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平成30年度税制改正の中で最も大きな改正となった「収益認識の基準」

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平成30年度改正においては、収益認識に関して大きな改正が実現します。収益認識とは、収益をいつ、そしていくらで認識するかの基準をいいます。この基準については、従来は法律にはなく、通達という国税の内規で決まっていましたが、それを明確に法律に規定することになったのです。
今まで不明確だったものが明確になった、というのであれば、実務の取扱いは大きく変わらないという意見もありますが、ここで重要なのは収益として認識すべき金額が大きく変わる可能性があるということです。


■債務確定基準

具体的には、値引きや割戻しについて、客観的に見積もられた金額を控除できる、とされていることです。この記述が大きな意味を持つのは、法人税においては債務確定基準という考え方が大原則であるからです。

債務確定基準とは、具体的に支払うべき金額が確定した費用だけが法人税の経費として認められるという基準をいいます。支払うべき金額が確定している必要がありますので、見積もられた金額は経費として当然に認められないことになっています。

このような基準が採用されているのは、見積もった金額を法人税の経費としてしまうと、納税者によって基準がバラバラになり、公平さが保てないからです。しかし、平成30年度改正では客観的に見積もった値引きや割戻しを収益から控除できるとしている訳で、従来の考え方とは大きな矛盾があります。

■改正の趣旨

この改正ですが、その趣旨は会計基準の変更にあると言われています。この会計基準に合わせる形で法人税も変えたと考えられますが、大企業は別にして、中小企業は会計基準をそのまま適用しない場合も多いため、債務確定基準と矛盾する形で法人税を改正する意味があるのか、大いに疑問があります。

■実務への活かし方

この改正ですが、実際の法律の条文はまだ明らかでないため、具体的にどうなるか読めない部分もあります。仮にこの情報の通りの法律改正が実現したとしての話ですが、客観的な金額など誰にも分かりませんので、かなり大胆に値引きや割戻しを見積もったとしても、国税としてはどうしようもないと考えられます。結果として、貴重な税収がまた大きく下がるというのは皮肉な限りと考えます。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。


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