2018年春アニメは「監督の個性」に注目! アニメライターが選ぶオススメ8作品

ウレぴあ総研

2018/4/3 11:40

来月からは、いよいよ春の新アニメが一斉にスタート! 名作、良作が数多く世に生まれた冬期に続き、春作品も期待値の高い作品が揃っています。

そうした作品から観たいアニメを選ぶ際、色々な判断基準があるかと思いますが、今回、筆者が注目したいポイントが監督のお名前です。

人気漫画のアニメ化に挑むベテランクリエイターの作品や、有名監督が手掛けるオリジナル作、職人気質な仕事ぶりが光るアニメ監督の新作まで、2018年の春アニメは、その豊かな作品性に比例するように、各作品毎の監督の顔ぶれもバラエティに富んでいるのです。

そこで、今回は、筆者がプッシュする8作品を各監督毎の作風と併せてご紹介したいと思います!

■難波日登志 監督の『ゴールデンカムイ』

監督/難波日登志、シリーズ構成/高木登、キャラクターデザイン/大貫健一

アニメ界のベテランクリエイターである難波日登志監督がこの春に送る新作が『ゴールデンカムイ』です。

巨額の埋蔵金を巡って、明治時代末期の北海道を舞台に個性的(過ぎる)登場人物たちがサバイバル戦を繰り広げる人気漫画をアニメ化した作品で、制作は、ジェノスタジオが担当しています。

近年は、人気スマホゲームをアニメ化した『Fate/Grand Order -First Order-』に、HoneyWorksの楽曲から派生したメディアミックス企画の『いつだって僕らの恋は10センチだった。』と、"ユースカルチャー"なアニメ作品で監督・総監督を務めてきた難波監督。

それらの仕事に加えて、"三條なみみ"名義での各作品への絵コンテ参加など、若々しく、精力的な創作活動で知られる同監督によるテレビシリーズということで、否が応でも期待が高まります。

唯一、気になるのは、お下劣な描写が多い原作をアニメでどこまで表現できるのかなのですが……そこは、かつて、お下品ギャグとお色気ネタ連発(でも、少年漫画として最高におもしろい!)な『ジャングルの王者ターちゃん』をゴールデンタイムで見事に映像化した経験もある難波監督。過激な表現でも真摯な作品作りへと落とし込む、その手腕を本作でも発揮してくれると思います。

■渡辺歩 監督の『グラゼニ』

監督/渡辺歩、シリーズ構成/高屋敷英夫、キャラクターデザイン/大貫健一

『週刊モーニング』で連載中の『グラゼニ』は、野球選手のお金にまつわる悲喜こもごもなエピソードを中心にして、プロ野球のシビアな世界を描く異色のスポーツ漫画。

アニメ版の監督を務めるのは、『ドラえもん』での仕事の数々や、『謎の彼女X』『宇宙兄弟』といった監督作の数々でアニメファンに知られる渡辺歩さんです。

冬期アニメでは、『恋は雨上がりのように』で、ウェルメイドかつ贅沢なアニメーションでファンを魅了した渡辺監督が、『グラゼニ』の世界をどう描くのか?

同監督とスポーツという組み合わせも実に新鮮で、とても興味を惹かれます。

本年度の渡辺監督は、『恋は雨上がりのように』に続く『グラゼニ』と並行して、『メジャーセカンド』の監督も兼任しており、その旺盛な仕事ぶりが本作にどのような影響を与えるのかも大いに気になるところ。

ちなみに、『グラゼニ』の主人公である凡田夏之介が所属するプロ野球チーム「神宮スパイダース」は、昨年、断トツの最下位でシーズンを終えた東京ヤクルトスワローズがモデルであり、スワローズファンの筆者としては、同チームの再起と共に、本作のヒットを……いや、"特大ホームラン級のヒット"を心より願っております。

■平池芳正 監督の『ヲタクに恋は難しい』

監督・シリーズ構成/平池芳正、キャラクターデザイン/安田京弘

春アニメの「ノイタミナ枠」である『ヲタクに恋は難しい』は、同枠での監督作は初となる平池芳正さんが手掛ける作品。

佐藤順一監督作への参加で実績を残し、『カレイドスター』で監督デビューを果たした後は、『SoltyRei』や『AKB0048』のようなSFアクション、自然主義的なユーモアが光る日常コメディの『スケッチブック ~full color's~』、更には、『WORKING!!』『アマガミSS』といったラブコメまで、様々なジャンルを行き来しながら多様性のある作品を世に送り出してきた平池さん。

そのいずれもが安定感のある良作ばかりで、その職人肌かつ堅実な仕事ぶりに信頼の置けるアニメ作家のひとりです。

また、平池さんの作風で特別すべきポイントが、演出家出身のアニメ監督でありながら、脚本家としてシナリオも執筆している点です。

監督作で、シリーズ構成を務めることも多く、2014年に放映された『繰繰れ! コックリさん』では、監督と兼任する形で1クール、30分アニメの全話脚本を担当するという偉業も成し遂げています。

今回の『ヲタクに恋は難しい』でも、シリーズ構成としてクレジットされている平池さん。物語のハンドルの握り方にも注目していただければと思います。

■山崎みつえ 監督の『多田くんは恋をしない』

監督/山崎みつえ、シリーズ構成・脚本/中村能子、キャラクターデザイン/ 谷口淳一郎

2014年に放映されるやいなや、その秀逸なラブ"コメディ"で、視聴者を抱腹絶倒の渦に巻き込んだ名作アニメ『月刊少女野崎くん』。その制作チームが再集結し、世に送り出されるオリジナルアニメが『多田くんは恋をしない』です。

