思い出のキス #06 「行ってきます、の」

TABILABO

2018/4/10 19:00



誰にだってある。思い出すと、ほのぼのしたり、なんだか恥ずかしくなったり、切なくなったり、涙がこぼれそうになったり。そういう特別な気持ちが心に生まれるキスのエピソードを、みなさまにお届けしていきます。

#06 「行ってきます、の」



彼の家にお泊まりした翌朝の出来事。

パタパタと出かける準備をして、先に家を出ようとしたら、まだベッドにいた彼が、まるで小さい子どもみたいに駄々をこねはじめた。


「ねえ、行ってきますのハグはー!行ってきますのチューはー!ねえねえー」


「しょうがないなあ」と思いながら、チュッと軽いキスをした。だけど、そのまま彼がぐるっと首に手を回してきて、もっとキスをおねだりしてきた。

わたしは本当にはやく行かなきゃいけなかったから、「むりだよ~」と言って、手をほどこうとするんだけど、できない。無理やりベッドを離れるという強硬手段に出たら、そのまま彼も一緒にズルズル引きずられてきた。

なんかもうおかしくて、笑えてきちゃったわたしは、彼の要望に答えて、もう一度だけ、キスをした。


「ありがと。じゃ、行ってらっしゃい!」


ようやく満足したのか、彼はニヤッと微笑んで、やっと手をほどいてくれた。

ちょっとわがままだなーと思うところもあるけど、わたしは彼のそういうところが大好きなんだよなあ。

協力:Y.Fさん(19歳、大学生)

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