シニアパワー炸裂のオリジナルミュージカル『ザ・ディサービス・ショウ』が今年も上演! 豆まきイベントでPR

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2018/3/14 18:30



『ザ・デイサービス・ショウ』が2018年4月に再演される。出演者の中尾ミエ尾藤イサオ初風諄田中利花が2月3日、水天宮(東京都中央区)で節分の豆まきイベントに参加し、公演をPRした。その豆まきの様子と、その後のインタビューについてお伝えする。
豆まきをする中尾ミエ
豆まきをする中尾ミエ

「鬼は外!福は内!」。掛け声に合わせて、出演者4人が勢い良く豆を投げる。プロデューサーを務め、主演する中尾ミエは「すっかり忘れていましたけど、私、今年、年女なんです。何十年ぶりで豆まきをさせていただきましたが、やるといいことありそうな気がしますね。今年は頑張るぞという気になりました。目に見えないパワーもらったような感じがします」とその感想を話す。

松井譲治役の尾藤イサオは、御徒町で生まれ、水天宮には子供の頃よく来ていたといい、「自分の小さい頃を思い出して感無量でした」。

ヘルパーの的場涼子役の田中利花は、幼稚園教師をしていた時のことを思い出したといい、「あの時は1粒ずつ豆を子供たちに投げられるという立場だったのですが、今日久しぶりにあの感覚を思い出しました。我を忘れて、みんなに届けたくなりました。楽しかったです」と話す。

名取さち役の初風諄は「この年になって初めて豆まきをさせていただきました。今年はとっても福は内で、楽しいことが起こりそうです」と語った。4人の中で唯一"スマホユーザー"の初風は「知っています? 今はアプリで、鬼が来てでんでん太鼓で追い払うんですよ。豆まきも変わってきたなぁと思っていました」とも話した。
豆まきの途中、振り付けを教える中尾ミエ、田中利花、初風諄(左から)
豆まきの途中、振り付けを教える中尾ミエ、田中利花、初風諄(左から)

豆まきの途中には、劇中の振り付けをレクチャーする場面も。水天宮に集まった、老若男女の参加者たちも楽しそうに、その振付けを真似ていた。

本作は、とある高齢者施設が舞台。中尾が演じるかつてのスター・矢沢マリ子がデイサービスにやってきてミニコンサートを開催するところから物語は始まり、一癖も二癖もあるデイサービスの面々とともにバンドを組むというコメディミュージカルだ。2015年に初演。16年、17年8月と再演され、好評につき、今回は1年も経たないうちの再演となる。
豆まきをする尾藤イサオ
豆まきをする尾藤イサオ

本作について、中尾は「デイサービスを題材にしたミュージカルです。デイサービスはどこに行っても面白くないので、何かやろうということで、年寄りばっかりでロックバンドを作りました」と説明。林ヨネ役の正司花江がカンパニー最高齢の81歳であることを挙げ、「年寄りばっかりでロックのバンド、本当にびっくりしますよ。実際に演奏していますから。みなさん、やっている格好だけだろうと思っているんですけど、本当ですから。劇場中がコンサート会場みたいになります」と語る。

「今年見ておかないと、次を約束できないもんですから(笑)。もしみんな生きていたらやりますけど、そういう瀬戸際でやっておりますので、お見逃しのないようにお越しいただきたいと思います。1年1年これが最後だと思って、燃え尽きたいと思います」とも話し、舞台にかける思いをのぞかせた。
豆まきのイベントで挨拶をする田中利花
豆まきのイベントで挨拶をする田中利花

その後に行われたインタビューの模様は次のとおり。

−−初演の時に楽器を始められた方ばかりですが、再演を重ねるにつれ、手応えを感じていらっしゃいますか?

初風 「継続は力なり」です。(ピアノ演奏に関して)最初は片手だけだったのに、両手になって……楽譜も暗譜して、弾けるようになりました。まずやること、そして続けることが大切です。舞台を見て、私の友達も何かやってみようかなと言っていました。影響力はあったと思います。

尾藤 僕は歌だけなんですが、1年目の時よりもマイクパフォーマンスも含めて、上達していますし、皆さんの演奏も上達していると思います。

田中 私はタンバリンなのでね(笑)。いろんなタンバリンのやり方を見たりして研究しているんですけど……(笑)。

中尾 正司さんなんて毎日毎日練習していますよ。楽屋入りも一番早いですし。

初風 そう、いないなぁと思うと舞台の裏でやってらっしゃいますね(笑)。

田中 本番でも自分が出てない時に弾こうとして音が出てたりするので、舞台監督から注意されています(笑)。

中尾 モト冬樹さんに敵対心を燃やしています。冬樹さんがうまいから「癪にさわるねん~」とか言って、向上心がすごいですよ。仕事がない時は音楽教室に通いますとか言っていますから(笑)。

尾藤 何歳だから遅いということはないですよ。新しく何か好きなことがあるなら、いつになってもやったらいいと思う。健康にもいいと思いますし、ぜひやってもらいたいと思いますね。

