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ゴージョニゴー!と功名心を煽るチャック・ベリーの『ジョニー・ビー・グッド』

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そんな次世代のロックンローラー達が感化されたのは、その音楽スタイルだけではありません。

その歌詞もまた、若者の功名心を煽るクールなストーリーでした。

例えば、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でもおなじみの彼の代表曲『ジョニー・ビー・グッド』。

この歌詞が三番に渡って語るのは、「ギターしか取り柄のない男がスターを志すまで」の物語。

Chuck Berryの「Johnny B. Goode」



面白いのは、サビで「Go! Johnny go!」とエールを送る人物が、一番ごとに変わってゆく点。

イケイケ感を徐々に高めていく効果を生んでおり、チャックの詩人としての非凡な才能をうかがわせます。



まずは一番、長くなるので要約しますと、



ギターが唯一の取り柄の少年ジョニーに「Go Johnny go!」とハッパをかけるのは、語り手チャックでしょうか。

あるいは(チャック自身がモデルと思われる)ジョニーが自分に向けて、とも読み取れます。

そして二番では、道行く人に自分のギターの腕前を問います。





道行く人々は立ち止まり、「Go! Johnny! Go!」と喝采しました。

どうやらその腕前は、少なくとも人々の注目を集められるレベルのようです。

結構俺イケてんじゃね?と手応えを感じたジョニー。おかあさんに相談したところ、おかんべた褒めです。





おかあさんは「Go Johnny go! 」とエールを送り、息子の背中をグイグイ押します。

自分、道行く人々、お母さんと、着実に支持を勝ち取るジョニーは果たしてスターになれるのでしょうか?

乞うご期待、といいたくなる展開になっています。

この曲に込められた意図とは?



ところで、チャック・ベリー本人が生まれたのはミズーリ州セントルイスという商工業都市。

高校も出ているので読み書きもできます。つまり「ジョニー」のプロフィールは、チャックとは全く違うのです。

このことから、この曲に込めたチャック・ベリーの意図がみえます。

「歌う黒人はみんな南部の田舎育ち」といったような当時の人種的偏見を、あえて物語をシンプルに導入するギミックとして利用しました。

違和感を感じさせる「町育ちで高卒の黒人」を主人公に置くよりも、「田舎育ちの無学の黒人」が逆境の中から這い上がるストーリーの方が、シンプルで受け入れやすいと考えたのでしょう。

当時すでにヒット曲を連発していたチャックは、自分がロックンロールスターとして若者の憧れとなっていることを知っていました。

この曲は、そんな若者たちがチャックに求めているであろうストーリーを描くことで、そのニーズに応えたといえます。

チャック・ベリーという、ギターを自在に操る南部訛りの黒人がこんなサクセスストーリーを歌えば、世界中の冴えないハナタレ小僧たちはこんな風に奮い立ったかもしれません。



ミック・ジャガーにも影響を与えていた「Johnny B. Goode」



2017年、チャック・ベリーの訃報に際し、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが以下のようなコメントを残しています。

「彼は私の少年時代を明るく照らした。そして、ミュージシャンやパフォーマーになるという夢を人生に吹き込んでくれた。」

TEXT:quenjiro

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