高視聴率「BG~身辺警護人~」最終回も木村拓哉ワンマンショーのままか、最後にチームワーク発揮なるか

エキレビ!

2018/3/15 09:45

木村拓哉主演、井上由美子脚本のドラマ『BG~身辺警護人~』。クライアントのため、丸腰で敵に挑むボディガードたちの活躍を描く。今夜最終回! 矢沢永吉も出るぞ!

先週放送された第8話の視聴率は、16.4%とこれまでで最高を記録。視聴率で苦戦が続く今クールのドラマの中では大健闘、大善戦だ。キャストのオールスターぶりもさることながら、登場人物が多い中、最終的には木村拓哉に物語が集約されるストーリーのわかりやすさが視聴率につながっているのだろう。

歪められていく真実
第7話で足に植野(萩原聖人)が放った銃弾を浴びた身辺警護課課長の村田(上川隆也/参考作品)が第8話の冒頭であっさり死亡! えーっ! どうして死んじゃったんだ、課長……。今ひとつ深みがなかった(エピソードが描かれなかった)身辺警護課のメンバーの中で、温厚篤実さが画面いっぱいに伝わってくる良いキャラクターだったのに……。


というわけで、第8話と第9話の最終章は、村田の死を契機とする、島崎(木村拓哉)たちボディガードの“名誉”をかけた戦いが描かれる。

村田の死は、民事党の五十嵐幹事長(堀内正美)が犯人を挑発したために起こった悲劇だった。SPの責任を問われた警視庁警護禍課長の氷川(宇梶剛士)は「被害者自ら逆上した被疑者に接触した」とマスコミに発表。しかし、「被害者が挑発したということですか?」と質問されると否定しない。現場にいた大臣の立原愛子(石田ゆり子)も真実を話さなかった。

政治家の責任、警視庁の責任を回避するため、真実が歪められていく。ただし、誰も「真実を歪めろ」と指示は下していないところが狡猾だ。ここにも忖度がはびこっている。

マスコミは「勘違いボディガードの悲劇」「ヒーロー気取りのボディガード」などと村田に一方的に非がある論調の記事を次々に発表していた。島崎たちはグッとこらえるが、村田の息子・庸一(堀家一希)は「警察も政治家も一警備員のせいにしとけって感じでしょう?」「しょせんボディガードなんて割に合わないブラックな仕事なワケよ」とひねくれながらブチ切れる。

堀家一路は『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』で自決したテロリスト兄弟を演じていたのが印象的。村田の妻・靖子を演じた中山忍は、木村拓哉、江口洋介らと同じく80年代末デビュー組(88年デビュー)。現在の2.5次元ミュージカルのきっかけを作ったと言われるSMAP主演の舞台「聖闘士星矢」ではヒロインの城戸沙織を演じていた。中山忍も、山口智子、萩原聖人に続く、木村拓哉共演陣の一人というわけ。脇役のキャスティングにも手を抜かないのが『BG』流だ。

村田の死でようやく結束する身辺警護課
村田の名誉回復にはやる高梨(斎藤工)はSPの落合(江口洋介)に接触するが、落合はにべもない。だが、忸怩たる思いを抱えていたのは、落合も大臣の立原も同じことだった。それでも、上からの見えない圧力に対してどうすることもできない。

そんな中、高梨が村田の残していた音声記録に気がつく。村田は現場の音声を常にICレコーダーで録音していたのだ。だが、ICレコーダーは警視庁から戻ってきていなかった。それを取り戻そうというのだ。

庸一を気にかけていることを指摘された高梨は、自分の過去を島崎に語り始める。第1話の「怖くない人と組むの、怖いな」という言葉を高梨がずっと気にしていたという展開は上手い。その後の沢口(間宮祥太朗)がボディガードのやりがいに気づくシーン、菅沼(菜々緒)がこらえきれずに涙を流すシーンも良かった。これまでバラバラだった身辺警護課のメンバーが、村田の死をきっかけにお互いに心を開いたかのようだ。

ここでの身辺警護課の雰囲気は、かつての刑事ものの一シーンのようだった。ここに村田がいれば……と思うのと同時に、村田を死なせずにこの雰囲気ができなかったのかとも思ってしまう。それにしてもなぜ沢口は、巨大なペットボトル入りジュースを大量に買ってきたんだろう?

名誉を奪われたボディガード、SMAPを奪われたキムタク
「地位も権力も武器もない我々が、唯一持っていたものを奪われたんです!」

取り戻したICはレコーダーの音声は削除されていた。窮した島崎は、立原愛子に現場でのことを公にしてほしいと直訴する。SPたちに取り押さえられながら島崎が叫んだのが冒頭の言葉だ。「奪われたもの」とは、もちろんボディガードとしてのささやかな誇りと名誉だ。

ところで、これまでにも第5話の「人に夢を与えてきた人間は、どんなことがあっても逃げちゃいけないと思うんです」をはじめとして、井上由美子はどこかで木村拓哉に今のキムタクの境遇を思わせるようなセリフを言わせているのだが、今回はこれだろう。

木村が奪われたものとは、つまりSMAPだ。ジャニーズ事務所に残留した木村はSMAPの名を使うことができるし(現在もSMAPの名を冠した番組を続けているのは木村だけ)、SMAPの歌だって歌うことができるだろう。だが、事実上、それは難しい。地位も権力も持っている誰かによってSMAPを取り上げられてしまったのは木村も同じだと思う。

立原愛子は大臣を辞職して村田の名誉回復のための証言をすることを誓う。一方、SPの落合は警視庁を守るために島崎を消すことを決意する。落合を見ていると、巨大な警察組織を守るための不正をめぐるドラマ『小さな巨人』を思い出す。

そしていよいよ最終章。政治家と警察組織が抱える秘密として“大臣の暴言によって引き起こされた民間のボディガードの死”というのは、現実の政治家と行政が抱える秘密のほうがヤバすぎる煽りを受けてちょっと軽い気がするが、それは仕方ない。はたして島崎たちは村田の失われた名誉を取り戻すことができるのか? 島崎と落合の対決の行方は? やっぱりキムタクのワンマンショーなのか、それとも身辺警護課が村田の言い残した「チームワーク」を発揮できるのかにも注目したい。

身辺警護課の新メンバーとして健太郎が登場、そしてラストシーンには島崎たちが警護するVIPとして矢沢永吉が登場する。今夜9時から、15分拡大。
(大山くまお)

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