中尾 そうそう、私たちも自分がまさかできるとは思っていなかったですし。やったらできるという自信につながると思いますね。遅いということはないですから。このミュージカル見て、そういう気持ちになっていただければ、私たちもやった甲斐があったかなと思います。
豆まきのイベントに参加する『ザ・デイサービス・ショウ』の出演者ら
豆まきのイベントに参加する『ザ・デイサービス・ショウ』の出演者ら

−−1年も経たないうちの再演です。

中尾 そうですね。明治座という由緒ある劇場で、いつもやっている出し物と違うから、どういう風に受け入れられるのかなとやる前は心配だったんですけど、結果、喜んでいただけました。いろいろ地方も巡りましたが、おかげさまでどこも満杯でした。今、高齢者が元気ですからね。私たちはなるべくお客さんにも一緒に参加していただいて、劇場全部で一つのものを作り上げたいなと思っています。

初風 すごく幸せですね。足腰を鍛えて元気にできるように頑張りたいと思います。楽しい作品ですから。

中尾 そう、元気でいるということが若い人と違って、それだけで大変なことなんですよ(笑)。

初風 目的があるから頑張ろうと思うのよね。

中尾 仕事なのに、ここがデイサービスですから(笑)。

尾藤 本当だよね(笑)。
豆まきをする中尾ミエ、初風諄(左から)
豆まきをする中尾ミエ、初風諄(左から)

−−お話を伺っていて、アットホームな感じが伝わって来ます。

田中 職業柄、毎回いろんな人たちと仕事するんですけど、ここはちょっと特別。すごくホッとするし、この先輩たちに会いたくなるし、実はあんまり甘えさせてもらえないんですけど(笑)、とにかく顔を見ているだけでホッとする。

中尾 実際にこう言うデイサービスがあってほしいなって思うんですよね。目的があって、一生懸命練習して、それを人様に見ていただく。実際にこう言うデイサービスを作って欲しい。

−−再演を重ね、作品に変化はありますか?

中尾 これだけやっていると、みなさん、役が腹に落ちて、実際と役とがオーバーラップしています。あとは、それまでは必死になってやっていたんですが、みなさん、バンド演奏を楽しんでできるようになってきていますよ。最初は余計なことできなかったから、確実にグレードアップしてきました。

−−私の勝手なイメージかもしれませんが、デイサービスでは童謡や演歌のイメージでした。そこをあえてロックンロールにしたのは……

田中 考えてみなさいよ。ビートルズのポールがいくつだと思う? 75歳よ。

中尾 トニーベネットが91歳。

田中 それを聞いていた人たちの世代。実際のこの人たちはロックをやっていた人たちだし。

中尾 今、80代でも元気ですからね。先輩がいっぱいいるから元気になりますよ。自分が体調を崩すわけにはいかないし、自分のためにも続けたいと思っています。誰かいなくなりまで続けたいですね。
『ザ・デイサービス・ショウ』に出演する田中利花、尾藤イサオ、中尾ミエ、初風諄(左から)
『ザ・デイサービス・ショウ』に出演する田中利花、尾藤イサオ、中尾ミエ、初風諄(左から)

−−改めて、作品の見所を教えてください。

田中 介護をやっている人の悩みとかちょっとした感情がちゃんと描かれていること。作られた嘘の話をではなく、あぁこう言う風にみんな思うのかというのが描かれていると思います。

中尾 そう、作者は実際に介護の資格を持っているんですよ。だから裏も表も全部分かっている。綺麗事だけではないの。本音で言っているから、見に来るお客さんも納得するわけ。実際に携わっているからこそ本音を言えるのは強みだと思います。私がどうしてミュージカルにしたかというと、セリフでいうと強くなってしまう部分を歌だと、からっと表現できるからなんです。私、このミュージカルの歌全部好きなんですよ。歌だからの表現がある。何回も見ているけど、飽きないんですよね。珍しいですよ、こんな作品。

−−最後にどんな方に見ていただきたいか、一言お願いします!

田中 昔は年配の方に喜んでいただきたいと思っていたんですけど、時々小さい子供がこの作品を見にくるんです。その子達も一緒にニコニコ喜んでいるのを見ると、分け隔てなく上から下まで、見てもらいたいなぁと思います。

尾藤 僕も町内会で色々話をするんですけど、男の人は芝居を見に来る人があんまりいないんです。男の人にたくさん見てほしいと思うな。

田中 そう、それに男性はデイサービスのアクティビティを嫌がる人が多い。確かに、子供っぽく「折り紙しましょ~」みたいなところはね...

初風 プライドが傷つきますよね。

田中 そう、行きたくないだろうなって思います。

中尾 だからこそ、私はデイサービス丸ごときてほしいなと思います。常々思っているのはデイサービスに来る人だけじゃなくて、ケアする人も楽しくないと。両方一緒に来て、一緒に楽しんでほしいと思う。まさにデイサービスの人は出かけるチャンスないでしょ。だから息抜きのためにもね。両方が同じものを見て楽しんでもらえるのがいいなと思います。

取材・文・撮影=五月女菜穂

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