フジテレビ完全復活か…月9に続き『シグナル』もクソ面白い!今期の連ドラ傑作連発!


 今クールの連続テレビドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班 』(関西テレビ制作、フジテレビ系放送)第1話が10日、放送された。

主人公の三枝健人(坂口健太郎)は15年前の幼少期、女児が若い女性に誘拐される現場を目撃していた。健人は警察に「犯人は女性」と訴えるが、当時捜査を担当していた城西警察署の中本慎之助(渡部篤郎)と岩田一夫(甲本雅裕)は、ある男性を犯人と断定し捜査を進め、未解決のままとなっていた。

そして15年後、交番勤務の巡査となっていた坂口は、その誘拐事件の時効直前を迎えたある日、城西警察署を出たところで、電池の入っていない廃棄予定の無線機から「三枝“警部補”」「谷原記念病院に来ています」「彼(=警察に犯人と決めつけられた男性)は利用されて殺された。誘拐の真犯人は別にいます」と呼びかけられる。その声の主はなんと、15年前の事件を担当していた大山剛志(北村一輝)なのだが、三枝はなんのことか、さっぱりわからない。不審に思いながらも三枝は、すでに閉鎖されている谷原記念病院に行き、建物に侵入すると、裏庭で白骨化した死体を見つけ、それが誘拐事件の犯人とされていた男性であることが判明する。

そして時効成立前日、今では警視庁刑事部長に出世した中本は、被疑者が自殺したと発表するも、真犯人はほかにいると確信する三枝は、中本の会見直後に大勢の報道陣の前で「自殺ではない」と叫び、城西警察署はパニックに。三枝は、タイムリミットが迫るなか、先輩刑事の桜井美咲(吉瀬美智子)や山田勉(木村祐一)、そして当時の捜査に疑問を感じていた岩田らとともに捜査を進め、時効成立1時間40分前に、犯人とおぼしき女性を任意で事情聴取に引っ張る。

だが、その取り調べ中に三枝は、実はすべて真犯人の罠であり、事情聴取中の女性が怪しいと警察に通報した看護師・吉本圭子(長谷川京子)こそが真犯人だと突き止める。城西警察署の前で女性は身柄を開放され、マスコミと聴衆が大挙して押し寄せるなか、自己顕示欲の強い吉本はリスクを犯してまでこの群衆の中にいると、三枝は確信。そしてついに三枝は吉本の姿を見つけるも、マスコミに囲まれて身動きが取れない。車を運転し、その場から離れようとする吉本――。報道陣を振り切って三枝は走って追いかけるが、間に合わない。しかし間一髪、その車を身を挺して桜井が止め、吉本の身柄を確保するところまでが、第1話で放送された。

●良質なサスペンスドラマ

冒頭の20分ほど、三枝がマスコミの記者や桜井、山田を相手にプロファイリングの腕を披露したり、過去の誘拐事件の回想シーンなどが流されるのだが、淀んで緊張感のないグダグダなシーンが続き、「駄作だな……。そろそろ見るのをやめようかな」と迷っていたところ、前述の無線機から大山の声が聞こえる場面を境に、急にドラマに引き込まれる。

そして、三枝が病院の裏庭で死体を見つけてから突然スリリングな展開となり、犯人だと思い込んでいた女性がラスト直前で実は犯人ではなく、真犯人である吉本が警察を“嵌めた”罠だと判明し、ギリギリのところで吉本を捕まえるまでの約50分ほど、まったく息つく暇もない。

さらに、大山はいったい何者で、なぜ無線機を介して三枝に語りかけ死体の場所へ導いたのか、そもそも大山は今も実在するのか、大山と桜井の関係は? などなど、謎は残ったまま。サスペンス要素も満載で、放送終了直後から次回放送が気になって仕方ない。終わってみれば、ドラマとしては素晴らしく良質なサスペンスドラマに仕上がっていて、まさに傑作と評価したい。それゆえ、冒頭の20分があまりに間延びしてしまっており、その間に多くの視聴者が離れてしまったとすれば、このドラマの唯一の落ち度といえよう。

それにしても、ここ数年は連ドラの視聴率低迷が叫ばれているフジだが(本作の制作は関西テレビ)、前日放送された『コンフィデンスマンJP』もインターネット上で「面白い」と絶賛の声が続出するほど高評価を得ており、なぜ突然に2作連続で傑作が生まれたのか、不思議といえば不思議である。

もしかしたら、崖っぷちに追い込まれたフジの復活劇が、いよいよ今クールから始まるのでは――。そんな期待を抱かせる『シグナル』であった。
(文=米倉奈津子/ライター)

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