ・ベストテン』(TBS系)、10月で『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)が終了するなど、出入りの激しい一年となった。

連ドラでは、朝ドラの『青春家族』(NHK、清水美砂主演)、『純ちゃんの応援歌』(NHK、山口智子主演)がそれぞれ40%超。大河ドラマ『春日局』(NHK、大原麗子主演)が30%超、時代劇の『水戸黄門』(TBS系、西村晃主演)も30%超の高視聴率を記録。民放の現代劇も、当時の世相を反映した思い切りのいい作品が多かった。
○"月9=ラブストーリー"の導火線

■3位『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系、中山美穂主演)

中山美穂

まずタイトルが当時人気のディスコソングと同名であることが時代性たっぷり。キャスティングも、18歳のアイドル・中山美穂を主演に据えた(月9主演最年少記録)ほか、相手役に男闘呼組の前田耕陽、準ヒロインに菊池桃子を据え、代官山に住む設定も含め、ノリノリだった。

恋愛至上主義の当時を象徴するように、くっつきそうでくっつかなかったり、両思いになったと思ったらすぐに大ケンカしたり……初回冒頭からから最終回の最後までそんなシーンが延々と続くのだが、熱狂させられたのは、やはりキャストの魅力が大きい。

すでに主演6作を誇るトップアイドルだった中山は、当作で女性支持層を一気に広げ、「月9主演7作」は、現在も女優トップ。「最後の清純派美少女」と言われた菊池桃子が恋に奔放なフリーターのDJを演じ、キスシーンを演じただけで日本中が大さわぎ。爽やかなプレーボーイ役で開花した石田純一、中山美穂と菊池桃子の2大アイドルにキスして男たちを敵に回した大鶴義丹、ブレイク寸前の吉田栄作と田中美奈子(のちの『もう誰も愛さない』(フジテレビ系)につながる)など、華のある若手がそろった。

間違いなく“月9=ラブストーリー”の導火線となった作品であり、その火がのちの『東京ラブストーリー』や『ロングバケーション』らにつながり、現在に至る。主題歌は、村井麻里子の「どうしようもなく恋愛(ラブ・アフェアー)」。
○『ごくせん』につながる次世代スター発掘モノ

■2位『はいすくーる落書』(TBS系、斉藤由貴主演)

斉藤由貴

こちらも若さでは負けていない。「斉藤由貴演じる女教師が不良ばかりの京浜実業工業科へ赴任し、体当たりで挑む」というエネルギッシュな作品だった。

のちの大ヒット作『ごくせん』(日本テレビ系)につながる次世代スター発掘モノであり、当作では的場浩司、保阪尚輝(現在は保阪尚希)、菊池健一郎らが台頭。全国の工業高校関係者から「イメージが悪い」と苦情が殺到しつつも最後まで放送できたのは、いい時代だったと言える。

世間知らずのお嬢様、天然だけど一生懸命。初回のタイトルが「先生、もんでやるぜ!」だったように、何度も危険にさらされ、視聴者に心配させながらも、けっきょく暴走してしまう。そんなヒロイン・諏訪いずみは斉藤由貴のハマリ役となり、いまだに当作と『スケバン刑事』(フジテレビ系)を代表作に挙げる人は多い。また、コメディパートを担う伊東四朗と所ジョージのアドリブ芝居がいいアクセントになっていた。

もう1つ忘れてはいけないのは、当作の代名詞とも言えるTHE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」。長いドラマ史の中でも、これほど作品の世界観に合う主題歌は稀だろう。「キスしてほしい」「リンダリンダ」などの名曲も流して、当時の中高生を熱狂させていた。
○ほとんどの学生が見ていた!? 局所的ブーム作

■1位『愛しあってるかい!』(フジテレビ系、陣内孝則主演)

陣内孝則

1位は迷わずに、「愛しあってるか~い?」「イェーイ!!」を選んだ。当時、「男女を問わずほとんどの学生が見ていた」ほどの局所的ブームとなり、反面、大人たちが「くだらないから見るな」と言い放つインパクト抜群の作品だった。

当作は、陣内孝則、柳葉敏郎、近藤敦が務める男子校の南青山高校と、小泉今日子、藤田朋子が務める女子校の表参道女子高校が織りなす学園ラブコメ。田中律子、和久井映見、船田幸ら「元気いっぱい」の女生徒に対して、神田利則ら男子生徒は「イケてない」描写が多く、陣内たちが「明るく無責任に背中を押す」という展開が定番だった。

まだ世間に「教師は尊敬すべき存在」「テレビは教育上よくない」と言うムードがある中、「教師と生徒が友だち同士のように会話を交わす」シーンの連発は、斬新かつ画期的。当時の教師や学校関係者にとっては荒唐無稽なファンタジーだったが、モンスターペアレンツやスクールカーストの深刻な今では、違う意味でのファンタジーかもしれない。

クリスマス直前に放送された最終回「クリスマスは愛と涙と感動だ!」は視聴率26.6%を記録。底抜けの明るさは「今こそフィットするのでは?」と思ったが、制作するなら視聴率の縛りがないネットテレビか動画配信サービスだろう。事実、2014年に男子校と女子校の教師と生徒の交流を明るく描いた『ごめんね青春!』(TBS系)が放送されたが、低視聴率に終わっている。

本人は不本意だろうが、ファンにとっては「陣内孝則の最高傑作」。そして、フジテレビが掲げた「楽しくなければテレビじゃない」を具現化した名作と言える。主題歌の『学園天国』がパッと浮かぶのに対して、脚本家が野島伸司だったことはあまり知られていない。
○「柴門ふみ×坂元裕二」「遊川和彦ブギ3部作の第1弾」「石原プロ制作」

■平成元年その他の主な作品

のちに『東京ラブストーリー』を手掛ける柴門ふみ×坂元裕二コンビの先行作『同・級・生』(フジテレビ系、安田成美主演、主題歌はZIGGY「GLORIA」)
遊川和彦が脚本を手がけたブギ三部作の第1弾で、浅野温子が織田裕二、的場浩司、石田ひかりの母親役を演じた『ママハハ・ブギ』(TBS系、浅野温子主演、主題歌はPERSONZ「Dear Friends」)
『あぶない刑事』の流れをくみ、コミカルテイストが強調された事件モノ『勝手にしやがれヘイ!ブラザー』(日本テレビ系、柴田恭兵主演、主題歌は柴田恭兵「横浜DAYBREAK」)

観月ありさも生徒役で出演した大ヒットシリーズ第2弾『教師びんびん物語2』(フジテレビ系、田原俊彦主演、主題歌は田原俊彦「ごめんよ涙」)
『西部警察』を彷彿させる石原プロ制作の刑事ドラマ『ゴリラ・警視庁捜査第8班』(テレビ朝日系、渡哲也主演、主題歌はインストゥルメンタル「GORILLA」)
動物と会話できる北海道の少女がアライグマと上京する物語『LUCKY! 天使、都へ行く』(フジテレビ系、斉藤由貴主演、主題歌は斉藤由貴「LUCKY DRAGON」)
宮沢りえのほか和久井映見や桜井幸子らがシンクロに挑んだスポ根モノ『青春オーロラ・スピン スワンの涙』(フジテレビ系、宮沢りえ主演、主題歌は仲村知夏「ひとりぼっちに帰らない」)
あの島崎和歌子が魔女を演じた不思議系アイドル特撮ドラマ『魔法少女ちゅうかないぱねま!』(フジテレビ系、島崎和歌子主演、主題歌はKUKO「タマゴより難しい」) など

■著者プロフィール木村隆志コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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