リアルより危険! ネット上での「セクハラ疑惑」を回避するには?

editeur

2018/4/12 12:00

■今回のアドバイザー
グラディアトル法律事務所大阪オフィス代表 弁護士
刈谷龍太さん


1983年千葉県生まれ。中央大学法科大学院修了。弁護士登録後、都内で研鑽を積み2014年に新宿で弁護士法人グラディアトル法律事務所を創立。代表弁護士として日々の業務に勤しむほか、メディア出演やコラムの執筆などをおこなう。男女トラブル、労働事件、ネットトラブルなどの依頼のほか、企業法務においても顕著な活躍。アクティブな性格で事務所を引っ張り、依頼者や事件に合わせた解決や提案力などに力がある。

具体的な言動のほか、しつこい誘いもネット上でのセクハラ行為の対象に


まずは、SNSやメッセンジャーサービス上で起こりうるセクハラの事例を整理しよう。刈谷弁護士によれば、具体的な発言だけだけがセクハラとみなされるわけではないという。

刈谷さん「メールやLINE、またはFacebookといったSNSなど、ネット上のやり取りを通じ、特定の相手に対して性的な意図を込めたメッセージを送るのが、ネットセクハラの主な事例といえます。

しかし、LINEグループ内での性的な発言などのように、特定の相手に向けたものではない場合でも間接的なセクハラ行為とみなされることがある点には注意が必要。さらに、メッセージの内容だけではなく、しつこくメッセージを送ったり、拒否されているのに友達申請を送り続けたりすることも、セクハラとみなされる可能性があります。つまり、仮に性的意図がなかったとしても、受け取り手が不快だと感じた時点で、セクハラになる可能性があるわけです」

「バナナ食べる?」のメッセージだけでセクハラ認定も。ボーダーラインはどこに?


最近ではネット上でのセクハラ疑惑が深刻化し、裁判にまで発展する場合も少なくない。刈谷弁護士によれば、リアルなコミュニケーションに比べ、ネット上でのコミュニケーションのほうが、セクハラ疑惑に対し神経質に考える必要があるという。

刈谷さん「ネット上でのセクハラで、もっとも注意すべきなのが、テキストや画像がセクハラの証拠としてネット上に残ってしまう点でしょう。

裁判でセクハラか否かを判断する場合には、メッセージや投稿がセクハラに当たるかどうかを、職場環境や前後のやり取りなどから、客観的に検証していきます。極端な例だと、『バナナ食べる?』というメッセージもセクハラになるケースがありました。通常であれば、なんの意図もないはずのメッセージですが、話の流れによっては、バナナはエッチなものと考え、不快に感じる人もいることを、忘れてはいけません。

このようにネット上でのセクハラのボーターラインはあいまいで、受け取り手によって判断が変わります。その気がなくても、たった一通のくだらない下ネタによって、セクハラを疑われることがあるかもしれません。リアルなコミュニケーションよりも気軽に大胆な発言ができる分だけ、言動には十分注意すべきなのです」

セクハラの意図がないことを示す「痕跡」がネット上では重要


最後に、ネット上でのコミュニケーションでセクハラ疑惑を回避するためのポイントを聞いた。

刈谷さん「ガードをしっかりするという観点で言えば、私信を送らないというのが、セクハラ疑惑を避ける最善策ですが、それではコミュニケーションを取ることすらできなくなってしまいますよね。

次善策として、コミュニケーションを取る際に、後でセクハラの意図がなかったことを証明できる「痕跡」を残しておくことをオススメします。たとえば、性的な発言と勘違いされるかもしれないと思った場合には、文末に(笑)を付け足したり、表現を和らげるスタンプや絵文字を付加したりすれば、客観的に見て冗談の範囲と認めてもらえる可能性が高まります。

そもそも論として心得ておいてほしいのが、ネット上でのコミュニケーションでは、表情や声などで自分のジャン場を伝えることができない点。対面でのコミュニケーションならジョークで済む範疇でも、テキストだけのコミュニケーションでは相手に意図が正しく伝わらず誤解されてしまうことが多いのです。特に男性は、気軽なジョークとして下ネタを用いがちですが、ネット上でのコミュニケーションでは、下ネタは一切NGと考えるぐらいでちょうどよいと思いますね」

最後にアドバイザーからひと言


「自分の伝えたかったことが、そのまま相手に伝わることはないことを自覚し、文字上のやり取りの中でも空気を読み、気配りをしてください。そうすることによって、大部分のネットセクハラが防げるのではないでしょうか」

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