木村拓哉の舌ペロ、浜崎あゆみのアヒル口――自撮りの“表情”から、タレントの深層心理を読む!!


 SNSの普及とともに、芸能界でも一般的となった自撮り写真の投稿。プライベートの素顔でファンを喜ばせる一方、「なんだか痛い」「自分に酔ってない?」などと批判めいた声が出てしまうこともある。

しかし、なぜ我々はタレントの自撮りに、良くも悪くもざわつくのだろう。そこには何かしらの理由があるはずだ。今回は、表情、微表情分析を中心とした非言語コミュニケーションの知見・トレーニングを通じて、対話能力の向上をサポートする人材育成・コンサルティング会社「空気を読むを科学する研究所」の代表取締役・清水建二さんに取材を行った。表情に隠された心理を読み解くことで、タレントの知られざる魅力が発見できることもあるようだ。

木村拓哉の舌ペロは「放っておいてくれ」!?

現在出演中のドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)の公式LINEで、舌を出した“舌ペロ”写真を連投した木村。ネット上で「若ぶっている」といったコメントが相次いだためか、本人は「アインシュタインの影響」とラジオ番組で説明した。そんな“舌を出すポーズ”について、清水さんは、「舌を出す動きは、もともとイヤなものを吐き出すときに行われる顔の動きです。心理的には、『関わらないで』『放っておいてくれ』という意味合いがあります」と解説。SMAP解散にまつわる一連の騒動などから、無意識に「放っておいてほしい」という気持ちが、写真を撮るときの心地よいポーズとして生じたのではと、思わず深読みしてしまう。

だが、「他人に見られることを意識した上であれば、照れていたり、感情を誤魔化そうとしたり、相手を侮辱したいときなどにも行われます。木村さんがこの写真を撮影した状況から察すると、そのような心理が働いた可能性の方が高い」。

確かに、SNSの使用を禁じられているジャニーズ所属の木村だけに、撮られることには慣れていても、自撮り慣れはしていない可能性も捨て置けない。そのため、「普通の表情だと不安が出てしまうかもしれないから、あえていたずらっぽく舌を出して、感情を誤魔化そうとしたのかもしれませんね」と、清水さん。その根拠として、「上の写真は右眉が上がっていますよね。表情を意図的に作ろうとすると左右非対称に動くので、この右眉の動きから意識して舌を出していることが窺え、『これでうまく顔が作れているかな?』という感情が読み取れます」という。

なお、ネット上で「若ぶって見える」という反応が相次いだのは、「若ければ若いほど、感情がストレートに顔に出ます。本来なら表情をコントロールして感情を表さない年齢の木村さんが、嫌悪感の現れである“舌を出すポーズ”をしていることで、若ぶっているような印象を与えたのでは」とのこと。木村のアイドルらしいヤンチャさは、まだまだ健在――ファンにはうれしいことなのかもしれない。

浜崎あゆみのアヒル口は「いつも愛されていたい」願望

SNSに投稿する動画で、頻繁に“アヒル口”をしている浜崎。世間では「ぶりっ子している」とイタい人扱いだが、清水さんは、「唇が突き出される動きは、不満、キスへの願望、女性性の醸成などの意味があります。撮影されている状況や、映像内にネガティブな感情を表す表情がないことから不満は感じられないので、キスへの願望や女性性の醸成の可能性が高いでしょう。なお、男性は厚い唇に性的魅力や女性性を強く感じる傾向があるので、もし浜崎さんが意図せずにアヒル口を行っているのであれば、自然に周りの男性を魅了する才能があるのだと思います」と、浜崎の“才能”に着目。

また、目が大きいと、顔の比率に対して目の大きい子どものような印象を与える“ベビーフェイス”になって、可愛く見えるとのこと。アヒル口と同時に目を大きく見せようとする仕種も見られる浜崎は、「“いつも愛されていたい”という願望が心の奥にある可能性が考えられます」。ベビーフェイスにアヒル口は、可愛さと性的魅力を兼ね備えた男性ウケ間違いなしの表情といえそうだ。

では、浜崎がさらに男性を魅了するにはどうすればいいのか? 清水さんによると、「舌で唇をなぞる仕草をプラスすれば、男性はより魅了されるでしょう。ただ、やりすぎるのはよくないので、“取り入れる頻度”が大切です」だそうだ。可愛さをグッと抑えることも、魅力的に見せるためには大事なのかもしれない。

