木梨憲武VS佐藤 健。ハイレベル映像炸裂の衝撃バトル!<連載/ウワサの映画 Vol.29>

Walkerplus

2018/4/13 07:00

大ヒットした「GANTZ」2部作に続き、原作・奥 浩哉&監督・佐藤信介コンビ再び!ということで、今度は漫画「いぬやしき」を実写映画化です。佐藤監督作品では「アイアムアヒーロー」がお気に入りな私ですが、そんなパニック感も盛り込んだ怒涛のアクションがスゴかった!「ジジィが空飛んでる。しかも体内、機械!」という強烈な画のインパクト、そしてハイスピード空中バトルを体感させる最新VFX映像は、”世界”を意識してるな~”感がバチバチ!

主人公は、定年を間近に控える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎(木梨憲武)。会社からも家族からも疎外される毎日を送る中、医者から「末期ガンです」と突然の余命宣告を受け、深い虚無感に襲われます。そしてその晩、謎の墜落事故に巻き込まれた彼は、未知なる”機械の体”に生まれ変わったうえに、人間をはるかに超越するパワーを手に入れていた…! 一方、同じ事故に遭遇し、犬屋敷と同じ能力を手に入れた高校生・獅子神皓(佐藤 健)は、思うがままにその力を行使し始めます。自分の意に背く者を攻撃する獅子神が日本中を震撼させる中、彼に傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。意図せず強大なパワーを得た2人を待ち受ける壮絶な運命とは…!?

居場所がないジジィの哀愁を描くホームドラマからの奇想天外すぎるSF、という見事な落差が痛快。気付けば、音楽も映像もアメコミ映画に迫る壮大な世界観へと発展していて、ボー然です。 ”機械の体”の由来を含む墜落事故の真相は完全スルー、かつ犬屋敷&獅子神に至っては自身に起きた一大事にいともすんなりと対応している…、邪道ともいえるもろもろの潔さがこれまた見事(笑)。結果、ストーリーが煩雑にならず、出発点である”家族の物語”に感動的に帰結してる!

犬屋敷役の木梨憲武が演じる”初老の憂い”が絶妙な味わいでしたね。「生粋の俳優ではなく、意外性のある人を」という原作者のリクエストから、16年ぶりの映画主演となったノリさん。非情な家族と上司にウザがられ、捨て犬だけが心のよりどころのジジィが、正義と愛のために弱々しくも奮起する…。劇中ではお笑いを封印しているのに、シリアスな芝居にも潜在的な”おかしみ”がにじんでしまうという唯一無二の存在感です。老けメイクがね~、同情を誘うんですよ~。

初の悪役に挑んだ佐藤 健もそのマルチぶりを見せつけます。冷酷な大量殺人鬼×持ち前の身体能力の取り合わせが冴えまくって、悪役なのにホレてしまう。二階堂ふみ演じる同級生を助けようとするシーンなんかは、むしろ、あんたがヒーロー!ですもん。 複雑な家庭環境と母親への愛情により屈折してしまう獅子神の心が痛々しくて…。影があって色っぽいし、肉体美にもヨダレが…(失礼)。

見逃せないのは、新宿の上空250mを2人が音速で飛び回り、構造が謎すぎる体内から次々と武器を繰り出すクライマックスの決戦です。高層ビルの間をすり抜け、ヘリコプターを乗っ取り…、と、スリリングな描写の連続! アメリカの都市がめちゃくちゃになるシーンは見慣れてますけどね、我が国の顔・新宿が無残に破壊される映像は目新しくて焦っちゃうよー。その新宿崩壊シーンは、実際のロケ映像とCGを融合して細部まで再現しており、普段は見ることができないアングルからの眺めも見もの。

そしてもう一つ、「全身が機械化されているけど見た目は人間」という造形はさすがに実写では限界があるということで駆使された、デジタル・ヒューマン(スターの若かりし頃をCGで再現する、ハリウッドでおなじみの技術)の進化系テクにも注目。ノリさんの髪の毛1本までをデータ化して表現した、日本の実写映画では初の試みという”CG芝居”シーンを、目を皿にして探してください!

近年の日本映画の中では突出したオリジナリティと映像技術がパワフルで、鑑賞後にドッと疲れが…(笑)。続編もありそうなエンディングに、早くも期待大です。映像のガチ勝負ではハリウッドに一歩及ばなくても、ダメダメなジジィにヒーローを張らせて”わびさび”すら醸し出すユルさに「日本らしくて奥深い!」と膝を打ったのは私だけ? 和製ヒーロー映画の最前線として、世界に押したい1本です!【東海ウォーカー】

【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポップコーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(4月28日公開)のクレス・バング!(東海ウォーカー・おおまえ)

https://news.walkerplus.com/article/143317/

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