ハリセンボン・近藤春菜、「春菜会は全おごり」報道に見る“オンナ友達内の上下関係”


羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「おごってもらえるし」ハリセンボン・近藤春菜
『踊る!さんま御殿』(日本テレビ系、4月10日)

ハリセンボン・近藤春菜に年齢を尋ね、春菜が実年齢を答えると「平均寿命を超えてるね」と返し、春菜が「ブタじゃねーよ」と畳みかけるネタを見たことのある人は多いだろう。春菜と同じような体形でも、このようなネタを披露するオトコ芸人も、またこういったイジられ方をするオトコ芸人もいない。やはり、女性の容姿というのは、よくも悪くも男性の関心を引くものなのだろう。

スタイルが良くなかったり、顔のパーツが整っていない、はっきり言うと“ブス”を嫌うのは「男性である」と一般的に思われているのではないだろうか。バラエティでオンナ芸人をブスといじるのはオトコ芸人だし(オンナ芸人が、オトコを不細工いじりするのを私は見たことがない)、美人女優と結婚するオトコ芸人はいても、イケメン俳優と結婚するオンナ芸人がいないことは、「オトコのブス嫌い」を裏付ける証拠になり得る気はする。しかし、ブス扱いされているオンナ芸人も、恋愛や結婚をしていることから考えると、イケメン俳優ではないものの、彼女たちを好きになる男性はいると見ることもできるはずだ。

ブスを心の底から見下しているのは、実は女性なのではないかと私は思っている。

『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』という映画をご存じだろうか。高校時代のオンナ友達4人組の中で、一番太目で見た目の冴えない子の結婚が決まる。諸事情あって私生活が充実していない細身の3人娘は、激しく嫉妬。結婚式前夜、花嫁のサイズの大きいウェディングドレスで遊んでいた3人は、ドレスを破いてしまい、しまいには血液と精液で汚してしまう。明朝の結婚式までに、ドレスを直そうと、夜のニューヨークを走り回るというストーリーである。

コメディという触れ込みだったものの、私にはまったく笑えなかった。友達の結婚を喜べないという経験は誰にでもあるだろうし、無理に喜ぶ必要はないわけだが、友達の結婚がうれしくないのと、ドレスを破る、汚すのはまったく次元の違う話である。主人公は結婚が決まったからといってマウンティングをしたりしていない。にもかかわらず、3人娘たちが激しく嫉妬するのは、単に主人公を日頃から見下しているから。その理由は、主人公の外見が3人より劣る、つまりブスだからだろう。

これは創作の世界だけの話ではないと思う。昨年放送された『ボクらの時代』(フジテレビ系)に、ブルゾンちえみと女優・水川あさみ、桐谷美玲が出演した時のこと。3人はドラマ『人は見た目が100パーセント』(同)で共演してから“仲良し”というが、私にはそうは見えなかった。

この番組は、ゲストが会場に着席するところから始まる。しかし、さっさと席に座るのはブルゾンだけで、水川と桐谷は腕を組んで、彼女を見てクスクス笑っていた。ブルゾンは「いつものけ者にする」と言っていたけれど、それが“仲良し”のすることなのか、疑問である。

鼎談中も熱く語るブルゾンに対して、水川・桐谷は「ふーん」という興味なさそうに相槌をするばかり。また水川は、桐谷を「美玲ちゃん」と呼んでいる一方、なぜかブルゾンは呼び捨てである。女優の後輩はちゃん付けで、お笑い芸人は呼び捨て。これって、やはりブルゾンを見下しているということではないだろうか。

春菜も、周囲の女性から見下されているのではと感じる芸人の1人だ。春菜は「春菜会」と称して、芸人以外の芸能人、女優やミュージシャンとつるんでいることを公言している。吉高由里子、Perfume・あ~ちゃん、時に安室奈美恵が参加したこともあるというから驚きだが、「女性自身」(光文社)は、「近藤春菜が女芸人から総スカン状態」と報じた。記事によると、春菜は「春菜会」を重んじるあまり、オンナ芸人とのつきあいを軽視して、オアシズ・大久保佳代子や森三中から不快感を持たれているという。しかし、オンナ芸人たちはただ春菜を嫌っているのではなく、「春菜会」が春菜の全おごりで成り立っているため、参加者に利用されていないか、女優の引き立て役になっていないか心配する気持ちがあるようだと記事は結んでいる。

「春菜会」に参加しないかぎり、本当のことはわかるわけはないが、“全おごり”に引っかかるものがある。お笑いの世界は、たとえ売れていなくて先輩が後輩におごる仕組みになっているそうで、先輩はおごることで上下関係をはっきりさせることができ、後輩にとっては自分を売り込んで仕事のチャンスにつなげることができるため、双方にメリットがあるのだ。

けれど、「春菜会」に参加しているメンバーは、それぞれの分野で活躍しており、経済的にも恵まれているはずである。それなら、割り勘でいいのではないか?

おごるという行為は、経済的な強者がすることがほとんどだが、関係性が平等でないゆえに補填する意味合いもある。具体例でいうと、客が交際していない、お気に入りのキャバ嬢を食事に誘う時、ワリカンにする可能性は低いだろう。キャバ嬢に「食事に来てもらう」ためにカネを払うのだ。

4月10日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演した春菜は、美人のトクな部分を「おごってもらえるし」と発言していた。春菜自身に「美人に会へ来てもらっている」という意識があるのではないか。カネを払うというのは、相手に価値があると認めるに等しい行為でもある。割り勘を提案しても「春菜会」が続くのかが気になるところである。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

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