フジ月9『コンフィデンスマンJP』がユルすぎ? 視聴率は一桁発信、初回満足度が微妙!

wezzy

2018/4/10 22:15


 長澤まさみ(30)主演の月9枠放送コメディドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)が4月9日にスタートした。初回は90分拡大の特別版で気合の入りようが伺えたが、平均視聴率は9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。この数字をどう捉えるかは意見のわかれるところだろう。全話平均視聴率が6.1%でフジ月9枠の史上最低視聴率を更新することとなった前クール作『海月姫』の初回視聴率は8.6%であった。単話での月9史上最低視聴率はそのひとつ前クール作『民衆の敵』最終回の4.6%。

2017年1月クールの『突然ですが、明日結婚します』以降、ヒットシリーズの『コード・ブルー』を除いて月9枠は全作品が全話平均視聴率一桁台に終わっている。7月に映画公開予定の『コード・ブルー』同様、『コンフィデンスマンJP』もすでに映画製作が決定しており、是が非でもここから数字を上げていきたいところだろう。ドラマ自体は昨年11月にクランクインし、3月末にすべて撮り終えている。

さて、では『コンフィデンスマンJP』肝心の内容についてはどうだったかというと、これもまた見方はまっぷたつだ。ひとつは、あまりに荒唐無稽で説得力に欠け、コン・ゲームとしての魅力が薄いという「期待はずれ」だったというマイナスの感想。一方で、逆にそのユルさが肩の力を抜いて見られるから良いというプラスの感想も多い。長澤まさみ・東出昌大(30)・小日向文世(64)演じる三人の詐欺師が、巨悪に頭脳戦を仕掛けて大金を騙し取り、おまけに巨悪に苦しめられていた人にも金を分配して救うという“ねずみ小僧”的な展開でもあったが、筆者もイチ視聴者としてはもっと上手に騙して欲しかった……と残念な気持ちが少なからずある。

長澤が演じる“ダー子”は美貌の女性だが色仕掛けが絶望的にヘタくそ(いわく、ターゲットはエロババアに迫られてるように感じて逃げてしまう)、しかし口は達者で、大胆な作戦を実行する行動力にも長け、なによりターゲットに近付くため猛勉強しすぐさまCA試験に合格するなど驚異的な努力家である。長澤が演じるからこそのチャーミングな年齢不詳の女詐欺師がそこにいる。東出は、幼少期からダー子にいじめ(いじり)抜かれた下僕体質の“ボクちゃん”。気弱で真面目(詐欺師なのに)で翻弄されやすく、憎めないタイプの可愛い男だ。身寄りのない二人の親代わりで変装の達人である上品なおじさん詐欺師“リチャード”は名バイプレイヤーの小日向が演じるとあって安定感抜群。いずれの配役もぴったりで、演者たちに文句はない。

第一話「ゴッドファーザー編」のターゲット・江口洋介は裏社会のボスであり、裏金を海外に移送しようという計画の隙をついてダー子たちは大金を奪おうとする。結末をバラすと、ボスが金を運ぶべく乗った航空機はダー子たちがチャーターしたもの、空港そのものが偽モノ、空港職員やマルサを演じた関係者のほとんどがダー子に雇われた劇団員という壮大な仕掛けで、ボスは部下たちの前で本性をさらしてしまう。ダー子らの大勝利(ただし劇団員へのギャラや経費で奪った金のほとんどは消えるのでアガリはない)で終わるのだが、「こんなに簡単に裏社会のボスが騙されちゃうの?」という肩透かし感は否めなかった。

映画『スティング』のオマージュや『マルサの女』のパロディ、そして『ゴッドファーザー』などなど、笑えて頷ける要素は盛りだくさんのはずだし、一話につき映画相当の制作費を費やしたスケールの大きさだというから、面白くないわけがないのだが、どこか物足りなさを感じるのはなぜか。

たとえば、ボクちゃんが航空会社の御曹司だと信じさせるため社長の愛犬を散歩するところを偶然ボスの部下たちに見せつけるとか、ボスが旅客機から落とされた複数のスーツケース(=大金)を追いかけてスカイダイビングしたとき数分間隔があいているにもかかわらずケースの付近に無事着地しているとか、架空の空港にボス一味を案内して旅客機に搭乗させているが「そんな空港あるっけ?」と最後までボス一味の誰も気付かず信用してしまっていることなど、いちいちツッコんでいたら疲れてしまう。

ダー子かボクちゃんのどちらかがボスから完全な信用を勝ち取っているならばまだしも、そもそもボスは誰のことも信用しておらず、裏金移送計画の仲間に勧誘したダー子とボクちゃんを一応は「ファミリー」と呼びながらも、疑いの目は最後まで持ち続けていたはず。にもかかわらずボスが自分で裏取りをしていない上京は不思議で仕方がなかったのだ。予想していたよりも雑で大味なつくりに感じた。

とはいえ、「いちいちツッコんでいたら疲れてしまう」し、逆に言えばユルさを楽しむ見方も出来る。たとえば前クールの木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)は、全話二桁視聴率を獲得しヒット作と評価されたが、脚本や演出にツッコミどころは多く、登場人物の動きに対して「なぜそんな行動を!?」とツッコミ疲れてしまうところもあった。しかし整合性がとれなくてもそれはそれでいいのだ、ということを『BG~身辺警護人~』には教えてもらった。

また、『コンフィデンスマンJP』は一話完結の事件モノという昨今人気のかたちをとっているが、各詐欺事件の時系列はバラバラであり、それぞれの事件がまとまるまでにかかる時間も短期間ではない。連続してみていくうちに、「あれとこれがつながった!」「あれはこの伏線だったのか!」とカタルシスを得ることも出来るかもしれない。第二話の悪役(敵)ゲストは吉瀬美智子(カジノ計画参入を目論むリゾート開発会社社長)で、その後も、石黒賢(悪徳美術商)、佐野史郎(食品偽装)、かたせ梨乃(病院理事長)、内村光良(悪徳コンサルタント)と多彩なゲストが登場していく。第二話以降もユル~く楽しめるのか、はたまた一瞬でも目を離すと後悔する展開になるのか。現時点ではまだわからないが、とりあえずダー子の策士ぶりをもっと見たい。

(清水美早紀)

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