意識して「脳」を休ませていますか?

TABILABO

2018/4/12 06:00


皆さんは「体に疲れが溜まってきたな」と思った時、どんな行動をとりますか?

ゴロゴロする

お風呂にゆっくりつかる

マッサージへ行く

……こうした自分なりのリラックス方法で休息すれば、体の疲れは取れるかもしれません。しかし「脳がしっかり休めている…とは言えない」、こう唱えるのは、テレビでもおなじみ脳科学者の茂木健一郎さん。近著『脳を使った休息術』(総合法令出版)で「疲れを解消するためには、脳を意識的に休ませる必要がある」と。

ここでは「茂木式・脳の休息方法」を紹介します。普段から「疲労が抜けない」と感じている人、参考にしてみては?

「集中」と「リラックス」
両者のメリハリがカギ



「ただただ、ボーッとした時間を過ごす」

こんなことを聞くと「やる気がない」「時間がもったいない」などと考えるビジネスパーソンが多いことでしょう。ところが、近年の脳科学の研究結果を見ると「ぼんやりと過ごす」ことがいかに重要であるのかが分かってくるのです。

「ただただ、ボーッとした時間を過ごす」と脳は何も考えず、休息します。その間に一時的に集約された情報や記憶を整理し、次の行動に備えるのです。つまり、人間には「ボーッと過ごす時間」が大切であり、必要なこと。脳を休ませてアイドリングさせる時間がなければ、クリエイティブなことは思いつかないといっても過言ではありません。

ボーッとするということは、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク」(脳の別の領域同士が同期して、協調して活動、1つの機能を果たしていること)を働かせることにもなります。これまで思いつかなかったような「ひらめき」も生まれやすくなるでしょう。

ひらめきに大切なのは「集中とリラックス」のバランス。ひらめきやアイデアは、基本的に脳がリラックスしてアイドリングしている状態でなければ、生まれにくいと言われています。

たとえば、何時間も考えぬいた末に疲れ果て、お風呂につかった瞬間「ひらめいた!」という経験をした人もいることでしょう。これがまさに「ただただ、ボーッと過ごす」ことの効果です。

ここで注意しなければならないのは、集中、リラックス、集中、リラックス……というメリハリのあるサイクルを意識するということ。ただ何もしない時間を作るだけでは意味がありません。

人と会うことでも脳は休まる!



一流のクリエイターやミュージシャンというのは、ときに「孤独との戦い」に身を置かなければなりません。このように「一人でいるときに自分を追い込む」=「脳を酷使している」ような状態の時、どのように脳を休ませれば良いのでしょうか。

私が導き出した答えは、「人に会う」ということ。つまり、脳を休ませるために、人をうまく利用するのです。

自分一人で仕事をこなすのは確かに効率がいいかもしれませんが、脳を休ませる観点からいえば「なかなか難しい」と言わざるを得ません。

確かに、意図的に隙間時間を作り出して人と会ったりすると、仕事のペースが落ちることになります。作業に追われているときに人と会って会食するとなると「面倒くさいな」と思うこともあるでしょう。

ですが、こうした考え方こそが、脳を休ませられない要因となっているのです。あえて人と会うことで、仕事のリズムを変え、脳を休ませてあげる……。そしてその後に仕事へ戻ったほうが、圧倒的にパフォーマンスの高い仕事をこなせるはず。

人との付き合いや人間関係が苦手な人は、できるだけ「人と関わらない時間を過ごしたい」と思うかもしれません。しかしそこは逆転の発想で、ぜひともこの方法を試してほしいです。

ただし「人と会って脳を休ませる」には、じつはちょっとしたコツがあるので覚えておいてください。それは、会話にいっさいの目的を持たずに、ただただ「ふわ~っとした時間を過ごす」ということ。そこで自分を開放してあげるのです。私はこれを「脱抑制の創造的ミーティング」と呼んでいます。

成功を手にしている多くのビジネスパーソンや一流のアーティストなどは、人と会うことによって上手に自分を開放できる人です。まずは、そうしたロールモデルが存在していて、そういう人たちこそが、結果を出し続けている……ということを念頭において行動してみましょう。

目の前の課題とは、
まったく関係のないことを考える



脳を休めている最中、あるもの(ドット)と、まったく違う別のあるもの(ドット)が結びついて、ひらめきが浮かんだ……ということがありませんか? この結びつきによるひらめきは、無意識のなかでいつ起こるかわからないものです。もちろん、ひらめきが起こるタイミングを抑制することもできません。

しかし、受け入れる準備はできます。さまざまなドットの基礎となる「素材」を無意識の中に投げ込むのです。こうしたドットとドットを結びつけようとする能力を「マインド・ワンダリング」といいます。

マインド・ワンダリングとは、目の前の課題とまったく関係のないことを考えている状態のこと。つまり、ぼんやりと脈略もなく、さまざまなことに思いを馳せるマインド・ワンダリングという脳活動をすることが、結果として脳を休めることにもなり、多くのひらめきをもたらすことにつながっていくわけです。


『脳を使った休息術』著:茂木健一郎(総合法令出版)

「最近疲れが取れない」と考える人は脳疲労が蓄積しているかもしれません。脳科学者である著者が「仕事のパフォーマンスアップ、ストレス解消、疲労の軽減には、体の疲れを取るだけではなく脳を休ませることが大切」と訴える本書。疲労が溜まった脳をどうやって休ませるのか? その考え方やノウハウがまとめられています。

あなたにおすすめ

すべての人にインターネット
関連サービス