『LIFE!―』総合演出が明かす“笑いを生む5つの要素”映らないトイレや玄関の位置まで考えセット設計

ザテレビジョン

2018/4/12 11:00

4月から新シリーズがスタートし、番組開始6年目に突入した内村光良のコントバラエティー「LIFE! ~人生に捧げるコント~」(次回は4月13日金曜夜10;00-10:45※以降不定期放送、NHK総合)。昨年末放送された「第68回NHK紅白歌合戦」(NHK総合)では番組キャラクターの“NHKゼネラル・エグゼクティブ・プレミアム・マーベラス・ディレクター”の三津谷寛治氏が紅白スーパーバイザーに就任し、大暴れしたことも記憶に新しい。

「LIFE!―」の笑いはどうやって生み出されているのか。総合演出を手掛ける西川毅氏への取材から、笑いを生む“5つの要素”が見えてきた。

■ 1:内村光良という絶対的な存在

番組の根幹になるのは、やはりこの人。座長・内村光良だ。

「内村さんは、昔から得意なデフォルメしたキャラを作ったり、子供たちが飛び付くようなフレーズや動きを見つける能力が天才的。

こけるだけで笑いが取れるのもスゴイ。『物のように倒れる』とおっしゃるのですが、このような笑いをつくれるのも高い身体能力があるからこそ。本当にいろんな能力を素晴らしいバランスで備えていらっしゃるコメディアンです。

そして、言葉で笑いを取るだけでなく、夫婦の機微や哀愁を表現する高い演技力も。『LIFE!―』は内村さんの魅力が凝縮された番組です」(西川氏)

■ 2:練りに練る台本

コントというと即興性が高いようにも思われるが、ベースとなる台本はきっちりと作っている。西川氏によると、「LIFE!―」には4人の作家がメーンで携わるが、コントを7本出して採用されるのは1本あるかないか、という厳しさだという。

「最初に2行ほどの内容を書いてきてもらい、それを質問しながら、展開を組んでいきます。大体5分間のコントで1800文字、7分間で2200文字必要となってくるのですが、その分量をこの設定で展開できるか、映像にしたときに面白いのかなどが吟味されます。

そしてOKになったら、配役を考えて台本に。その後も何度も書き直しをして完成。忙しい合間を縫って覚えていただくセリフなので、ベストを尽くします」(西川氏)

■ 3:芸人と俳優の化学反応

「LIFE!―」には、毎回ゲストとして俳優・女優が登場する。4月13日放送回では、木村佳乃、塚本高史、井上芳雄、中村倫也、石橋杏奈、西田尚美らが出演。

「芸人さんは言葉に対してボケていくことで笑いを取ることが多く、俳優さんは葛藤や哀愁などを表現して笑いを生む、という感情の笑いに気付かされたんです。

『LIFE!―』は芸人さんと俳優さんの混合チームで両方がミックスした笑いをつくり上げています。メンバーも固定化するのではなく、コメディーを楽しんでもらえる方と一緒にやれる場でありたいと思い、ゲスト方式に。

内村さんと誰が組んだら面白いのかを考えて台本の段階でオファーし、一本は内村さんと、もう一本はその方の個性を生かしたコントをつくっています」(西川氏)

■ 4:こだわり抜いたセット

コントという“ウソ”の世界だからこそ、セットのリアリティーにはとことんこだわる。技術面からも、セットの作り込みは必須事項。

「LIFE!―」は、出演者の細かい表情を捉えるためマルチアングルで撮影し、微調整も欠かさない。そうした多方向からの撮影に耐えるよう、セットも細部まで一切手を抜かない。

「店だと場所や価格帯なども考えてそれに合ったセットにするなど、コントの世界がウソっぽく見えないように気を付けています。

中でも難しいのが道で、都合よく作ってしまうとリアリティーがなくなってしまうことも…。キャラクターはどこから来てどこに向かって行くのか、彼にとってなじみの道なのかなど気を付けています。

また家も同じで、一部分しか作らないためどっちでもいいと思われがちですが、映らないトイレや玄関の位置も考えて設計します。このリアリティーがコントのウソを成立させるための大事な要素だと思います」(西川氏)

■ 5:キャラクターの明確なバックボーン

三津谷寛治氏をはじめ、ムロツヨシの追っかけ・黄金原聡子(シソンヌじろう)、イカでも人間でもない生命体・イカ大王(塚地武雅)など名物キャラクターが番組を彩る。そんなキャラクターづくりにもこだわりが。

「セット同様、台本には書かれていない外側にあることを大事にしています。

内村さん演じる“女マン”は、女友達をつくって女子会を開きたいという夢があります。この設定がハッキリしているため、アドリブもキャラから逸脱せずにリアルになり笑いが起きます。

また“三津谷寛治”はこれまでドキュメンタリーをつくってきて高尚な賞を何度も取っている人。その設定があるため、彼の部屋は世界ドキュメンタリー大賞の賞状がズラリと並んでいます。

このような設定を常に伝えることはないですが、内村さんも聞きにいらしたり、提案をしてくださったりします」(西川氏)

以上5つの要素が融合し、徹底的に練られた現場から生み出される純度の高い笑いが「LIFE!―」の真骨頂なのだ。(ザテレビジョン・取材・文=玉置晴子)

https://news.walkerplus.com/article/143206/

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