山崎みつえさんは、『月刊少女野崎くん』以降、コンテや演出を手掛けていたものの、アレだけの大ヒット作を生み出していながら監督作がほとんどなかった為、『マジきゅんっ! ルネッサンス』(2016年)を挟んでの監督としての再登板は、ファンにとっても待ちに待った吉報になったかと思います。

スタッフクレジットを見てみれば、藤原佳幸さん(『GJ部』『未確認で進行形』『NEW GAME!』監督)が副監督として参加している点も要注目で、このお二方がどのようにオリジナルの物語を作り上げていくのか、とても楽しみです。

■及川啓 監督の『ヒナまつり』

監督/及川啓、シリーズ構成/大知慶一郎、キャラクターデザイン/神本兼利

エンターブレイン発行の『ハルタ』連載作をfeel.制作によりアニメ化。監督は、アニメーター出身で、後にコンテや演出を手掛け、『みなみけ おかえり』(2009年)以降は監督しても活躍する及川啓さん。

及川さんは、この春『ヒナまつり』と『ウマ娘 プリティーダービー』の2作品で監督を担当されていますが、過去作である『この美術部には問題がある!』でのポップで明るいコメディが好きだった筆者としては、SFギャグ漫画が原作となっている『ヒナまつり』をプッシュしたいと思います。

『この美術部には問題がある!』では、そのエピソードの大部分で自ら絵コンテを担当するなど、画面作りに関する技術と表現力に富んだアニメ作家さんという印象がある及川監督。今作も画面を観ているだけでも楽しめる"間違いのない一本"になるのではないかな、と。

確かなアニメーションで各作品毎にファンを楽しませてきたfeel.の実直な作りにも期待大です。

■樋口真嗣 総監督の『ひそねとまそたん』

総監督/樋口真嗣、監督/小林寛、シリーズ構成/岡田麿里、キャラクターデザイン/青木俊直(原案)、伊藤嘉之

"監督"という部分に的を絞って春アニメのオススメ作を集めた場合、絶対に紹介する必要があり、なおかつ、全く読めない作品が、樋口真嗣さんが"総監督"として参加する『ひそねとまそたん』です。

特撮監督として、平成ガメラシリーズで、そして、映画監督として『シン・ゴジラ』で、日本中を驚かせてきた樋口真嗣さんが、テレビアニメで何を見せてくれるのか? アニメファンならずとも、映画や特撮といった"映像作品"が好きな方ならば必見だと思います。

また、シリーズ構成を岡田麿里さんが担当。デザイン関連の仕事には、河森正治さんやコヤマシゲトさん、okamaさん、伊藤嘉之さんという人気のクリエイターが参戦しており、その超豪華かつ鉄壁の布陣にも注目な一本です。

■博史池畠 監督の『キラッとプリ☆チャン』

監督/博史池畠、シリーズ構成/兵頭一歩、キャラクターデザイン/満田一

監督に博史池畠さん、シリーズ構成に兵頭一歩さん、キャラクターデザインに満田一さんという、昨年放映された『AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-』のスタッフが勢揃いした『キラッとプリ☆チャン』。

同作は、女児向けアーケードゲームのメディアミックス企画である『プリティーリズム』『プリパラ』に続く、「プリティー」シリーズの3作目であり、10年近くに渡って続く同シリーズの最新モードとなるアニメです。

何といっても、新たなプリティーシリーズをこの制作陣で作るという企画力が目を引きます。

『AKIBA'S TRIP』では、秋葉原を舞台にアニメにコスプレ、アイドルといった"オタクカルチャー"を筆頭に、ミリタリー、オーディオ、AV、アマチュア無線、トレーディングカード、プロレス、パソコンに家電……とありとあらゆる"アキバ文化"を愛情たっぷりに取り入れ、ひたすらにハチャメチャで楽しさ溢れる作品世界を作り上げた池畠監督たちが、本作では、どのような世界を見せてくれるのか? とても、ワクワクしてしまいます。

放送時間は、テレビ朝日の看板のひとつである"ニチアサ"をはじめ、人気番組がひしめき合う日曜の朝。深夜のアニメ放映枠とは、また違った意味での激戦区となりますが、その中でも突き抜けるパワーを秘めた作品なのではないかと思います!

■小林浩輔 監督の『ありすorありす』

監督/小林浩輔、脚本/藤本冴香、キャラクターデザイン/桑原直子

ラストの一作は、ショートアニメから『ありすorありす』をチョイス。『プリティーリズム』シリーズに携わってきた小林浩輔さんの監督作です。

小林さんの経歴を拝見すると制作進行からアニメ業界でのキャリアをスタートし、様々な作品で演出の経験を積み、『プリティーリズム』で監督補佐や副監督を経て、本作で監督デビューとのことで、まさに"叩き上げ"のアニメクリエーターさんなのかな、と。

『プリリズ』の演出を経ての監督デビューというと、『ラブライブ!』や『宝石の国』で大ヒット作を世に送り出した京極尚彦監督という偉大な先達がいらっしゃいますが、そういった意味でも、小林監督の作品作りを追い掛けてみたくなります。

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