竹内涼真のハの字眉は「普通はできない悲しみの表現」

上目遣いの自撮り写真が、ファンの間で「あざとかわいい」といわれている竹内。清水さんが一番に注目したのは、困り顔に見える“ハの字眉”だ。

「表情を作る筋肉の中には、自分の意思でコントロールできない部分もあります。眉はその代表格で、悲しみや困惑を表現する“ハの字眉”は、トレーニングでもしない限り意図的にできるものではありません。それができる竹内さんはすごい!!」と、大絶賛。

海外の犯罪捜査では、行方不明になった我が子の情報提供を呼び掛ける両親の“眉の動き”を見て、親が子を殺害した可能性を読み取るケースもあるという。それくらい、人は感情が伴わないと“ハの字眉”にはならないそうだ。

さらに、竹内が得意とする上目遣いは、「自分より体の大きい相手の顔を見上げるときに自然と生じる仕種で、子どもが大人に対して、あるいは、女性が男性に対してすることが多くなる表情です。そのため、された側は相手を自分より小さく弱い存在と認識します」。悲しみを表すハの字眉と、弱々しい印象を与える上目遣いが合わさった竹内の表情は、相手に「助けたい!」「守ってあげたい!」との思いを抱かせて、母性本能をくすぐるそうだ。「この表情に、唇を尖らせる仕種を合わせると、いたずらっ子のような印象も加わって、さらに女性を虜にできるでしょう」とのアドバイスまでいただいた。

なお、このような表情をSNSで発信する男性タレントの心理としては、「普段の役柄とのギャップ萌えを狙っているか、役柄やイメージから、自分の演じるべきキャラクターをわきまえて演出していることも考えられます。ただ、本当に素の自分を表現している人もいるでしょうけどね(笑)」と言うから、見る側の妄想は広がるばかりだ。

石田ゆり子の無表情は「油断」を演出

笑顔の自撮りにときおり混ざる“無表情”が、オトナの女の色気を感じさせるとして注目されている石田。リラックスしたように見える彼女の顔も美しいが、「油断した表情は、気の抜けたブサイクな顔になりやすいので、綺麗に撮るのは意外に難しい」と清水さんは語る。石田が綺麗に自撮りできているのは、元がいいことも然ることながら、「綺麗に見える“油断した表情”を知っているからだと思います」と言う。

本当に油断していると、口が開いてぽかんとした表情になりやすいが、石田はそっと唇を閉じている。さらに、左の眉頭が少し引き上げられているようにも見えることから、木村同様、表情のコントロールで左右非対称の動きが生じている可能性を指摘。「眉頭はメイクやライトの加減でそう見えるだけかもしれない」と前置きしながらも、「本当に油断していると、目自体も力なくとろんとしますが、石田さんの目元は少し力が入っているように見えます。“口を閉じる”、“目元の緊張”から、綺麗な油断した表情を演出していることが読み取れます」と、清水さんは分析する。

ただ、通常、表情を作ると顔に力が入ってリラックスしているように見えないが、石田は綺麗な表情を作りながらも自然体を体現している。「これはすごいこと。この表情をどのくらい意図的に行っているかはわかりませんが、長年の女優経験から綺麗な自分の見せ方を体得し、いついかなるときでも、無意識に表現できるのかもしれません」。

表情豊かな中で見せる油断した表情はギャップとなり、変化がより効果的に映るため、このようなプライベート感のある表情が女優の顔とのギャップを生んで、石田の魅力をさらに増す要因になっていると考えられるそうだ。

なお、一般人が石田を真似て油断した表情を作るのは、「笑顔を真似るよりは簡単」なのだそう。ただ、表情で誤魔化せない分、綺麗に見えるかどうかで造形の美しさが試されるようだ。自信のある方は、ぜひトライしてみてもらいたい。
(千葉こころ)

清水建二(しみず・けんじ)
「空気を読むを科学する研究所」代表取締役。1982年、東京生まれ。防衛省講師。特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本顔学会会員。ニュースやバラエティ番組で、政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(テレビ朝日系『科捜研の女 シーズン16』)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数。

【著書紹介】
『ビジネスに効く 表情のつくり方(顔は口ほどにモノを言う!)』(イースト・プレス)
コミュニケーションの肝は、話す内容でも、言葉遣いでもなく、「表情」と「しぐさ」のスキルにある!? コミュニケーション上達のための「表情」と「しぐさ」のポイントを科学的に解説。商談、営業、面接、接客、社交……さまざまな場で使える1冊。

『微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)
Google、マイクロソフト、Twitter、FBI……世界的企業で使われている、無意識の感情の表われ「微表情」読み取る技術を解説。一瞬で、確実に相手のホンネがわかる、最強の心理術を教えます。

あなたにおすすめ

ランキング

もっとよむ

注目ニュース

もっとよむ

あなたにおすすめ